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222. タランチュラの最後

アレクはタランチュラの近くにある建物へとセイガを向かわせた。その間、ロンとエルはタランチュラの意識を逸らすためファイアボールとブレスを地上と空から撃っている。アレクは屋上に出ると叫んだ。


「セイガ、今だ。奴の背中に乗れ」


セイガはひとっ飛びでタランチュラの背中に降りる。アレクは聖剣に魔力を込め、急所となる頭と胴体の繋ぎの部分に突き刺し飛び退いた。そのままセイガと共に飛び降りる。


「シリウス様!今です」


その途端、雷撃が聖剣目掛けて放たれた。ドガガーンという音と共にタランチュラは動きを止め力なくその場に倒れた。すると小さな子蜘蛛がさわさわとタランチュラの体の下から出てくる。


「ロン、結界だ。結界で奴の周りを囲むんだ。どんな小さな蜘蛛も通さないようにしろ」

「キュイ」

ロンが結界を張り巡らす。出てきた子蜘蛛は結界に阻まれ右往左往している。

「ロン、奴から俺の聖剣、取り返してきてくれないか」

「キュイ」


ロンは一声鳴いて飛んでいき、急所に刺さっている聖剣を引き抜きアレクの元へ戻って来た。

「サンキュー。さすが聖剣だな。雷くらいじゃびくともしないか」

「キュイ」


エルとシリウスが駆け寄ってきた。

「アレク、無事だったんだね。ところであれ、どうするの」

「僕はもうだめだ。ロンもあれだけの大きさだとブレスはちょっと難しいな」

「分かりました。私が精霊魔法で燃やし尽くします。サラマンダーいるんだろ?」

するとどこからともなく声だけが聞こえてきた。

「待ってました。あのデカ物を燃やすんだろ?腕がなるぜ。それっ」


あっという間に結界の中が紅蓮の炎につつまれた。右往左往していた子蜘蛛達も次々に炎に飲まれていく。



向こうからヴィルへルムとウィルが兵士達と共にやって来た。

「アレクさん、あのお化け蜘蛛やっつけたんだね」

「ああ、痕跡がなくなるまで燃やし尽くすつもりだ」

「そっかあ。でも僕、蜘蛛はもう沢山。暫くは見たくない」

「そういえばヴィルヘルム、えらかったな。エルを助けてくれてありがとう」

「えへへ、僕、足手まといにならなかったでしょ」

「足手まといどころか誰よりも役に立ったよ」

アレクはヴィルヘルムの頭を撫でながらそういった。


「殿下、お陰で街は救われました。なんとお礼を申し上げれば良いか」

「シュナイダー少佐、子爵へは?」

「はい、急ぎ伝令を走らせてます。明日中にはこちらに戻ってこられるかと」

「そうか。あれを燃やし尽くすにはまだ時間がかかりそうだ。怪我人の様子はどうだ」

「オオカミ族の戦士が3名ほど重傷を負っていますが他は軽傷です」

「では、手の空いた者は瓦礫の撤去などを進めてくれ」

「はっ」


アレクは密かに街が殆ど無傷だったことにほっとした。











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