第三章 反撃
着々と敵の頭数を潰して行く。
その数は、もう俺達よりも少なくなっていた。
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【PT】Riou:全部倒したら、補助掛け直して突撃な?
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各々、返事を返す。突撃とは、勿論ボスへの反撃だろう。
俺達の目的は、こいつを倒す事だから。それと、騎乗ペットを人数分。
後者は後回しにしようとも、前者は譲る訳にはいかない。
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【PT】FAR:よっし、全滅させた!
【PT】AIR:ボスも頑張ろっ
【PT】Riou:じゃあ、補助を前衛組にかけてやってくれ!
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敵の殲滅完了を告げるファーの短い言葉の後、アイルの励まし、決戦に臨む先輩の指示が、チャット欄を飛び交った。マウスを右手に構え、俺はこのボスが他にも何かスキルやらを使って来ないか、心のどこかで警戒していた。
しかし、HPが30%を切っても何の動きもなかったため、俺もためらう事無くどんどん攻撃を仕掛けていく。先程まで恐れていた相手を、今度は俺達がボカボカと攻め続けた。
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【PT】Riou:あ、ザコ来た!虎、ザコ処理頼む!
【PT】TIGER:任せとけっ!
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時折入る邪魔なザコ敵は、主に俺が制す。アイルが手伝ってくれる時もあった。
大海の虎のHPは、俺達全員の集中攻撃によりどんどん減ってきている。
……まぁ、減ってくれないとこっちが困る訳だが。
緒戦での勢いに、更に一も二も過激さをプラスして、俺達は全力でHPを削る事に専念した。
HPが10%を切れば、何か反応があるかもしれない。
そう言えば、前回のグリフォンの時は残りHPいくつの時に台詞を発したのだろう。
……覚えていないな。