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213. 再会 ⑧

アレク達と別れたエル達はエルの邸へ向かった。邸の手前でセイガとロンが人間型を取る。


「私、出たときより大分かわっちゃったけど大丈夫かな」

「まあ、大人になったとはいえ、エルはエルだ。大丈夫だよ。ちょっとビックリしちゃうかもだけど。それより、走ったからお腹減ったよ。お土産もあるし夕飯が待ち遠しい」

「セイガは今日は頑張ったからね。マリーに言って美味しい物を沢山作って貰おうね」


そこへ丁度ジョンが厩の方から現れた。

「ジョン!」エルは走り出して飛びついた。ジョンは始めびっくりしていたが、「エル様ですか。大きゅうなられましたなあ」と言って抱きしめだ。

「よかった。変な病が流行っていると聞いて心配していたんだよ」

「ああ、あの『踊り病』のことですか。今のところわしらは大丈夫です」

「アレクも戻って来ているんだ。子爵様に会いに行っている」

「さあ、エル様、中へ。マリーもエミリーも喜びますでしょう」



「キール子爵、街に流行病が流行っていると聞いたが」

「はい。『踊り病』という恐ろしい病でございます。最初はそれほど数はいなかったのですが2日前より罹患する者が爆発的に増えておりまして街に戒厳令を布いております」

「その病は蜘蛛が関係しているのではないか」

「おお、そうなのです。医師が患者の死体を解剖したところ頭の中にびっしりと子蜘蛛が詰まっておりましたのでこの病で亡くなった者の遺体は全て焼却処分にしております」

「そうか。ただし遺体は骨も残さず焼却しなければならぬ」

「骨までもですか」

「そうだ。でなければアンデッドとして蘇る」

「なんですと。確か骨までも焼き尽くしたとの報告は受けていません」

「実は、我々が結界の向こう側から帰って来たのもそれが原因だ」


「子爵は、大災厄のことはご存じか」

「確か、伝説では魔王が人々を破滅に追い込んだという・・」

「こちらのシリウス様はその大災厄の唯一の生き残りだ。ハーフリング族という種族が失われた種族と呼ばれているのは当時、彼を除いて全滅したからだ」

「そうでしたか」

「ところで、当時魔王の右腕とも呼ばれていた魔物がいた。それが大蜘蛛タランチュラだ。タランチュラはありとあらゆる生命を喰らい、特に脳に寄生することで知られている。本体は小山のように大きいが子蜘蛛を幾万と使いこなす。本体を討伐しても子蜘蛛が1匹逃げ延びれば、また復活する非常に厄介な相手だ。だから子爵が戒厳令を出し、この街の出入りを制限したのは非常に慧眼だった」


「明日、遺体の焼却場所へ案内を頼む。もし焼却が不十分な場合我らが焼却を再度行う」












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