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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第九章 悲しみの葬送
279/333

279.  激闘の末 ①

「邪魔だ、失せろ」


エルの前に出てきた闇ギルドの者達をウィルは持っていた剣で一閃する。音も無く倒れる闇ギルドの者達。それにエルは特大の火魔法を放つ。呻きながら倒れるその者達にエルの火魔法が襲い掛かり燃やしていく。


「再生などさせません」


エルの前に骸骨軍団が出てくる。それを七人の騎士達が次々と屠っていく。そこへエルの火魔法が襲い掛かり骨を間やし尽くしていく。

そこに空から「キエエエー」という声が響き渡り骸骨軍団の中央にブレスが注ぎ込まれた。あっという間に灰になっていく骸骨軍団。


「ロン!」

「ロン、逃げられないよう結界で辺りを覆え」アレクが叫ぶと辺りに薄い膜が張られる。


シリウスとセイガも参戦し、骸骨軍団はみるみるその数を減らしていった。


グレゴリウス司祭は形勢が悪いと判断するやいなや戦場から逃れようと踵を返した

「グレゴリウス司祭、貴方は戦場を捨て、お一人で逃げるおつもりか」

サイード王子が司祭の前に立ちはだかる。

「ば、馬鹿をいうな。私は教皇様に此度のことを報告する義務がある」

「でも、ここから逃れることは無理ですよ。既に結界に覆われています。それに貴方は日頃から自分は不死だと言っておられたではありませんか。捕まっても隙をついて逃げれば問題ないはず」

「それがダメなのだ。あの聖女にかかると私は・・・」


「グレゴリウス司祭、見つけました。覚悟なさい」

エルがウィルと共にグレゴリウス司祭に迫る。

「サイード王子、あの者を斬れ。貴方はカラード帝国一の使い手だろう」

「嫌ですよ。なんで私が貴方を助けなければならない。私をこのような化け物にしたのは貴方だろう」

「ひいいい、来た」

逃げようとする司祭の襟首を掴みサイード王子はエルの前に突き出す。

「貴方は?」

サイード王子は従順を示す為、跪き彼女に挨拶をした。

「私はカラード帝国第十三王子サイードと申す者。私は闇ギルドを調べるため聖ピウス皇国に潜入したのですがこやつらに捕まり、魔石の実験体として屍食鬼(グール)に変貌させられました。他七人の仲間がいましたが、こやつらの実験でことごとく命を失いました。何とか恨みを晴そうと思いましたが、私は聖ピウス皇国に加担しているリッチという化け物に逆らえずこうなった次第です。どうか聖女様、貴女のお力でこの恨みを晴して下さい。そして私もこの忌まわしい生から解放していただきたい」


「そうですか。話は聞きましたが、まだ司祭に尋ねたいこともあるので拘束させてください。アレク、お願い」

アレクが光魔法で司祭達を拘束する。と思ったところ物陰から小さな影が彼女を襲った。彼女のペンダントが光り襲ってきた相手を照らす。途端にその影が呻き出す。とみるみる内にその影が灰になっていく。

「ひいいいい」グレゴリウス司祭が青ざめた。

「ケイダリア伯爵!」


その小さな影は灰になって散っていった。












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