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207. 再会 ②

「皆様はタランチュラについてご存じないのですね」フランソワーヌが言い、説明を始める。


タランチュラはかの大災厄の時に現れた魔物の一種で、魔王と深い関係性を持っていると言われている。姿は巨大な蜘蛛で、何十万という子蜘蛛を操り生きとし生ける物を喰らい尽くし死を招く存在として恐れられている。タランチュラの子蜘蛛が動物の脳に寄生した場合には、その動物は死ぬまで踊り狂うため、一目それを見たならばタランチュラが近くにいることが分かるらしいのだが、普通の大蜘蛛でも子蜘蛛を介し肉を喰らうこともあるのでタランチュラと見分けるのはこの踊り狂う様子で区別するとのことだ。


「まだ踊り狂っている者は見つかってないのだな」

「はい。ただ、この先のシュトラウス王国の街で踊り狂う病が発生したという噂があります」

「なんと・・・」

「えっ、その街ってアインステッドですか」エルは驚いて尋ねた。

「ええ、確かそのような名の街でした」


エルの顔からサーっと血の気が引いていく。ロンが心配そうにエルを見ている。

「私、帰ります。ここからアインステッドへはどうやっていくのですか」エルは立ち上がって走り出そうとした。

「エル、落ち着いて。エルの足じゃ無理だ。僕が後で乗せていくから取り敢えず落ち着いて」

「そうだぞ、エル。今闇雲に行っても何にもならない。対策を考えないと。ここにはシリウス様やエルフのお二人もいるんだから」


「エルさんの故郷だったんですね。それでは対策ですが、まず子蜘蛛は火に弱い。見つけたら徹底的に火で駆除すること。1匹でも残すとまた増えますから。あと1度でも子蜘蛛に取り付かれた人は残念ですが救えません。ああ、でもアレクさんは聖魔法使いでしたね。それでしたら治癒できるかもしれない。でも前例がないので正直なところ分かりません」

「子蜘蛛の対策は分かった。本体の方はどうだ」

「本体は小山ほどもある大蜘蛛です。ただ、巣を作ってその中にいるため外からの攻撃は受けにくい。さらに粘着性のある糸を出し相手を絡め取ろうとします。奴は滅多に巣から出てこないので奴を仕留めようと思うならまず奴を巣からおびき出さなければなりません。またおびき出したとしても、危うくなると子蜘蛛に変身し何処へいったか分からなくなってしまいます。非常に厄介な相手です。恐らく、大災厄後、逃げ延びた子蜘蛛が長い年月を経て、再び現れたのではないかと思われます」


「魔王との関連性は」

「魔王が自ら作り出した魔物と言われています。魔石を体内に取り込むことにより、より巨大化しまた子蜘蛛たちの数もそれに比例して多くなっていったと言われています」

「そうか。魔石が関係しているのか。ところで俺の師匠のサイラス・ナーガもここに呼ぼうと思うんだが」


「サイラスですか。それはぜひそうして下さい。なによりもサイラスはこちらで長い年月を過ごしている。こちらの事情にも詳しいでしょう」


そうして俺達は師匠サイラスを呼ぶことにした。










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