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121. 正教会の最後 ③

赤い瞳をらんらんと輝かせ輝くペンダントを握りしめてエルは立っていた。


「貴女は、あなた様は・・・・」


「エミリオ司教、あなたはこの国をこの世界をどうするつもりですか」


「お、お許し下さい。真祖様。我々は貴女のためにこの世界をヴァンパイアの支配する世界に」


「私がそんなことを望んでいるとでも?私は貴方達がユークリッド王国にあたえた非道を知っています。父シン・サクライと母ユイが慈しんだ国を貴方達が滅ぼした。さらにアヘンを使って罪のない人々を迷わせ苦しめ世界中にその害悪をまき散らせている。これは真祖に対しての叛意以外なにものでもないでしょう」


「お、お待ちください。何か勘違いをされている」汗を額に光らせエミリオ司教は続ける。

「確かに我々はユークリッド王国を滅ぼしました。貴女を守るためです。しかし貴女は攫われて行方知れず。ならば貴女が再来したときの為に」


「言い訳はいい。貴方達が私を殺めようとしていたことはわかっています。何故なら、私こそが貴方達を裁ける者だからです」


「塵になりなさい」エルがペンダントを高く掲げた。赤い光が辺りを埋め尽くす。


すると赤い光を浴びた者達が次々と塵に帰って行く。恐れて逃げ出した者たちにも容赦なく赤い光を浴びせた。


ドオーンと巨大な竜が数体現れた。ドラゴンヴァンパイアのザンクとその部下達だ。


アレクが身構えると、後方からまた大きな破壊音が聞こえた。


「次期伯爵!」エルが叫んだ。現れた竜はザンク達より更に大きい。ついでに巨大なオオカミも現れた。


「ザンク、貴様、この後に及んでまだ刃向かうか」

「何とでも言え、俺はこんな所で終われない。ドラゴンヴァンパイアの国を作るのだ」


一体が羽を広げて飛び立とうとした。そこへセイガが飛びかかる。相手を抑えこんで聖魔法を使った。抑え込まれた竜は苦しげな声を上げてのたうったがセイガは離さない。次第に竜の体が消えてゆき人間型に戻る。


「エル、今だ!」セイガの声と同時に赤い光がきらめく。とその者は塵となって消えた。


「がああ」次期伯爵とザンクが打つかりあう。より大きい次期伯爵にザンクは抑え込まれた。


「畜生、放せ」ザンクは喚くが伯爵代理は放さない。暫くもみあっていたが、ザンクは人間型に戻った。


そこへアレクが光魔法で拘束する。「エル!」赤い光がきらめいた。もがいていたザンクがみるみる塵に変わっていった。


飛び立とうとしたあと2体の竜はエルが直接赤い光を浴びせかけ竜体のまま塵に帰っていった。




ゾルアの街に君臨していた聖ピウス正教会はこうして滅んでいった。











正教会もやっと終わりを迎えました。この後は獣人国、聖ピウス皇国へと旅は続いていきます。ここまで読んで頂きありがとうございます。気に入っていただけたら評価☆マークをお願いいたします。

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