第三章 鈴凰先輩
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【PT】BEAR:あぁ、絶対先輩だな。おい虎、先輩をPTに誘ってくれ
【PT】TIGER:はいはい、全くお前は本当に人任せな奴だな
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言いつつ、Riouと言う名の白虎をPTに誘うため、彼を右クリックした。
俺は何らためらう事無くPT勧誘を選択。
見知らぬ奴からの勧誘だったためか、しばし反応が無く……。
辛抱強く待っていると、勧誘に応じるシステム告知がチャット欄に表示された。
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【PT】BEAR:鈴凰先輩?ごめん、遅くなってさ
【PT】Riou:お前がハセ?あ、皆さんよろしゅーに!
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ひとしきり社交辞令として挨拶が交わされると、次の瞬間、皆のおしゃべりが始まるのだった。
会話を見て、時折俺も交ざる。
鈴凰先輩は、上級生だろうとネトゲには関係無い、と言ってタメ口での会話を許してくれた。
穏やかで、それでいて底抜けに明るく。
先輩は、俺達の兄貴分になった。
これで学校の七人は、揃った訳だな。
ところで、鈴凰先輩のステータスを見たが、一瞬ばかり自分の目を疑った。
先輩はどれだけこのゲームをやっているのだろうか。
既に彼のレベルは50、驚いて装備詳細などを訊ねると、装備は全て付加効果付き、との事。
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【PT】Riou:暇だったからね、月曜日からやり始めたんだ
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月曜日……、俺達は全員月曜日からこのゲームをしているのだが。
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【PT】Riou:大学、レベル低い所受けるから暇で暇で。
昨日はもう50になってたよ、ずっとソロプレイだったけど
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なんと言う根性。
ソロプレイはPTを組む人より幾分効率が落ちると聞く。
それでも俺達よりずっと早く、先輩はレベルアップのカウントストップになっていたのか。
……何と言うか、恐るべし。そんな先輩にもレベル上げを手伝ってもらった。
本当はダンジョンで暴れ回りたいのだろうが、しばしの我慢と言う事で。
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【PT】Riou:いやー、こう考えると50までの道のりは長かったと思う
【PT】BEAR:今俺達はその道のりを歩いてるんだな
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そうか。
俺達は誰かが創り、通った道筋をただ辿っているに過ぎない。
しかし、それ以外の道はどこにも無いんだ。
ただひたすら、それを辿るだけ……。
〈LvUP!!〉
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【PT】TIGER:上がった!これで俺も皆と一緒だ!
【PT】緋熊:50レベおめでと!
【PT】FAR:おー!やったじゃん虎ぁ!
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皆の協力の甲斐あって、全員がレベル50になる事が出来た。
明日は土曜。学校についての心配もせず、俺達は深夜までゲーム三昧。
レベルカンスト(カウントストップ)記念に、今から俺達は一番強いダンジョンに行く事にした。