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127. 三人組みとの出会い ①

草原に泊まったアレク達は、翌朝早くに出発した。アレクはセイガの言うとおり自分とエルにオオカミの認識阻害魔法をかけた。クロックとクロムは昨日草原に放してやったせいかすこぶるご機嫌で馬車を引く足取りも軽かった。


鬱蒼とした森を抜ける辺りで、三人の獣人達が大きく手を振っていた。

「助かったあ。ここで野垂れ死ぬのかと思った」

「竜人国から誰もこの道を通る奴がいなかったからな」

「全くとんだ目に遭ったよ」

と口々に話ながら馬車に近づいてきた。近づいてみると猫型の獣人と多分?ヒョウ型の獣人、虎型の獣人だった。


「お前達どうしたんだ?」と馬車を止めながらアレクが尋ねると


「私達、竜人国から商売の帰り道だったんだけど黒い覆面をした盗賊に馬車ごと乗っ取られてしまったのよ。商品を山と積んだ馬車をよ。普段ならこのテツ(虎型)が追い払ってくれるんだけど、変な薬嗅がされて使いもんにならなくなったってわけ。ついでに私達もおかしくなっちゃって。気付いたらこの街道に放りだされていたってわけ。足元はフラつくし、食料も何もない状態で三日三晩ここまで歩いてきたけど限界だった。だって誰も通らなかったんだから。ホント、あんた達に会えたのが奇跡ね。ああ、私はジルで(ヒョウ型をさして)これが私の旦那のサンガであれ(虎型)が傭兵のテツ。竜人国と獣人国を行ったり来たりしている商人よ」


「そりゃあ災難だったな。俺はアレクでこれはエル、そしてそっちのがセイガに・・」

「キュイ」とロンがエルの鞄から顔を出す」


「ワア、竜人の子供かい?拐かしでもしたのかい?」


ロンがボンと人型に変わる。

「拐かされてなんかいないよ。僕はエル達と共に旅をしてる」


「そうかい、ホっとしたよ。何しろ竜人国が鎖国を始めちまってなにかと物騒だから」


「俺達は獣人国に行こうとしてたんだが、乗ってくかい?」


「ああ、悪い、そうしてくれると助かる。あと水と食べ物を恵んでくれないか?」とテツが言うと、アレンがすかさず「獣人国まで案内してくれるか?何しろ俺達は獣人国には初めて行くんだ」と返した。


「勿論、そのつもりさ。ああ、これで国に帰れる。道案内は任せておけ」


取り敢えず、彼らに水の入った革袋を渡すともの凄い勢いで飲んでいた。


「あー、生き返る。ホント、あんた達は私らの命の恩人だ」とジルが言うと、寡黙なサンガも頷く。


「獣人国に行ったらこの恩は絶対に返すから。乗ってもいいかい?」


「ああ、勿論だ。俺達も獣人国の様子が分からなくて不安だったんだ」


「獣人国っていっても獅子の国だけどこのジルさんに任せておきな」

水をたらふく飲んで多少元気がでたのか、ジルが陽気に言った。


「獣人国へ向けて出発!」













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