第三章 虎の背断崖
俺も楽しみではあるのだが、一つばかり、懸念が。
そう、邪獣王の魂だ。
あれにはボス強化の効果がある。これから行くダンジョンのボスは強化される。
それによってパーティーが全滅でもしたらどうする?
確実に、俺の責任。ゲームとは言え、やはり仲間には力尽きて欲しく無いのだ。
迷い、悩んだ挙句……俺はその旨をみんなに話した。
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【PT】TIGER:別に俺はこんなアイテム、捨てても良いんだ
【PT】FAR:でもさ、何か勿体無くない?
【PT】緋熊:折角レアそうな物拾ったんだからとっときなよ
【PT】Katze:うんうん、7人で行けばボスだって倒せます!
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確かに、今は六人ではない。先輩も加わった今、俺達は七人。
……行ける所まで、行って見ようか。
目的地は、虎風谷のマップ内にあるダンジョン、虎の背断崖。
谷とか断崖とか地形の名前を取ってるみたいだが、実際に断崖で戦えるのかが疑問。
ここのレベル帯は、40~50
現在このゲーム内で一番恐るべき場所、と言えば分かってもらえるだろうか。
ここの最下層にいるボスは、それなりに強いらしい。
先輩曰く、50レベルのプレイヤーが最低五人は居ないとパーティー全滅、だそうだ。
そんな奴が更に強化されたらどうなるのだろう。
……いや、今はそんな事考えなくて良い。皆に合わせれば済む話だ。
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【PT】緋熊:じゃあ、僕と虎君が壁役、最下層まで敵無視で!
【PT】TIGER:OK、目指せ全員の分の騎乗ペットだからな?
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いつのまにやら俺の呼び名が、虎や虎君になっている事に、今気が付いた。
やっぱり俺は鈍いのかなぁ。