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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十一章 新生ユークリッド王国
326/330

326. 国創り ⑬ ロン

ロンが竜人国を出発したのはそれから5日後のことだった。来る時はロン1人で転移魔法で来たのだが、帰るときは100人以上の大所帯になっていた。しかも家畜やら食料を運んでいる。自然、移動には相当時間が掛かっていた。


ロンは今度の隊長であるシムルを呼び出した。


「ねえ、シムル、僕行く所があるから、この先の五叉路で待っていてくれない?」

「殿下、五叉路ですか」

「うん。五叉路の先、獣王国に行く道に待機できる場所があるんだ」

「かしこまりました。どの位お待ちすれば宜しいのでしょう」

「そうだなあ、1日か2日くらい。僕も在る所から食料を持ってきたいんだ」

「殿下お一人で大丈夫ですか」

「うーん。多分、大丈夫。ダメだったら救援呼ぶから」

「分かりました。ご無事のお帰りを待っています」

「ありがとう。じゃあ、僕、行くね」


魔方陣が周り、ロンがその場から消える。シムル隊長は全軍に五叉路を目指して進むことを指示した。



「ただいま」

魔方陣が光り、館のホールにロンが姿を現した。マルコムがホールに入ってきてロンに挨拶をする。

「ロン様、お帰りなさいませ」

「マルコム、美味しい食事をお願い。移動中、携行食しか食べられなかった」

「それはそれは。竜人国からですか?」

「うん。100人以上の大部隊でユークリッド王国に向かっているんだ。食料と兵の交換要員とでね」

「それは大変ですね。すぐにお食事をご用意しましょう。その間、ご入浴なさいますか」

「いいね。温泉に入って疲れを癒やしたい」

「では、地下の浴場へ行ってらっしゃいませ。上がられたら、すぐにお食事にしましょう」



ロンは地下の温泉施設で旅の汚れを落とし、湯船に浸かる。久しぶりの温泉だ。

「ふわあ、疲れがとれる・・」

変身して竜の姿になって仰向けにぷかぷか浮いている。

「こんな姿で入れるのは僕だけの時くらいしかないもんね」


ロンが温泉を満喫してダイニングに入ってくると良い匂いが漂っていた。


「お待ちしておりました。今日はロン様の好きなハンバーグをご用意しております」

「ありがとう。食べたら寝るよ。で、明日の朝、出発するけど、前に言っていた物は用意できてる?」

「はい、準備万端です。いつでも出発していただけます」


その夜、柔らかいベッドに横になると、ロンはすぐ熟睡した。



次の日の朝、朝食を取ってロンが外へ出てみると、以前、ここへ来たときの幌付きの馬車にクロック達親子が繋がれていた。


「やあ、クロック、おはよう。これからアレク達の所へ行くからね。宜しくね」


ロンがクロックの鼻面を撫でて言うとクロックは何かを察したか、軽く嘶いた。行く気満々である。ロンが御者台に登り、轡をとった。馬車がゆっくりと動き出す。ロンは見送ってくれているマルコムに手を振った。












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