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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十章 聖ピウス皇国の崩壊
311/329

311. 因縁の対決 ④

時間が少し前に戻ります。

「キキーッ」


見上げるとコウモリの一団がバルトロイ枢機卿へと集まって来る。

「ザビエル教皇!どうなされました」

教皇は変身を解くと「教皇庁が聖魔法使いに襲われたのだ。今、リッチ殿が対処している」と言い、あらためてエルを見た。


「貴女は・・・」

バルトロイ枢機卿が耳元で囁く。「聖女様です」


「貴方がこの国を統べる教皇ザビエルね。己の欲に眩み、民に無理を強い、各国に災いを招いた元凶。私は私の国を取り戻しに来ました。貴方方だけは許しません。皆、灰になって・・」

エルが赤い目を光らせ胸のペンダントに手をやると


「待て、待ってください、聖女様!」

教皇ザビエル他、その場にいた高位聖職者達が一斉に跪いた。


「我々は、聖ピウス様の復活と意思を尊重したまで。聖ピウス様の復活は私たちの悲願でもありました。我々ヴァンパイアは数的にどの種族より劣っております。そんな劣勢の中、ヴァンパイア達が生き延びるため・・」

「黙りなさい。そのために他の種族の犠牲を強いることは許されない事です。貴方達は既に不死の体を持っている。そんな言い訳が・・・」


エルが言いかけた時、もの凄い音が王宮の奥から聞こえ辺りを震わせた。


「ヒイイっ」慌てた司教が部屋に走り込んでくる。その司教を片手で捕えた巨人が大広間へと現れ辺りを睥睨した。咄嗟に教皇達はコウモリに変身して逃げようとしたが、ロンが結界を張り逃さない。そんなロンの魔力を見て、巨人の目が光り突進してきた。ロンは自分達にも結界を張りその突進を受け止めたが、相当、きつかったらしくロンにしては珍しく呻いた。急いでアレクに救援のメッセージを送る。


「ロン、大丈夫?」

「もう暫くは耐えられるけど、長くは持たない」

「あれは何?」

「フフフ、ハッハッハッピウス様が復活なされた!ああ、この力、素晴らしい。皆、見るが良い。これこそが我が求めたピウス様だ」

「この化け物が?お前達、ピウスに何をした」


ピウスは魔力が足りなくなったと思ったのかおもむろに掴んでいた司教の一人に噛みついた。魔力と血を吸い足られ、司教はしなびて灰になった。


そこに軍隊と共にアレクとセイガが飛び込んできた。軍の兵士はピウスを見ると恐慌状態に陥り、ピウスに向かって攻撃しかける。


「馬鹿者!その方はピウス様だ。お前達の敵はあの者達だ」と教皇ザビエルはエル達を指し示す。


エルは斬りかかってきた聖騎士達を一瞬にして灰にする。兵士達は逃げることも忘れ一瞬呆けた様になっていた。その隙をついてアレクが光り魔法を放つ。


「オールバインド」


大広間にいた兵士達が光の拘束魔法で全て拘束される。それを見た巨人の目が赤く光った。









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