しょーてすとぉぉぉ…
「……デカン高原が…綿花で…レグール土…?……合ってた。ガンジス川?何作ってんだよ……ジュート…麻袋のやつか…。右が…米?で左が小麦かな。スリランカはしらん」
「さっきから何をブツブツ呟いているの?」
「勉強だよ勉強。5限の地理小テストだぞ、お前はやらなくていいのか?」
「私は直前に一度目を通すだけでいいわ。暗記は家でしてあるから」
「さすが、中間テスト90点台は違うな」
「盗み聞き?タチ悪いわよ」
「バカ言うな、聞こえてきただけだ」
「だったらいいけど」
「家での予習復習とか、できる気がしないな」
「何言ってんのよ、やる気ないの間違いでしょう?」
「そこが一番のネックだ。やる気を出せる気がしない」
「私だってやる気があるからやっているわけじゃないわよ」
「じゃあなんでやってるんだよ」
「ただの暇つぶし」
「楽しくない暇つぶしなんて御免だ」
「あら、楽しいわよ?勉強」
「どこが」
「解ることが楽しい、と言った方がいいかしら。解けない問題がないって、結構愉悦なのよ」
「原動力は愉悦かよ…。いい性格してるよな、お前」
「お褒めに預かり光栄だわ」
「だったらもう少し嬉しそうに言えよ」
「これでいいかしら」
「貼り付けたような作り笑顔はやめてくれ」
「よく気付いたわね」
「そういうのには、結構敏感なんだ」
「何かトラウマでも?」
「いんや、経験値の違いだな。関わる奴が増えてわかるようになったんだ」
「私の友達が少ないって話なら、取り合うつもりはないわよ。私は少数精鋭でやってるの」
「馬鹿にするつもりなんてさらさらねぇよ」
「そんなことより、勉強しなくていいの?」
「いい訳ないだろ。軌道修正感謝」
「構わないわ。精々頑張りなさい」
「目指すは8割だ」
「目標は高めに設定するものよ」
「俺にとっては十二分に高めだよ」
「それは失礼したわね」
「地理のテストはいつも6割くらいなんだ」
「あら、思ったより悪くないじゃない」
「俺の一夜漬けには定評があるからな」
「せめて一夜漬けてから言いなさいよ」
「…よし、だいたい覚えた。何か問題出してくれよ」
「面倒ね」
「頼むって」
「仕方ないわね…。じゃあ、インドのシリコンバレーと呼ばれることがある、IT産業が代表的な都市をこたえなさい」
「………都市名は知らん」
「全然ダメじゃない」
バンガロールです。