表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/54

第三章 大海の虎

――――――――――

 

【PT】FAR:出たぁー!!へるぷみー!!

 

――――――――――

 

 

……よりによって魔法職のファーと出くわすだなんて。ファーも運が無いな。

しかしここは作戦通りに、マップ中心部へと向かわなければ。

来た道を素早く引き返し、俺は全員の集合場所へとキャラを走らせた。

 

 

……一足早く来たのかな。

未だ誰も到着しない空っぽの空間にて、一人ボスを待ち構える。

次々と合流する仲間の内、ボスを連れて来るべきファーだけが来る事は無く。

まさか力尽きた訳じゃないよな?

 

 

――――――――――

 

【PT】FAR:死ぬっ!

 

――――――――――

 

 

その一言と共に駆け込んで来た狼を見た瞬間、俺はリアルに安堵の溜め息を吐いた。しかし、その安堵の溜め息は瞬時に撤回せざるを得ない。分かっていたと言えば分かってはいたのだが。

 

 

深い深い海の様な群青色の毛色と、腹側を覆う白い毛皮に、灰色の幾筋もの縞模様。 

かつての敵、悲嘆のグリフォンと同じく、その巨体は画面の半分を占める程大きい物だった。





……これが、大海の虎。

 








……皆怖じ気付いたのか、逃げ回るファー以外誰も動こうとしない中、白虎の獣人が飛び出して素早く魔法詠唱を開始した。

 

 

――――――――――

 

【PT】Riou:まずは叩いてHPを削るぞ!

 

――――――――――

 

 

〈アイスニードル!!〉

 

 

氷をアイスピックで粉砕するかのごとく、バキバキと音を発てて地面から氷の針が召喚される。

先輩のスキルだ。

 

 

呆気に取られている間、いつの間にか緋熊達も動き出していた。

そうだ、俺も壁役として皆を守らなきゃいけないんだ。

ハッと気が付き、俺は自身の攻撃、防御強化スキルを発動してから、殴り込みに掛かる。

魔法職に遅れを取るだなんて、皆を捨てているのと同じ……そう思った。

 

 

〈虎の咆哮!!〉

 

 

深蒼の虎は、壁役の緋熊に執着して集中的に攻撃を浴びせている。

対する緋熊は、補助魔法スキルなどの効果により大した被害も無い様だ。

 

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ