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206. 再会 ①

一方その頃アレク達は、賢者シリウスの指示のまま王城に留まっていた。


「ねえ、アレク、私嫌な予感がするんだけど」

「実は俺もだ。余程の事が無い限り、オオカミ族もセイガを呼び戻そうとはしないはずだ」

「キュウ」ロンが不安げに鳴いた。


「やあ、待たせたね。早速行きたい所だけど、ロン、エルフの二人を連れてきてくれないか。彼らも一緒に結界の向こう側に行った方がいいと思うんだ」

「キュイ」ロンは一声鳴いて飛び出していった。


「女王には後の事を頼んでおいた。ヴィルヘルムはしっかり預かってくれるそうだ」


暫くするとロンが帰って来た。エルフの二人はどうしたと聞こうとした途端、何もない空間から二人が現れた。シリウスによると精霊の道を使って現れたらしい。


「お待たせ致しました。シリウス様が結界の向こう側へ連れて行って下さるそうで。結界の向こう側で何か起きましたか」

「セイガがオオカミ族に呼び戻された」

「あちらで何か大変な事が起こったということでしょうか」

「恐らく。どうも嫌な予感がしてならない。魔王に関連したことでなければよいのだが」

「こちら側と分断されてから500年ほど経ちますし、我々の目も届かない所で魔人が力を蓄えているかもしれません。私達の同行をお許し頂きありがとうございます」


「では、行くぞ」 シリウスは杖を高く挙げ魔方陣が回り出す。



最初に目に入ったのは鄙びた村の風景だった。そこへセイガが走って来た。

「アレク!」

「セイガ、何があった」

「取り敢えず、長老の所で話そう」


長老の屋敷は、幾つかの棟に分かれていたがセイガは迷い無く一番奥の建物に入っていった。


「長老、僕の仲間が来たよ。それとシリウスとエルフもね」

「おお、これはこれは。ようこそお越し下さいました。私はオオカミ族を束ねる長老で名をシフと申します。皆様のことはセイガ様から伺っております」


早速シリウスが長老に話題をふった。

「何故、セイガを呼び寄せた。滅多なことでは呼び寄せることはしないと思うが」

「はい。実は北辺の村が大蜘蛛に襲われ全滅いたしました。その事を知らせにきた少年も子蜘蛛に体の内部を食われ息を引きとったのです。こんなことは私の記憶のなかで起こったことはありませぬ。ただ、伝承でタランチュラのことを覚えておりましたので万が一奴が復活した場合、一大事と思いまして」


「タランチュラだと」フランソワーヌが叫んだ。

「まだ確定した訳ではないのですが、オオカミ族全体に厳戒体制を敷いております」


「タランチュラというのは」アレクが聞いた。エルも不思議そうな顔をしている。











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