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135. 正教会の罠 ③

セイガとエルは正教会に着くやいなや中へと入っていった。

驚き慌てて阻止しようとしてくる教会関係者を無視してずんずん奥へ進んで行った。


「人質を出しなさい」エルはありったけの大声で辺りを睨みながら言った。

だが、神父と思われる人物が前に出て、「落ち着いて下さい。何のことかわかりかねます」と微笑みを浮かべながらそう言った。

「ここに各国の重要人物がいると聞いている」とセイガがいうと、神父は微笑みを引っ込めて

「そのようなこと、どこの誰が話したのです?」


「ここにいるルカ司教が白状したぞ」とアレクが拘束したルカ司教を前に出した。

「ルカ司教!」と神父が叫ぶと、辺りは殺気に包まれた。聖騎士と思われる一隊も彼らを取り囲む。


無言でエルに斬りかかってきた聖騎士に、エルが赤い光を放った。驚いた様子の騎士だったがその体がみるみるうちに灰になって崩れていく。驚愕で動けなくなった騎士達にアレクは言い放った。


「やはりお前らはヴァンパイアだったんだな」


そんな中、一人の聖騎士が兜を脱いで語りかけてきた。

「お前、アレクか?」


アレクがいぶかしげに彼を見つめると、あとの二人も兜を脱いだ。

「覚えてねえか?出発の街で出会っただろ?『暁の稲妻』のデンだ。そしてザキとリブロ」


アレクの脳裏に三叉路で分かれた冒険者達の姿が鮮やかによみがえった。

「お前達・・なんで・・」

「詳しい話は後だ。人質を解放したいんだろう?協力するぜ」といってデンは走り出した。


「人質は地下牢にいる。案内するから付いてこい」



セイガとアレクがデンの後を追って、地下牢に続く階段を駆け下りる。地下に着くとそこには夥しい数の獣人と彼らから離れた牢に三人の身なりの良い獣人がいた。彼らは鎖で繋がれており、かなり弱っていた。


「おい、助けに来たぞ、しっかりしろ」セイガが声をかけた。

アレクが魔法で錠前を壊し、牢の中へ入る。弱っている彼らに回復魔法をかけた。


「ああ、神狼(フェンリル)様」鳥人と思われる一人が声をあげた。

「大丈夫か。すぐ自由にしてやる」と言ってセイガが鎖を噛みちぎる。あとの二人も正気づき、「ありがとうございます、ありがとうございます」と涙ながらにお礼を言った。


「あそこに入っている獣人たちは?」

「聖ピウス皇国の奴らが集めてきた魔力のある獣人達です」

「あんなに集めて何をするつもりだ」

「魔石に魔力を集めているのです。我々も例外ではなく、魔力を絞り取られておりました」

「ひどいことをする。取り敢えず、ここを出よう」


アレクは他の獣人達が入っている牢の錠前も次々に壊して廻り彼らを助け出した。












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