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転生転移ってありふれてんのかな……  作者: 十二
第一章 竜と成る
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√9=3 謎エネルギー


 思えばこれまで、魔術は多少触れてきたものの、魔力自体について考えたことはなかった気がする。


 《魔力知識》:魔力についての知識。


 俺の半端な知識では、魔力の正体に辿り着くことはないだろうから、知識スキルでショートカットといこう。


 数度の体験を経ても慣れない、記憶が植え付けられるような感覚に伴って、魔力が何なのかを理解していく。


 いや……これ……なんか……説明がとても長々としているんだが?


 スキルの説明に対して長すぎる内容は、その殆どが証明や魔力を使えるようにする方法についてのもので、普通に魔術を使うならば関係しないことなので、今は省略する。


 魔力の正体についてだけ、ざっくり要約して整理していこう。


 まずそもそも、この世界にあるものは全てエネルギーとして表せる。熱や電気だけでなく、重さや硬さも、空間ですらエネルギーとして表現される。


 しかしながら、様々な形態を持つように見えるエネルギーも、この世界にあるものは全て同じ()()()を向いているらしい。ここでいう方向というのは、ものの例えみたいなものであって、上下左右みたいな感覚で理解できるものではないそうだが。


 エネルギーにもいくつかの向いている向きがある、または向きを持たないエネルギーがあるが、それらはこの世界では観測できず、干渉することもないという。


 だがもしも、それらの方向の違う力の向きを変えて、この世界と同じ方向にできるとしたら?


 その力が即ち、魔力のことである。


 というのを知ったところで、別に魔術が上手くなるわけではないのだが……ん?


 さて、唐突だがここでスキルツリーというシステムを振り返ってみよう。スキルツリーは、名前の通り木の枝葉が広がっていくような見た目をしている。根元の部分、基礎や前提となるスキルを取っていけば、応用や上位のスキルを手にすることができる。


 今まで俺は、魔力が何かを知らずに、仮想領域に魔術式を書き込んで魔術を使っていた。そうなると魔術が発動する時に、コストとして必要な魔力は勝手に用意されていたわけだ。


 いわば自動的(オートマチック)に発動されていたのだが、魔力について知ることで、手動(マニュアル)で魔力を操作できるようになるスキルが解放された。


 つまり俺は、今まで魔術に不可欠な魔力操作というものに、全く触れずに魔術を極めようとか言っていたわけだ。


 はずかち。


 《魔力操作》:魔力を集め、操作するスキル。


 このスキルも同じものが多数存在する。《魔力の器》や《筋力増強》等と同じように、重ね取りができるタイプだな。


 早速一つ取得して、どんなもんか確かめてみよう。


 操作、操作……おう、成程?


 魔術やスキルを使う時の、体内の何かを削る感覚があった。今の多分、魔力が外に吹き飛んでいったな。


 上手く使うには、魔力を感じ取れるようにならないといけなさそうだが。


 《魔力感知》:魔力を感じ取れるようになる。


 これで上手くいくかな?


 取得した瞬間、今までにはなかった“第六感”的なものが生えてきた。これが魔力か。


 例えるならば、瞼の裏を見るような、飛蚊症の黒いものが目の前を飛んでいくが目で追えないような、そんな感じ方をしている。


 身体と重なったところに何かがあるような感覚である。


 これを《魔力操作》で動かすようにイメージすれば……


 成功した。魔力が吹き飛んで無駄に消費することもなく、身体と重なっているのを更に重ねたり、逆に全身と満遍なく重ねたりできる。


 ただ、魔力はどうも不安定なものなのか、頑張って操作しようとしても霧散することもある。常に保有する魔力が漏れ出るような感じだ。これ、感知能力が優れた生物やセンサーには気づかれてしまいそうじゃないか?


 どうにかしようと悩んでいると、かなり前に取った《魔力吸収》のことを思い出した。俺の周りの空中に対して使用すれば……


 空に散っていこうとする魔力を、体内に格納することに成功した。いいね、ステルス性能が上がった。これを応用すれば、魔力のロスを減らせそうなので、偶然の発見ではあるが有用である。


 更に《魔力吸収》自体、前に使った時の五倍くらいは吸えるようになった。食事ができない時も、多少は耐えられるようになったかな。


 いやあ、今日は様々な進歩があったな。魔術、魔力についての探求が着実に進んだので、更に突き進んでいこう。


 いや、スキルについても謎が沢山あるな。記憶に無いことをワンクリック程度の手間で定着させるとか、どうやったらできるんだろうか?


 《魔力吸収》も、操作では回収しきれなかった魔力を簡単に取り返して見せた。《魔力操作》を複数取得すれば、同じことができるようになるのだろうか。


 魔術のスキルに関しては、取得せずとも魔術式を組み立てられるようになるから、同じように考えるなら、《体力補填》も《抗重力》も操作によってできるのかもしれないな。


 この辺の問いは、√systemとは何なのか?を突き詰めれば、いずれ分かるのだろう。


 とりあえず今日は、寝ることにしよう。

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