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150. トラップの調査 ⑤

アレクはしゃがんで地面に手を突き呪文を唱えた。

すると小さな石ころがクルクルと回りながら地面を離れ空中に浮いた。その時、またあの白い光が地面を覆ったが、今度は図形が現れてきた。魔方陣だ。巨大な魔方陣が街道一杯に広がっている。


「サンギ、紙を出せ!」

「は、はい。これでいいですか」


アレクは魔法で魔方陣を正確に写し取り縮小してサンギの出した紙に転写した。

「ふう、こいつが元凶だな。取り扱い注意だ。魔力を持つ者はこの紙に近寄らせるな」

「すごいです!アレクさん。あなたは実はすごい魔法使いなのではないですか。魔方陣が手に入るなんて。夢みたいだ」サンギは小躍りせんばかりに喜んでいる。


「ところでサンギ、お前、考古学者だよな。魔方陣に書かれている文字に見覚えはないか」

「そうですね。ユークリッド王国の前身であるラルフ王国の文字だと思いますがもう少し調べなければなりません」

「ラルフ王国か。確か、ユークリッド王国は500年くらい続いていたという話を聞いた事がある。それ以前の王国か」

「ええ。当時のラルフ王国の王が魔石を掘り出す為に民衆に圧政を強いたと史実に残って居ます。まあそれでその王国は滅んだのでしょう」

「その頃の文字を自在に操り魔方陣を書ける者が現代にいるかどうかだが」


アレクは考え込んだ。不可能とは言い切れない。現にエルは500年もの間眠っていたという。ヴァンパイアは不死だ。当時の生き残りがいてもおかしくない。エルが持つ、その当時の記憶を持つペンダントがこの魔方陣の謎を解く鍵かもしれない。エルがここにいない以上、調査はここまでだ。


「サンギ、調査終了だ。魔方陣を解かない限りここは通れん。戻ろう」






アレク達が調査に向かった日から2日後、エル達は熊族の国に向けて出発した。結構な積み荷を積んでのろのろと動き出した馬車の様子を見て「ジル、いくらなんでも積み過ぎだろう」とテツがぶつくさ文句を言った。ジルは「この前被った損失を少しでもカバーしなくちゃ」と涼しい顔で荷台に座っている。

「それにしても、この馬車、セイガ様達の馬車から大分遅れてるぜ」


前方を歩いていたセイガ達の馬車が止まったと思ったら、セイガがやって来た。

「そっちの積み荷、少しこっちに移して。こっちは大分余裕あるから。これじゃ僕らの馬車と差が広がるばかりだし」と自ら荷物を持って行ってしまった。ジル達はしかたなく、いくつか荷物を積み替えようやく出発できた。


「エルさん、狭くないですか?」

「大丈夫です。それにしてもすごい荷物ですね」

「ええ、ジルの奴があれもこれもと手を出すもんだから大荷物になってしまって」

「前回は馬車ごと奪われたからね。今回挽回しようと必死なのさ」とセイガが鼻をならした。


「この調子で行けばベアレスまで4日で行けるかな。それまで我慢だ」








熊族の首都はベアレスです。以前ベレスと記載し申し訳ありません。ちなみに聖ピウス皇国の首都はペレスです。非常に紛らわしくて済みません。また、ジルの夫のサンガもサンバと記載していたことが判明し訂正いたしました。申し訳ありません。これに懲りずに読んで頂ければ幸いです。

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