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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第十章 聖ピウス皇国の崩壊
284/330

284. 告白

アレクが王城を出て厩舎まで来ると馬の嘶く声が聞こえた。クロックだ。何を騒いでいるのだろうと思い、厩舎の職員に話を聞いてみると、エル達が先に行ってしまったことで騒いでいたらしい。


「でも、クロムが怒る原因もあったわけで・・」と厩務員が口ごもる。


現在クロムのお腹の中にはクロックの子が宿っている。第3子だ。そのクロムの前でクロックは他の牝馬に種付けをしてしまったというのだ。それを見ていたクロムはエルが来た途端、エルを乗せてさっさと城門へと行ってしまったらしい。置いて行かれたと思ったクロックが騒いでいたということだ。


「クロック、それはお前が悪い」


俺が呆れてクロックに言うと、クロックは早く乗れと催促をする。俺がクロックに乗った途端にクロムを追いかけて走り出した。




エル達は王都の北の城門を出た辺りで待っていた。早速、クロックがクロムの側に寄っていったが、クロムは知らんふりをしている。それを見ていたクイックが連れてきていた若い牝馬と共に白い目で見ていた。



王都の北側はなだらかな丘陵地帯で牧草が生い茂っている。牧畜業には打って付けの地であり、王都の食を支えている。そんな牧草地を進んで行くと、そろそろ日も傾いてきた。王都を出たのが昼過ぎだったので、今日はここで夜を過ごすかと野営の準備を始めた。気持ちの良い丘の上だ。ここからなら、遠目に王都の夜景も見えるだろう。クロック達は自由にさせた。



「アレク、久しぶりの野営、僕、チーズフォンデュが食べたい」セイガが尻尾をブンブン振ってそう言うと、ロンも「僕も食べてみたい」と同意する。

「あれ、ロンは食べたこと無かったっけ」

「うん、まだ小さくて食べられなかった」

「じゃあ、作るか。じゃあ、エルは食器の準備して。あと、ロンは結界頼む」


夕食の準備も出来、空間から出した食卓に皆揃う。

「うまあ、これだよ、これ」セイガは気に入ったのか、何度も溶けたチーズに肉を浸して食べている。

「ほんと、これ、美味しいね。いくらでも食べられそう」ロンもニコニコしてそう言った。

「エルは成人したし、ワインでも飲むか」

「うん、お願い。でも久しぶりだね、こういう風に皆で食べるの」

「ああ、たまにはこういうのも悪くない」



食事が終わり一息つくと、セイガとロンが僕達ちょっと遊びに行ってくるといい、オオカミと竜に変身してその場を離れた。空には満天の星が輝いている。

アレクは食卓などを空間に片付け、エルが座っている横に座った。遠くに王都の夜景が見えている。


「エル、君が成人したら言おうと思っていたことがある」

エルは驚いて隣に座るアレクを見た。


「聖ピウス皇国を倒し、ユークリッド王国を再興したら俺と結婚してくれないか」

アレクは真剣な表情でエルの目を見てそう言った。




お待たせいたしました。ちょっと体調を崩し、投稿が遅れてしまい申し訳ありません。アレクさんやっとエルに伝えましたね。さて、どうなることやら。

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