シェラさんはツンデレ
そういえば、フェンリルってどうやって生活してるんだろ。シェラに聞いてみるか。
あっ、そうそうシェラってのはコイツが雌だからだ。
まぁ愛称みたいなもんだな。
「なぁ、シェラ。お前今まで何食ってたんだ?」
『生肉だ』
あー、なるほど。安い外国産ステーキが美味く感じたのはそこだったんだ。
そうだ。ついでに色々聞いてみるか。
「なぁ、シェラ。ここら辺の地理に疎いんだけどさー……」
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全くコイツはなんなのだ。
最初のほうはビクビクと震えながら怯えていたのに、今はもう体毛に頬を擦りつけているではないか。
この狼生の中で初めてだ。
コイツ、そんなにも我の体毛が好きなのか? 近年、人間界で稀に聞く<トクシュセイヘキ>というやつを持っているのか?
まぁなんにせよ、体毛触るのはいいが、そのだらしなく緩み切った頬は何とかして欲しい。そのうち涎とか垂らされるんじゃないか、と内心ビクビクしているのだ。
しっかし、こんな奴が魔王だなんて未だに信じられん。
レベルも低く、かと言ってスキルが強いのかと言えばそうでもない。
ハァーッ……本当に面白い奴に出会えたものよ。
コイツと一緒に過ごすなら、少しは退屈せずに済みそうだ。
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シェラに色々と聞いてみた。
なんでもこの場所は、【精霊の森】と呼ばれるこの世界でも有数の魔境らしい。中心部へ行けば行くほど美味い果実などがなっているらしいが、そのかわり強い魔物がウジャウジャいるんだとか。
俺には一生縁のない話……ではないな。
めっちゃ行きたい。中心部に何があるか超気になるんですけど。
だが、中心部へはシェラも行けないほどの強者がいるそうで、今の俺だと全く話にならないそうだ。
そらそうだよ。Lv.1だもん。
てかレベル400越えのシェラが行けないってどんなだよ。
そういや、せっかく天使って言う職業なのに空飛んでないじゃん。
ハッ…これはシェラに勝てるのでは?
空中から魔法をひたすらぶっ放すのだ。卑怯だって?
フハハハ、俺は魔王だ。卑怯なんて言葉は俺の辞書にない!
ハイ、瞬殺でした。
シェラのやつ、空中に空気を圧縮して作った足場を
使って、空中を駆け回ってたんだけど。
凄すぎだろ、そんなの。
そんなことを言ったら、『フン、我は称号にある通り風に愛されているのだ。空中に空気の足場を作るくらい、造作もないことよ』
そういいながらも、尻尾をブンブン振っている。
シェラ。ツンデレかよ。
「あのー、シェラさんや。尻尾が勝手に動いてますよーもしかして、喜んでるんですかぁー?」
『なっ、何を言う! 別に、まともに誉めてもらったことがないから、動揺しただけだ!』
このフェンリル、やっぱツンデレじゃん。
これ以上属性を増やさないでほしい……
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よし、ヤるか。
今、俺は森に入って狩りをしている。
精霊って森の名前につく割には、全然見かけないなぁ。
そんなことを考えてるうちに、獲物を発見した。
「おっ、猪か。一応、[鑑定]」
種族 レッドボア
レベル 15
<固有スキル>
赤熱化、突進
……あれだ。先にシェラをみたからか、なんか弱いなという感想しか湧かない。
俺は魔法を使って石の両手剣をつくり出し、頭と胴を泣き別れにした。
「んー、いまいちだな〜」
そう、俺はここ数日でレベルを上げているのだ。
名 アオイ
種族 天使
クラス 魔王
レベル 17
HP:4200/4200
MP:7100/7100
筋力:846(+423)
耐久:724(+362)
敏捷:1027
器用:1142
幸運:84
<固有スキル>
魔視、言語翻訳、模倣、魔力操作
<スキル>
アイテムボックスLv.4、鑑定Lv5、マップLv3、耐久力アップ(中)、筋力アップ(中)
<称号>
異世界の魔王、元賢者
DP:4270
最近鑑定をよく使うからレベルが上がりやすい。
そして最近気づいたのだが、DPをスキルと交換出来るようなのだ。
そして交換したのが、耐久力と筋力の上昇効果だ。
これがなかなかに便利で、自分の能力値を1.5倍してくれる効果が付与される。大とか、極大とかあったから、またDPを貯めようと思う。
そして一番欲しかったスキルが見つかったんだ……
そう![人化]だ!
シェラに、さりげな〜く聞いてみると、持ってないと言ってたから、それならと交換してみたのだ。
「おーい、シェラー。スキルの付与をしてもいいか?」
『よかろう』
コイツ、いちいち態度がデカいんだよなぁ……
まぁいいや、付与っと。
『ぬっ、[人化]か』
「そうそう、DPで交換してみたんだ。使ってみてよ」
そう俺が言うと、シェラの身体が光を帯び始めた。
まっ、眩しい。
光が収まると、全裸で佇む女が現れた。
前世の感覚で言うと高校生くらいだろうか……って服!
まずは服を着せないと。
「服やるから速く着ろ!」
「いや、その必要はない」
シェラが魔法を使うと、服が出てきた。
見たところ凄い良いものっぽそうだ。素人目だけど。
コイツ…マジでスタイルいいな。
前世の女優やアイドルとか目じゃないくらいだ。
まるで一種の芸術品だな。
「ケモミミと尻尾だ……」
俺は無意識のうちに言ってしまった。
「さ、触ってもいいか?」
俺は目をキラキラさせながら言った。
「い、いいぞ。優しくな。」
俺に押されながらも、恥じらいながら触ることを、
了承してくれた。
「モッフモフだ〜」
もうモッフモフだぞ、モッフモフ。なのにサラサラしてるんだぞ?もう最高。
そんな至福のひと時を味わいながら、俺はゆっくりと眠りに落ちた。
未だに出てこないヒト族。
あと少し、もう少しで出てくるので……多分
ちなみにこの作品はシリアスな展開はありません。
基本ほのぼのです。




