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第三章 抵抗

素早く駆け付けて来てくれた彼らは、直ぐさま手を貸してくれた。



聖職者のファーとカッツェは、

回復アイテムを連打する俺と緋熊にヒールを掛ける。

攻撃の手の緩んだ今、それを補おうとスキルを放つ魔術師のアイル、先輩。



――――――――――

 

【PT】Riou:次は35%位を切ったら逃げろ 


――――――――――



こんな状況下でも、先輩は怯む事無く俺達を導こうとしてくれた。

俺達はそんな期待に応えようと、必死に敵に抗って、抗って。

先輩の言葉に皆返事をする事も無く、ひたすら敵を攻撃し続けた。



〈抵抗するな!濁流に全て流されてしまうが良い、流れに身を任せてしまえば苦しむ事など無いのだ!!〉



挑発的な発言が、何故か生々しい程に現実味を帯びていた。

しかし、同時に、その言葉に苛立ちを覚えている自分がいた。



「流れには、抗え。世の中の流れに、巻き込まれるな」



昔親父の言っていた一言が、頭をよぎっていたから。



……何昔を思い出してんだろ。確かに親父は口癖の様に言っていた。

だから俺は気に食わない事があったら反抗するガキになった。

……それだけのはずだ。



ふと画面に目を戻すと、いつの間に蘇生魔法をもらったのか、ベアが何事も無かったかの様に戦闘に参加している。

全く。他人に心配を掛ける時は馬鹿みたいに掛けるくせに、いざ非を咎めようとするとケロッとしていやがるんだ。



先程発動した〈タイガー・タイダルウェーブ〉の影響にもめげず、俺達は地道に攻撃を重ねて行く。



――――――――――

 

【PT】Riou:そろそろ逃げるぞ、前衛組はまた壁役頼むな


――――――――――



先輩の一言がチャット欄に追加され、俺は身を固くする。

……次は確か召喚魔法のはず。

召喚される奴らを前衛が引き付けている内に、後衛組……魔法職の彼らを呼ぶ手はずだ。



上手く行けば、何の心配も無いのに。

何故……妙な胸騒ぎがするのだろう。

 

 

 

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