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133. 正教会の罠 ①

アレク一行は活気のない街レグルスを王宮へと進んで行った。暫く進んで行くと左手に大きな建物が見える。アレクの中の記憶にあるゴシック建築の教会だ。


「あの建物はなんですか?」とアレクはつい隣に付いてきている騎士に尋ねた。

「あれは、聖ピウス正教会の建物です」と騎士は苦々しげに答えた。

「随分大きな建物ですね」

「信者になれば例の薬を貰えるということで莫大な寄付を募って建てられた代物だ」

「なるほど」

「貴族も平民も例の薬には抗えないんだ」と騎士は吐き捨てるように言った。



王宮に着くと何人かの兵士が出てきた。


神狼(フェンリル)様をお連れした。陛下に取り次ぎを頼む」とガイアが言うと奥の方へ走っていった。

「取り敢えず、中へ」ガイアの言うまま車止めまで来て馬車を止める。一行は馬車を降り、導かれるまま王宮に入っていく。重厚な作りの王宮内では、興味津々といった様子の侍女や侍従がアレク達を出迎えた。長い廊下を促されるまま歩いていくと大きな扉の前へきた。扉を守っている兵士にガイアが頷くと扉が開けられた。中は広々とした謁見室だった。


ガイアは中央まで進み跪いて国王への挨拶をした。

「我が太陽であるレオポルト国王陛下に申し上げます。陛下の命により神狼(フェンリル)様を御前にお連れ致しました」

「うむ、して神狼(フェンリル)様はいずれに?」


ガイアは慌てて後ろを振り向いた。だが、先程までに見えていた大オオカミの姿は無く、アレクと11歳くらいの少年とアレク、エル、その先に小さくなっている三人組だけだった。


「アレク殿、神狼(フェンリル)様は?」ガイアが慌てて聞いた。


「レオポルド殿、僕がわからないとは。良くないな」セイガは国王に向かって口を開いた。

「悪いけど、この謁見の間を封鎖させてもらう」というと、ロンに合図を送った。途端、謁見の間に薄い膜が張られる。


「ガイア殿、陛下の横に居られる方は?」とアレクが聞くと

「正教会のルカ司教殿です」


するとルカ司教はマタタビを取りだし、アレク達の前に投げた。途端、ガイアはへなへなとそこへくずおれ酔ったように顔をなで始めた。

「そんなものは、我々には効かん」とアレクは怒鳴りルカ司教の元へひとっ飛びで詰めた。


「そんなことは百も承知でございます。神狼(フェンリル)様とはどういう方なのかじっくり見させてもらいたいと思いましてね。邪魔者は少し大人しくしてもらったまで」と薄ら笑いを浮かべアレクの詰めた距離を後ろに飛んで離した。


神狼(フェンリル)様とやら、貴方様からはすごい魔力を感じます。我々にご協力願えないでしょうか」




















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