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107. ザカリア伯爵領での攻防 ④

村長の邸では女性を小脇に抱えた大男2人が居間に入ってくるところだった。


女性をドサリと投げ捨て、村長の襟首を掴む


「ど、どうして」

「俺ら言ったよなあ。隠し事はなしだって。なんでお前の邸の地下室で女がかくれているんだ?」


「お父さん!」


投げ捨てられた女性が村長を呼ぶ。


「ど、どうか娘だけは・・」

「ふふふ、若い娘は久しぶりだ。お前の目の前で地獄をみせてやるか」


そこに若い男が飛び込んできた。顔は真っ青だ。「ジュリア」


「何だ、お前は」

「村に侵入者だ。視察をしている騎士だそうだが、滅法強くて、俺達じゃ相手にならない」

「視察?」

「ああ、隣のセンドーサ領から来たって言ってた」


「ちぇ、お楽しみは後だ。案内しろ」




「何だ!これは」


宿屋に入ろうとしてそこに薄い膜が張ってあることに二人は気付いた。剣を振り上げ叩き付けるもびくともしない。何を思ったのか二人はコウモリに変身し上空に飛ぶ。上空で竜に変身し宿屋めがけて急降下した。ズシンっとすごい地響きが聞こえるが、宿屋は平然と立っている。


「おい、応援を呼んでこい!」


一人が応援に行きかけると、薄い膜が外れ、中から幾人かの騎士が現れた。


「行かせねえよ」


一人の騎士が竜体に変化した。


「ばあか」


竜体とは思えない素早さで変化したばかりの竜を組み伏せ、その首に牙を立てようとした時、


「ファイアーボール!」と特大の火球が襲った。それを素早くかわし魔法を放った相手をみると黒髪に赤い瞳の少年がこちらを睨んでいる。

何か背中にゾクっとするものがあったが、少年めがけて前足を振り上げた。


「エル!」思わずアレクが叫んだ。


その前足に潰されたかと思った瞬間、赤い光がエルを包んだ。と、竜の前足がボロボロと崩れだし、驚いた竜本体も次第に崩れていき灰のようにサラサラと風に舞った。

エル自身も信じられないかのように呆然としている。


それを見ていたもう一頭の竜が慌てて逃げだそうとしたが、エルが「逃げるな!」と命令するとその動きが止まった。

アレクが慌てて「バインド」と言い、彼を拘束すると人間型に戻り、おとなしく拘束された。


「エル、大丈夫?」セイガが聞くと

エルも「うん、大丈夫だよ」といい、ペンダントを握りしめた。


「何故だ、何故だ、俺達は不死身じゃねえのかよ」と男が喚いていたが、エルが「うるさい」というと途端静かになった。


「エル、お前・・・」


「アレク、私、ヴァンパイアに対して命令できるみたい」











今までアレクやロンの活躍ばかりでしたが、やっとエルの本領が発揮されました。出来れば、高評価ボタンをいただけるとうれしいです。

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