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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第九章 悲しみの葬送
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278. 討伐準備

「どうしたの、セイガ」

エルがうかない顔のセイガに問いかける。食事の時間になっても元気がないように見える。

「うん、今日通りで目が合った男がいたんだけどもの凄い死臭を放っていてね。その匂いが鼻についちゃって食欲がわかないんだ」

「え、でもそれって・・」

「多分ね。後を付けようか迷ったけど、子爵を放ってはおけないし。でも何処に行ったかは分かると思うよ」

「アレクに知らせなくて大丈夫?」

「まあ、明日が期限だからいいんじゃない」

「そっか。アレク、明日、帰って来るんだね」



「アレク、予定の10本、仕上がったわ」

「ありがとう、ララ。これで取敢えずは何とかなるか」

「また必要になったら言ってね。魔石もあるし、余分に作っておくから」

「恩に着るよ。必要な時はよろしく頼む」

「任せて。それより急いだ方がいいんじゃない。もう日も傾いてきているし」

「そうだな。じゃあ、また」と言い、慌ただしくアレクは王城に飛んだ。




「父上、聖剣が出来上がりました」王の執務室を訪れたアレクは挨拶抜きで言った。


「おお、アレク。聖剣ができたか」

「こちらに3本置いておきます。あと騎士を7名お貸し頂けないでしょうか」

「分かった。レイモンドを連れていくが良い。本当に7名だけで良いのか」

「はい。相手は死者。聖剣でしか効果がありませんので」

「そうか。武運を祈る」

「では、急ぎますので御前失礼いたします」


慌ただしくアーサー王の御前を去ったアレクは騎士の待機所に赴いた。そこには騎士数人とレイモンドがいた。

「やあ、アレク様。どうしました」

「レイ、君の力を借りたい。あと6人騎士を選抜してくれるか」

「分かりました。それで私達はなにをすれば」

「急ぎケレスに行って貰いたい。亡霊達が反乱を企てている。ここに聖剣がある。これでできることなら討伐してしまいたい。王の許可は取ってある」

「分かりました。丁度ここに6人いますのでこれから向かいます」

「頼んだ。では私は先に行っている」

アレクはそう言い残し、その場から消えた。


残された騎士達は唖然としていたが、レイモンドの言葉で我にかえる。

「ほら、ボケっとしてないでさっさと行くぞ」

「副団長、彼は・・」

「ああ、あの人はアレキサンダー殿下だ。魔法に長けたお方だ。転移魔法で戻られたんだろう」

「あの方が・・」

「皆、頂いた聖剣は持ったな。では行くぞ」

慌ただしく騎士達が達は準備をし、馬に乗る。行き先はケレスだ。



一足先に子爵邸に帰ったアレクはエル達と合流する。

「アレク!」

「今、戻った。遅い時間になってしまったが、その後変化はないか」

「えと、セイガが変な人を見たって」

「変な人?」

「うん。すごく死臭臭かった。それと側に闇商人らしき人もいたよ」

「恐らく、ウィル達が見た実験体と何か関係があるのかもしれないな。丁度、王都から増援を頼んできたところだ。彼らが着いたら、調べに行こう」











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