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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第七章 彼らの残した物
233/331

233.  彼らの残した物 ①

その後2日間、彼ら一行は鬱蒼と茂る森の中をひたすら走り続けた。『黄金の道』は1日目で輝きを失ったが真っ直ぐ伸びる街道は続いている。森に入って3日目には空模様が怪しくなってきた。


「そろそろ雨が降りそうだ」

「雨期が始まるね」

「鍵はまだ前方を指しているの」

「うん。そのまま変らない」


鍵は空中に浮いたまま、前方を指している。

「このまま雨の中を行くのは避けたいが。この森はいつまで続くのだろう」


アレクが溜息まじりに言うと、鍵は突然左手の方を指した。

「おっと、ドウドウドウ」

馬車を止めるが左手の方に道はない。

「馬車を降りて森の中を歩けということか?」

周りをみると左手には大きな岩山がある。

「あそこに行けと言うことか」

「ちょっと待て、アレク」シリウスが馬車から降りて辺りの様子を窺う。

「この辺に、認識阻害魔法が掛かっている」

「認識阻害?ということは・・・」


シリウスが杖を挙げた。大きな魔方陣が出現する。魔方陣が光ったと思ったら、左手に道が現れた。馬車1台分ほどの狭い道だ。

「恐らくここを行くのだろう」


彼らは馬車に乗り込み左手に馬首を変え、今現れた道へと入って行った。暫くすると、大きな岩山の麓にたどり着いた。

「行き止まりか。それともこの岩山に何かあるのかも」


彼らは馬車を降り、岩山の辺りを探索するが何もない。アレクなどは大きな岩を叩いてみるが変化はない。

「ロン、上空から見てくれないか」

「キュイ」


ロンが飛んで行った後、馬車からエルが降りてきた。

「アレク、ペンダントが光っているんだけど」

思わずエルの胸元をみると、確かにペンダントが何かに呼応するように明滅している。

「エル、こっちへ来て岩の辺りを歩いてみてくれないか」


エルは岩の前に立ち、ゆっくりと歩き始めると1カ所ペンダントと同じく赤く明滅する光を発見した。

「アレク、ほらここ。同じように明滅している」

「ほんとだ。やっぱりここに何かあるのか」

シリウスが来てそれを確認しエルに明滅しているところにペンダントを押し当ててみろと指示をする。エルがペンダントを首から外し岩に押し当てると、岩が動き出した。ポッカリあいたその中はトンネルになっていた。

「ロン、戻って来い。見つかったぞ」

「キュイ」


再び馬車に乗り、トンネルの中に入るとどういう訳かトンネル内に灯りがともり、後ろの大岩が静かに閉じていく。トンネルを進んで行くと前方に光が見え、出口らしきものが見えた。

「あそこが出口みたいです」

「取敢えず行ってみよう」


馬車はトンネルの出口に来た。そこからの風景に驚きの声が上がる。そこは広々とした牧場だった。一旦馬車を止め、アレクは振り返った。そこで驚愕する。出てきたトンネルの横に大きな扉があったのだ。鍵が吸い込まれるように扉の鍵穴へと入る。


そして扉が開いた。










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