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第三章 白虎

存分に腹を満たし、カレーを食べた事によりご機嫌な俺は、そのままゲームを再開。

やはり皆も食事をとって来たらしく、俺達は眠くなるまでゲームを続行する事にした。

夕食をとって来た時点で、俺達のレベルは44になっていた。

 

 

狩場は虎ノ門。

 

 

現在このゲームのレベルキャップ(レベル上限)は、50。

つまり、どんな強い奴でも今の所は次のレベルキャップ開放まで待っている状態だ。

噂では、次の大規模アップデートで新職業と竜族、新マップが実装されるそうだが、定かではない。

 

 

俺達は全員が45になったら、次の狩場である最終マップの虎風谷へ向かう。

実はこのゲーム、獣王街を中心として四方にまだ実装されていない、海、山、森、荒野のマップと街がある。

 

 

虎風谷以外にもここと同様のレベル帯のマップがあるのだが、その方角によって雰囲気が違うため、俺達は好んでこちらの方角に来ていた。

俺の予想……と言うより、確実にこの虎風谷の次のマップ以降には海のエリアと街が出来るだろう。

 

 

何故なら、このマップには水棲生物、特に海の生物型のモンスターが多くなっていたから。

 

 

……大規模アップデートか。

何かが実装されると聞くと、自然と胸が高鳴った。

 



――――――――――

 

【PT】緋熊:早くUPデートしないかなぁ

 

【PT】AIR:メンテナンスは来週の水曜だよね?あー、長いなぁ

 

――――――――――

 

 

和やかな空気が流れる中、会話を交わそうと関係無く敵を狩り続ける。

気が付けば、レベル上げも関係無しに自然と手が動いていた事もしばしば。

やはり、人数は多ければ賑やかになり、それだけ気分も上向きになる。

 

 

この六人の仲がもっと良くなって、互いに信じ合える仲間になれれば、俺は満足だ。 

そう言えば、鈴凰先輩の事を奏江に頼んだのだが、未だに良い返事が無い。

 

 

話題の無くなって来た会話に、俺は鈴凰先輩の話を振った。

 

 

――――――――――

 

【PT】TIGER:ベア、鈴凰先輩はどうした?やっぱ固定には来てくれないかな

 

【PT】BEAR:あ、先輩はOK言ってくれたんだが、キャラの名前が分からん

 

――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

……聞いて来いよ馬鹿熊。

苛立つ心を押さえ付け、冷静にチャットを返す。

 

 

――――――――――

 

【PT】TIGER:なんで聞いて来ないんだよ!今からメールしやがれ!!

 

――――――――――

 

 

どうやら俺は、あまりの馬鹿さ加減に、冷静に返事が出来無かった様だ。

その後なんとか先輩の名前を聞き、俺達は一旦獣王街へと引き返す事に。

 

 

待ち合わせは、レオンベルガー像。

 

 

街の中心部にある広場のど真ん中に立つ、黒い狼を模した銅像は、初心者がまず目にする物でもある。

勇ましく雄叫びをあげんばかりのその像の足下は、プレイヤーにとって最高の待ち合わせ場所だ。

 

 


先輩は飾る事が嫌いな様で、

「Riou」と名前を付けているらしい。 

どことなくあの先輩らしいかな、俺はと心の内で微笑みつつ、レオンベルガー像に到着し、先輩を探す。

 

 

外見は白い虎、職業は魔術師と聞く。

 

 

さて、どこにいるものやら。

 

 

 

 

――――――――――

 

【PT】FAR:あれぇ、この人かなぁ?

 

――――――――――

 

 

ファーのその一言がチャット欄に表示された瞬間、俺は心踊る様な期待と共にファーの姿を探した。

その気持ちは皆同じだったらしい。 

ファーの元へと辿り着くと、皆が同じように続々と駆け付けて来たのだ。

 

 

そして、ファーが横に立つその獣人は、

白い毛皮に黒い縞、魔術師のローブを着込んだ、まさに探していたその人だった。

 

 

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