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黄金の道   ~エルとアレクの物語  作者: 長尾 時子
第七章 彼らの残した物
232/330

232.トラップ解除

夜明け前、アレク達は三叉路に向けて出発した。今日は秋分点である。鍵が果たして『黄金の道』を指し示すのか皆、興味津々だ。


「あっ、三叉路が見えてきた」セイガが尻尾を振りながら叫んだ。


丁度その時、秋分点の最初の日が射した。と、見る間に道が輝き出し『黄金の道』が現れた。


「エル、鍵はどっちを指している?」

「えっと、左。『黄金の道』の方へ行くみたい」

「やっぱりな。よし、『黄金の道』に沿って進んで行こう」


見晴らしのいい草原を馬車は軽快に進んで行く。向こうに森が見えた。

「ストップ。この先の森に入ったところにトラップがあるんだ」

「悪いがアレク、もう一度ゴーレムで実験してくれないか。どう言う魔方陣がでるか確かめたい」

「分かりました。そうだな、ここで休憩にするか。エル、クロック達を放してくれないか。久々の草原だ。彼らも喜ぶだろう」

「分かりました。ほら、クロック、クロム、クイック、遊んでおいで」


エルが馬車から放してやると馬たちは喜々として走り去った。それを見送ってエルが振り返るとアレクがゴーレムを3体作っていた。そのゴーレムを歩かせ森に入っていく。森に入って100mくらいの所でいきなり地面が光り魔方陣が出た。

「これか」

「転写します」

アレクは持ってきた紙に素早く転写する。光が収まりゴーレムは見えなくなった。


「これが例の魔方陣です」と言って、アレクはシリウスに転写した紙を見せた。シリウスはその魔方陣をじっくりとみたが、「うん、これなら解除可能だ」といい、早速杖を挙げた。

「転送解除」と彼が言うと、魔方陣が現れ、更に重ね掛けるように新たな魔方陣がその上に現れて光った。光が収まると何もなかったように『黄金の道』が続いている。


「これで解除出来たと思うが、もう一度ゴーレムをここに通してくれないか」

「分かりました」

アレクは再びゴーレムを作り、魔方陣のあった場所を歩かせた。しかし何も起きずにゴーレムは素通りしていく。

「やりましたね」

「ああ。これでこの先へ進める」


馬車に帰った彼らは、クロック達を呼び戻し再び馬車を走らせる。森に入ったが何ごともなく馬車は進んで行った。『黄金の道』は輝きながら先に続いていた。


「さて、ここからは未知の領域だ。気を引き締めて進んで行こう」


馬車は鬱蒼とした森の中を走って行く。『黄金の道』が輝くのは今日1日だけ。彼らは出来るだけ距離を稼ぎたかった。








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