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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第七章 彼らの残した物
243/332

243. 目標

「アレクには既に話しているのですが・・・」

エルは語り始めた。


「シリウス様はヴァンパイアのことは殆どご存じないのではないかと思います」

「ヴァンパイアか。そうだね、おおよその事しか知らないね」

「実は彼らはシン・サクライによってもたらされた者なのです」

「シン・サクライだって?」

「ええ。ヴァンパイアをいうのは消滅した星に住んでいた特殊能力を持った一族でした。その一族は星が消滅したときにばらばらになった。彼はその一族の一人でした。その一族は、相手の血を吸いそして相手に自分の血を分け与えることでヴァンパイア化するのはご存知でしょう。それが真祖に近いほど能力が増していきます。そして血を吸われた相手は吸った相手に絶対服従となります。逆らえば灰になる。彼はその『真祖』なのです。そして彼の子の私も。だから彼らは私に逆らえない。でも、私が目覚めるのが遅かった為に

彼らは野望を持ったようです。それを私に邪魔されないよういろいろと画策しているようなんです。魔石を使ったり。もし、彼らが魔族と手を組んだとしたら恐ろしいことになりかねません。特に魔王復活をたくらんでいるとしたら。私は彼らを止めなければなりません」


エルは口を噤んだ。


「なるほど、分かった。そういうことだったのか。何故、ヴァンパイアなる者がいきなり出現してきたか。シン・サクライはこのことを知っていたのかい」

「いいえ。恐らく、知らないでしょう。彼は私に良かれと思って、部下を残したのだと思います」

「そうか。じゃあエルは魔法を頑張ってマスターしてそれに対抗しようとしているのだな」


「そろそろ新年になる。この一年は魔法の研鑽に励むぞ。各自、自分の目標を決めて修行するように」

アレクがそう言うと、エルが

「あれ、ロンは?」

「キュイ」

「いつの間に元に戻ったんだ。ダメだぞお前も何か話すことがあるだろう」


ロンは人間型に戻り

「えー、話すことあったかな。もう魔力の補充は必要なくなったし。そうだな、僕も転移魔法を覚えたいな。便利でしょ。あとは・・」

「お前はその寒がりをなんとかしろ」

「ねえ、シリウス、結界魔法を強化したら寒さも防げる?」

「勿論、防げるさ。ただ、繊細なコントロールが必要だけどね」

「じゃあ、それ頑張る」

「全く・・。じゃあ、ロンは繊細な魔力コントロールだな。セイガは」

「僕?僕は・・・。言ってなかったけど先代は空を飛べたんだよね。まだ僕は無理だけど。じゃあ、空を飛べるよう頑張るか。アレクは」

「収納魔法はマスターした。あとは転移魔法と結界魔法だな」

「皆、目標ができたね。僕は魔王についてもうちょっと調べてみるよ」


各自、何をすべきか再確認をして新しい年を迎えた。



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