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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十章 聖ピウス皇国の崩壊
302/329

302. 出陣

早朝、王宮前広場

そこには夥しい数の騎士が出陣の時を待って忙しい時間を過ごしている。



「アレク様!」大柄な騎士がアレク達を呼び止めた。


「タンガ、久しぶり。君もいくことになったのかい?」

「勿論、聖ピウス皇国へ侵攻することを聞いて、いの一番に国王陛下に名乗り出ました。また、アレク様達と共に戦えるなんて、腕が鳴ります」

「あの時は世話になったな。センドーサ伯爵は息災であられるか」

「ああ、兄貴もこの出陣には乗り気でして、あの時一緒にコンガ村まで行った騎士達も来ています」

「そうか。タンガには陛下に預けた聖剣を一振りになって欲しい」

「それならば、陛下より賜っています。この聖剣でどれほどの数、斬れますか」

「恐らく、30前後だろう。斬れなくなったら、俺の所へ来い。魔力を充填してやる」

「分かりました。他の聖剣持ちにも伝えておきます」

「ところでサイラス卿はどこにおられる?」

「あちらに。ご案内致します」


アレクは一騎当千の騎士達の間を抜け、サイラス卿の前まで来た。


「サイラス卿、打ち合わせしたいが良いだろうか」

「アレク様、分かりました。タンガ、この聖剣をあの者たちに配ってくれ」



「聖剣の分配は順調ですか」

「ええ。ヴァンパイアから見ても素早さで遜色ない者を選びました」


「実は、『黄金の道』に転移陣があるのでそれを利用しようと思ってます」

「黄金の道?ああ、春分点・秋分点に結界へ向かう道ですか」

「その場所を知っていますので私がそこに先行し、封印を解除してから皆様をお連れしたいと思っております。話によれば、聖ピウス皇国の中心部へ繋がっているようです。彼らはその転移陣を使って、結界の向こう側から来た人々をいいように使っていて、酷い時には奴隷に落としていたとか。私はそれを見つけて封印しましたが、これを使おうと思っています」

「成程、それはいい。であるならばアレク様は先に行かれるという訳ですね」

「ええ、ですので待ち合わせ場所を決めましょう。丁度、この国を出て獣王国に行く途中に五叉路があります。その先に、軍隊が滞在出来る広場があるのでそこで落ち合いましょう。道案内はロンとセイガがします」

「エル様は?」

「エルは私と共に転移陣の封印の解除に向かいます」

「分かりました。では出発の刻限も迫って参りましたので私は陛下の下に行き、結界の解除を致します」



「セイガ、ロン。お前達は軍をあの五叉路の先の広場へ案内してくれ」

「分かった。ロン、飛んでいくんだろ?僕は転移魔法で先に行ってる」




国王の声が響き渡る。

「皆の者、我々は5年近くこの結界内で我慢をした。今日ここでこの結界を解く。もう闇ギルドの者達に悩まされることがなきよう徹底的に潰せ。皆に、勝利を!」

「国王陛下万歳!我々に勝利を!」


結界が解かれ、騎士達は次々と竜へと変身する。アレクとエルはいち早く転移陣の所まで転移した。


ここに聖ピウス皇国滅亡に至る戦が始まろうとしていた。







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