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転生転移ってありふれてんのかな……  作者: 十二
第一章 竜と成る
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√4=2 飛竜でゴー


 スキルツリーというシステムは、俺は好きだ。できることが広がる感覚や、最終レベルまでにどんなスキルを取得するかを考えるのも良い。

 最高効率を目指す道中、誘惑に負けて面白そうなスキルを取ってしまうなんてのも醍醐味だろう。


 √systemはそんなスキルツリーの形態をしているので、当然ながらこの先どんなスキルがあるか丸わかりだ。

 例えばこれ。


 《精神砕き(マインドクラッシュ)》:対象のトラウマや恐怖症を利用して、気絶及び恐慌状態にする魔術。


 こんな恐ろしい魔術や、それに対抗する《精神防壁》なんてのもある。


 精神に作用するスキルは中々興味深いが、今求めているのはファイアーボルトとかそういうやつだな。


 っとと、今は魔術より飛行関連を優先すべきか。自由飛行には重力を緩和するスキルと、推進力が必要だ。

 まずは空に浮かぶ。


 《抗重力》:魔力により、重力の影響を弱める。

 備考:有翼人やドラゴン、過重種族向け。


 これこれ、丁度いいのがあった。経験値は足りている。逃走劇を繰り広げたので、結構経験値が貯まっていたようだ。


 早速取得。


 使い方は……《体力補填》と同じ感じだ。これ、すぐに魔力が枯渇しそうなんだが?どのスキルも、魔術も魔力を使うだろうから、魔力量の管理は最重要だな。

 感覚を掴むためにも、試験飛行といこう。滝壺の上で飛ぶなら墜落しても死ににくいだろうし。


 《抗重力》を、少しずつ強める。《体力補填》を使った時もそうだったが、体内の何かが削れる感覚がする。この削れているものが魔力だろう。

 調子に乗って使っていると、すぐに払底しそうな量しかない。これって、無くなったらどうなるんだろうか。死にそうだな、怖。


 お、地面から脚が離れ……ってちょっと、勝手に前に進み始めた。


 バシャーン!!


 ……推進力は後回しでいいかもしれない。うつ伏せになった時の身体の重心が前に寄っているから、空中に浮けば勝手に前に進んでくれそうだ。


 《抗重力》はホバークラフトみたいな挙動をするな。一度動き始めると、止まりにくい。

 飛ぶというよりか、浮く、だしな。このスキルはあくまでも身体を軽くするもので、飛ぶのは翼で行うべきだと思った。


 あと魔力量が四割しかない。思ったより消耗している。前途多難だ……

 魔力量の確保をしたい。スキルでどうにかできるか?


 《魔力の器》:魔力量が増える。


 あるじゃん。というか、見間違えでなければ同じ名前のスキルが無数にあるのだが?複数取得前提的なスキルなんだろうか。

 《筋力増強》、《巧緻性》……この辺も沢山ある。基礎的なステータスを底上げするスキルは、派手さはないが地力を支えてくれそうだ。


 魔力はどれだけあっても困らなさそうだから、《魔力の器》をあと二つくらい取っておこう。将来的にはもっと増えそうだ。


 ……あー、これ、上限が増えるだけで回復はしないのか。緊急時に魔力を補給、みたいなことはできないようだ。

 とはいえ、回復しきれば元の五割増しくらいは魔力が使えそうである。スキルって本当に凄いな……


 ……魔力ってどうやって回復するんだろう。









 《魔力吸収》:周囲の魔力を集めて取り込む。


 魔力は本来、消化吸収の副産物として得られるようだが、今は食い物を得るためにスキルを取得しているのだ。しかし魔力を得るためには腹を満たす必要がある……


 危なかった。魔力が尽きたら詰む所だった。

 スキルを使うには魔力がいるので、今取ったばかりの《魔力吸収》で回復できるとはいえど、元手が残っていなければどうしようもなかったぞ。


 植物も生命活動を行っているからか、結構魔力を持っているので、いくらか魔力を吸収していく。ただ、吸い取れるのは頑張って植物の持つ一パーセントといった程度で、それ以上は抵抗される感覚がある。


 《体力補填》を使えば何も食わずともどうにかなるかもしれないが、気が遠くなるほどに《魔力吸収》を使わないといけないから、これだけに頼るのは最終手段だな。


 √systemとにらめっこしながら魔力を回復していたら、経験値も増えていることに気がついた。多分、殆どは《魔力吸収》によるもので、あとはこれまでの試行錯誤によるものだろう。

 これは、《魔力吸収》の効率を上げたいところだ。










 《抗重力》で身体を軽くしつつ、地面を蹴って高度を稼ぐ。その勢いのまま、近くの木の枝を足場にして、更に跳ぶ。


 ここだ!翼を広げる。


 お、お、ぉお?滑空できている。ここから方向転換するのと、あと高度を稼げれば、飛行と呼べるようにはなるんじゃないか?


 スピードに乗りすぎて制御不能になる前に、着陸しよう。翼を進行方向とは垂直に広げることで、エアブレーキとする。

 あっ、バランスが崩れた。


 地面に後ろ脚が着くのに後れて、前足も着ける。着地の勢いを逃すため、前方向に跳ね飛び転がり回った。


 ……なんとも締まらない着陸だが、とりあえず。飛行試験は成功ということにしておこう。

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