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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第一章 エルとペンダント
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26.ペンダントの記憶 ⑰

 広々とした草原に早春の風が吹き渡る中、物々しい音が響き渡る。少し小高い丘の上に元辺境伯軍が続々と集結していた。その数約1万。軍の士気は高く、彼らは既に殺気を漲らせていた。


「男爵、ただ今戻りました」

「シン殿、ご苦労様でした。これからは我らが出番。討伐軍に目に物を見せてやりましょう」

「ここに来るまで2~3千程度、削っておきました。もう間もなく姿を現すでしょう」

「感謝します」

「私が最初に特大魔法を放ちますので相手が怯んでいるうちに一気に攻め入ってください」

「承知した」そして男爵は他の将兵に対し伝令を飛ばす。


 草原の先から徐々に討伐軍の姿が見えてくる。その数およそ2万。みるみる草原が軍馬と兵士に埋めつくされていく。


「それではいきます。いかづちよあれ」とシンは叫び、両腕を天に向かい高く挙げた。


 するとどこからともなく黒雲が湧き出し草原を覆い尽くした。と同時に空から光の筋が敵陣に落ちた。ものすごい轟音とともに敵の中央部の兵士がバタバタと倒れ伏しているのが遠目でもわかった。光の筋はその後何度も降り注ぎ、完全に敵軍は浮き足だっていた。

 

元辺境伯軍は号令をかけた「突っ込め-」

 一斉に丘の上から1万の軍が討伐軍に襲いかかった。ただでさえ浮き足立っているところに総攻撃を受けもはや軍の様相を呈しておらず、蹂躙の場となった。元辺境伯軍の独壇場であった。


 敗走する兵士を追い、そのまま王都に向かう。そして王都へむかう途中の街々で討伐軍はみるみるうちに数を減らしていき、反対に元辺境伯軍は途中に領地を持つ貴族達が協力を申し出どんどんその数を増やしていった。


 そして王都ペレスの城壁が遠目でも見える場所まで来た。男爵は一旦行軍を止め、伝令を呼び王都にむけて放った。


『降伏せよ』




1話では収まらずすみません。次話も引き続き王都奪還編です。

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