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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十一章 新生ユークリッド王国
314/329

314. 国創り ①

.「すがすがしいほど何もないな」


これは聖ピウス皇国を倒し、ユークリッド王国を再建させるべく政務に就いたアレクから出た一言だった。


「何もかもが足りん。あいつらどうやって国を運営させてたんだ?」

「だって聖ピウスを復活させることが目的だったんだから、他のことはどうでもよかったんじゃない?」

「自分達ヴァンパイア以外は、家畜として飼っていた程度の認識で、農業にしたって家畜の餌を自分達で作らせてやってるって訳か」

「しかも魔石を掘り出していたため、土地の魔力が極端に少なくなっているし。多少魔力が残って居る土地は漏れなくケシ畑になってる」

「闇ギルドを解体させたときに押収した資金があるが、当面の食料を外国に買い付けるだけで底を突いてしまいそうだし」

「それに、何と言っても人がいない。農村の男手は鉱山に取られて魔獣によって激減しているし、女子供は疲弊しきっている。貴族達は魔力を吸われて殆ど残って居ない」


ハアーっ


会議室に入ったメンバーは一様に頭を抱えた。


「サイラス卿、もう暫く竜騎士達に手伝ってもらいたいことがあるのだが」

「分かりました。何なりとお申し付けください」

「土地に魔力を戻したい。ここにある魔力のある魔石を砕いて、空から散布してもらえないだろうか」

「お安いご用です」

「さらに、散布した魔石を土地になじませるため、土地を耕してはくれまいか」

「分かりました。それについては地図を元に各竜騎士に分担させます」

「かたじけない」

「それから、セイガ、獣人国に行って家畜の買い付けをしてきてくれるか」

「うん、いいよ」

「土地の本来の力を取り戻すのはまだ掛かる。それに今は冬に向かっているから畑ではなくまず牧草地にしようと思う」

「なるほどね。それなら買い付けはジル達に頼もう。彼らならよく育つ牧草にも詳しいだろうから」

「それから、エル。君は残ったヴァンパイアの見極めと孤児の救済を頼みたい」

「分かったわ。それに元の夫婦神教の復活も視野に入れてみる。やっぱり皆、心の拠り所が必要なんじゃないかと思うし」

「宜しく頼む」

「さて、ウィルと俺は文官の確保と内政についてだな。これについては貴族が壊滅状態なのが痛い。めぼしい人材がいない」

「今いる人材ではとてもやり繰りできないですね・・」

「うーん、どうしようか」


前途多難である。



新章が始まりました。新しい国作りですが問題山積みのようです。今後も『黄金の道』を応援してくださると嬉しいです。宜しくお願いします。

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