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第三章 騎乗ペット

――――――――――

 

【PT】Riou:ここのボス、絶対一つは騎乗ペット落とすから安心しな(笑

 

【PT】BEAR:なんだよ先輩、一人だけライドラに乗りやがって!

 

――――――――――

 

 

ベアの言うライドラとは、現在一番人気の騎乗ペットである。

今から狩るボスがドロップするらしいのだが、何しろ相手方はレベル50。

レベルがカンストした猛者のみが立ち向かえる今の所のラスボスだ。

 

 

それくらいの見返りが無いと、ショックで心が折れてしまう。

 

 

 

 

ライドラは露店でも有り得ない桁の値段が至極当然の様につけられ、そしてそれが当然の様に売れて行く。まぁ確かに人気の理由も分かるさ。


ライドラとは、ライド(乗るの英語)とドラゴンを合せた造語。

恐竜、ティラノの様な姿で前脚は小さく、後脚の二本で前傾姿勢をとって走行する。

手綱のグラフィックまで細く描かれており、誰もが欲しがる魅惑のペットである。

その顔にはブリキの仮面……防具の様な物が装備されており、それが一層魅力を引き立たせていた。






     ☆ ☆ ☆ ☆






しかし……ここのダンジョンはどう考えても道が入り組み過ぎだろう。

ライドラを駆る先輩の後を、俺達は必死について行く。

騎乗ペットは、乗れば移動速度がかなり速くなるため、先輩の姿は何度か見失い掛けた程。

 

 

――――――――――

 

【PT】TIGER:先輩、ダンジョンはマップ見ながら進んでんの?

 

【PT】Riou:あ?いや、道は全部覚えてる。ここに来たのも10回目くらいだしな

 

――――――――――

 

 

なんて恐ろしい子。

 

 

右へ左へ、左へ右へ。

迷ってしまいそうなこのダンジョンの道のりを、先輩は覚えていると言うのか。

 

 

近寄るアクティブモンスターは無視して、第五層まであるダンジョンを駆け続けた。 

時折休憩なども挟みつつ、確実に、少しづつ、目的へと迫って行く。

 


皆、今何を思っているのだろう。何を考えているのだろう。

進む間、殆ど言葉は交わされず、その空白が俺の心に寂しさと言う名の雫を落とす。


 

 

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