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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十章 聖ピウス皇国の崩壊
309/329

309. 因縁の対決 ②

アレクは聖剣を持った竜騎士達と共に教皇庁に突入した。そこには夥しい数の聖騎士達がいた。彼らは皆、ヴァンパイアで有り、目で追えないくらいの素早さを見せる。身体強化したとはいえ竜騎士達はその素早さに追いつけていない。ジリジリと戦況が押されている。竜騎士達も息が上がってきた。


アレクは天に向かって叫んだ。

「エリアヒール!」


黄金の輝きがその場を照らした。すると優勢だったはずの聖騎士達が苦しみだし、竜騎士達が息を吹き返した。そばで様子を見ていた司教達が慌て出す。


「なんとあれは聖魔法使いか。何をしている。あの魔法使いを捕えよ」


聖騎士達が一斉にアレクに向き直る。しかし、アレクの魔法の方が早かった。


「バインド」


聖騎士達を一斉に光の拘束魔法で拘束した。そこへ竜騎士達が襲い掛かり確実に屠っていく。司教達は慌てて奥に逃げていった。アレク達はその後を追っていく。司教達が駆け込んだ大広間には枢機卿と教皇が待っていた。


「どうした」

「教皇様、相手は聖魔法使いで我々の手には負えません」

「やむを得ん、聖ピウス様の元にいくぞ」


彼らは一斉にコウモリに変身し王宮へと向かった。アレクはその内の一人を拘束魔法で捕まえた。

「奴らはどこへ行った」

「ヒイっ」身をすくませる司教に聖剣を突きつけ問うと、司教は震える手で窓の外に見える王宮を指さした。その司教を竜騎士が容赦なく切り捨てる。


「王宮だ!」


アレクが叫んで王宮に向かおうとすると、その時、異様な気配に気が付いた。フードをかぶった異様な一団が現れたのだ。そして彼らの後ろには生気のない顔をこちらに向けた死者の群れがいた。


「成程、魔族か。そしてお前は死者を操ると言われるリッチだな」

「ほほう、我のことを知っているとは。だが、いくら聖魔法使いだといってもたった一人。一人でどれだけ抗えるかな」


リッチの後ろにいる死者達はどんどん数を増している。恐らくは国中の過去の死者達も含めて操っているに違いない。アレクは建物内では不利とみて外へ向かって走り出した。竜騎士達も後に続く。中央広場まで来たときにアレクは死者達に向き直った。


「竜騎士達よ、死者をブレスの業火で焼き払え」


竜騎士が竜に変身し一斉に死者に向けてブレスを放つ。死者達は音もなく火の中で崩れ去っていく。そこへセイガの一団が中央広場に到着した。


「アレク!」

「良いところに来た、セイガ。セイガの竜騎士もブレスで参戦してくれ」


次から次へと現れる死者にブレスを浴びせ続ける竜騎士達。中央広場は燃えさか死者達で地獄の様相を呈していた。


その業火をモノともせずリッチが広場に現れ、アレクと対峙した。


「竜人は炎を操る。抜かったわ」

「死者を冒涜するお前だけは許さない。この聖剣にかけてお前を討つ」


アレクとリッチの戦いが始まろうとしていた。









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