第一章 第二層にて
第二層の入り口でまたファーに補助魔法を掛けてもらい、少しチャットをした。
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【PT】BEAR:こりゃほんとにボス独り占めかもな(笑
【PT】AIR:でもドロップ品目当てに三階だけには居たりして・・・
【PT】FAR:まぁまぁ、独り占めできたら戦闘ペット狙おうよ
【PT】TIGER:そうだな。ここのボスドロペットって種類なんだったっけ?
【PT】FAR:確か・・・ラビじゃなかったかな
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ラビとはウサギ型のペットの事らしい。可愛い見た目のため、露店売却の方が得だとか。
しかし戦闘能力が低いため、愛玩用……まともに育てられる事も無いと聞く。
話を切り上げ、俺達は最下層へと再び走り始めた。
第二層もさほど入り組んだ通路では無く、簡単に駆け抜ける事が出来る。
しかし、第二層にも人影を確認する事は出来ず。本当に人気が無い。
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【PT】FAR:あ、ちょっちたんま!
【PT】TIGER:どうした、ファー?
【PT】BEAR:なんだなんだ?
【PT】FAR:あれ、ここのボスじゃない?
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言われて辺りを見回すと、あぁ。
確かに他のよりも大きなモンスターがちょこちょこ歩いている。
肉球カーソルをそいつに合わせると、
〈Lv16 血塗れウサギちゃん〉の表示。
成程、だから赤いのか。
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【PT】FAR:三層のボス狩る前にさ、こいつで腕試しなんてどうかな?
【PT】TIGER:そりゃ良いや、やろう!
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ここでこいつを倒せなければ、三層のボスなんてもってのほか。
早速ファーに防御・攻撃UPの補助魔法を掛けて貰い、いざ宣戦布告である。
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【PT】TIGER:俺が引き寄せて叩くから、回復頼む。あとは適当に殴って
【PT】AIR:任せて(・ω・´)
【PT】FAR:よーっし!タコ殴りだぁ!
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まずは壁役の俺が突撃。
ボスはみんなアクティブモンスターなので、向こうからも襲いかかって来る。
被害ダメージは大してデカくない。
これなら倒せるかも……!
そう思ったのも束の間だった。
血塗れウサギちゃんは、突然大量のピンクラビット(Lv12)を召喚したのだ。
ざっと見て、10から……、15匹だな。
途端ボコボコと殴られるが、8つも下のLvの奴にやられる程戦士だって柔くは無い。
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【PT】TIGER:ボスは俺が引くから、雑魚処理頼むわ
【PT】BEAR:任せとけ、お前は早くボスを倒しちまえ(>ω・)キラッ☆
【PT】AIR:了解了解~
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この間、ファーは俺に回復魔法を連発するのに忙しかった為、チャットが出来なかったらしい。まぁ、あいつらしいな。