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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第七章 彼らの残した物
239/330

239. ある日の炬燵

それからのエルは人が変ったように魔力コントロールに打ち込み、見事魔力を自在に操れるようになっていった。外は相変わらずぐずついた天気が続いていたが、時折白い物が混じるようになってきた。冬の訪れである。


ある日の夕飯の時、ロンが人間型になり椅子の上に立ち上がって話始めた。


「皆聞いて。僕ね、もう魔力を貰わなくて良くなったんだよ。これからは普通に生活出来るようになったんだ。魔力コントロールが出来るようになって、魔力がダダ漏れすることがなくなたんだ。だからこれから皆と同じようにご飯も食べれる。だからこれからこの形で過ごすからよろしくね」


「そうか良かったな、ロン。あとは王子として勉強もしっかりしなきゃな」

「ええー」

「しっかり僕がみるからね」とシリウス。


温かい夕飯が運ばれてきた。勿論、ロンの分も。和やかな雰囲気の中、執事のマルコムが話始める。

「皆様、冬に向けて娯楽室に『炬燵』と言う物を設置いたしました。寒い時は、ぜひお試しください」


「炬燵?」

「はい。足を温める道具だそうで。一度入ったら心地よさで抜けられないとか」

「本当?うわあ、楽しみだなあ」

「食べたら、早速行ってみよう」


皆はそそくさと夕飯を食べると娯楽室に向かった。


「あれが『炬燵』?」

「思っていたのと違う」

「まあいいから入ってみろ。あー、マルコム、ロンとエルに温かいミルク、シリウスと俺にはホットワインね」

「アレク、僕にはないの?」

「お前はもぐっていろ」とセイガを炬燵の中に引き入れる」


「足だけでしょ。本当に温まるの?」

「まあ見てなって」


「お待たせしました。ミルクとホットワインです」

「ありがとう」

「いいね。ホットワイン。体が温まる」

「そうでしょう、シリウス様。どうだロン、エル」

「うん、温まってきた。これいいかも」

「ところでセイガはどうだ」

「すぴー・・・」

「こいつ寝てるぞ」

「なんだか気持ちいいね。僕も眠たくなっちゃった」

「これは何の魔法だ。僕も気持ちよくて眠くなった」

「でしょ?そしてここから出たくなくなる」


「こんな暖房器具があったなんて」

「ここで鍋料理なんか最高だぞ」

「えっ、鍋料理?それ美味しいの?」

「うわっ、中から突然顔出すな。今度、作ってやる」


「ところでアレク、ここからどうやって出るの?魔力コントロールより難しいんだけど」

「シリウス様、どうしたら・・・」

「ぐーーー」











ほのぼのした回でした。

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