今日のHRって...
「今日のHRって何するんだろ?」
「先生が朝礼で話してたでしょ?聞いていなかったの?」
「寝てた」
「はぁ......校外学習の話だそうよ」
「おぉー!どこ行くんだっけ?」
「京都よ。もう少し話を聞くようにしなさい、先生が可哀想」
「朝礼以外はちゃんと聞いてるんだがな、朝は眠過ぎて無理だ」
「今日は班決めをするらしいわ。4〜6人程度で一班よ」
「4〜6なら、海道と河内達でいいな。丁度6人だ」
「話し合うことも無く班が決まっているのね...」
「以心伝心ってやつ。お前は?」
「私も決まってるわよ。いつも話してる子たちと」
「ってことは6人班か?」
「いえ、1人が気になる男子と同じ班になりたいらしくて、付き添いでもう1人その班に行く予定だから、私の班は4人班ね」
「おぉ~青春だねぇ!海道はないとしても、河内達はそういうことになる可能性があるのか。先に確認取っときゃ良かったな」
「河内君達が4人セットで別の人と組むことになったら、あなたと海道君の2人しか残らないわよ?大丈夫なの?」
「まぁ、なんとでもなるだろ。俺も海道も顔は広いからな」
「海道君がいるから女子と同じ班にはなれないのよね?」
「ん?なんで?」
「彼女さんが快く思わないじゃない」
「あいつの彼女、そういうの全然気にしないぞ。海道が他の女になびくなんて、これっぽっちも考えてないからな」
「えぇ...すごいわね」
「まぁ、ずっとイチャイチャしてるから...」
「信頼関係が出来上がっているのね」
「とはいえ、十中八九男子の班と合併することになると思うぞ」
「まあそうでしょうね」
「そういえばお前のグループの例の子は、誰と組むって言ってるんだ?」
「気になるの?」
「気になるだろ」
「人の恋路に首を突っ込むなんて、嫌な男ね」
「なんて言われようだよ。どうせ後で班を見ればわかるんだからさ、教えてくれよ」
「教えられないわ」
「なんでだよ!そういう約束でもしてるのか?」
「いいえ、私もまだ知らないの。その子が恥ずかしがって教えてくれなかったから」
「知ってたら教えてくれてたのか?」
「教えるわけないじゃない」
「そうだよな...余計なこと聞いたな」
「私、口は堅い方なの。あなたにだけ教えない訳じゃないわよ」
「そういうことね。まあ、班決めを楽しみに待つよ」
「そうしてちょうだい」
「よく考えればその子の気になってる男子って、俺の可能性もあるのか」
「完全に否定は出来ないけれど、絶対ないわね」
「完全に否定しないで...」
「確実にないわね」