☀ 終われない かくれんぼ「 夏のホラー2021 」
「 集まれ〜〜〜、かくれんぼしたい奴ぅ〜〜〜 」
何処かの誰かが「 かくれんぼしよう! 」なんて言い出したから、半ば強制的に “ かくれんぼ ” をする事になった…。
嫌だなぁ……。
僕…隠れるの下手なんだもん…。
「 よ〜し、50数えるから隠れろよ〜〜〜 」
鬼役のケイタが数を数え始めた。
早く何処かに隠れないと!!
僕は急いで隠れられそうな場所を探した。
50なんて直ぐ数え終わっちゃうよぉ!!
僕は必死に隠れる場所を探した。
………………駄目だ…何処に隠れたら良いのか分からないよ…。
「{ 此方だよ!
此方!
此処に隠れてたら見付からないよ }」
「{ 君は…誰?
見掛けない子だね? }」
「{ ふへへ。
オイラはキッコってんだ。
オイラ、隠れるのは得意なんだ }」
「{ 僕はホフクだよ。
キッコ、宜しくね }」
「{ ホフク……。
ホフクは美味そうだな }」
「 え? 」
「{ ふへへ。
ホフクは良い奴だから喰わねぇでやるかんな }」
「 えっ?? 」
「{ オイラが呼びに来てやっから、此処に隠れてろな }」
「{ う…うん…… }」
僕が頷くと、キッコは僕に向かってニカッって笑った。
歯の中に尖ってる歯が見えた。
牙が生えてる??
キッコは僕を残して何処かへ行っちゃった。
何時まで隠れてたらいいのか分からないけど、タイガに見付かると意地悪されるから出来るなら見付かりたくない。
僕はキッコが呼びに来てくれる迄、大人しく隠れている事にした。
「 ホフク,ホフク……かくれんぼ、終わったぞ。
皆の所へ戻れ 」
「 キッコ…… 」
「 オイラが送ってくよ。
ほら、行くべ 」
「 う、うん…… 」
僕はキッコに手を引かれて隠れていた場所から出た。
神社の敷地に子供達が集まっている。
「 ホフク!
おめぇ、上手くかくれたな!
見直したぞぉ 」
「 ケイタ…。
えへへ(////)
キッコのお蔭なんだ 」
「 キッコ?
そんな奴、居たっけか?
まぁ、いいや。
もう日が暮れるべ 」
僕達は神社から急いで離れた。
晩御飯の時間までに帰らないと母ちゃんに怒られちゃう!
蜘蛛の子を散らすように皆自分の家に帰って行った。
あれから何度も皆で神社に集まって “ かくれんぼ ” をして遊んだ。
僕はキッコが案内してくれる場所に隠れて、 “ かくれんぼ ” が終わるまで息を潜めて隠れている。
そんな楽しい日が続いていたある日、村の中で “ 人拐い ” が起きたと騒ぎが起きた。
大人や子供,老人…関係無く頻繁に拐われているみたい。
怖いなぁ…。
僕達は親から「 神社で遊ぶな 」と言われた。
「 村の外れにある神社は危ないから 」って事みたい。
何時もつるんで遊んでいた皆、残念がっていた。
勿論、僕も……。
皆で集まった時に、「 最後に神社で “ かくれんぼ ” をしよう 」って事になった。
キッコに明日から神社に行けなくなった事を話さないと…。
村を出て、神社に着いた僕達は、敷地内で “ かくれんぼ ” を始めた。
何時もみたいにキッコが僕に声を掛けて、隠れる場所へ案内してくれる。
キッコに話さなきゃ…。
僕は勇気を出して、キッコに明日から神社に行けない事を話した。
キッコは「 そっか… 」と言うと「 仕方ねぇべな… 」って悲しそうに残念そうに笑った。
僕だって寂しいよ…。
“ かくれんぼ ” が終わって皆と集合すると、トチカが村の方から煙が上がっているのに気が付いた。
皆一斉に村へ向かって走り出したけど、僕だけは行けなかった。
キッコに手首を掴まれていたからだ。
「 キッコ、僕も帰らないと── 」
「 駄目だ。
村へ帰ったらもう会えねぇ。
オイラはホフクと遊びてぇ 」
「 僕だって…キッコと遊んでいたいけど、帰らないと…… 」
キッコと話してると悲鳴が聞こえた。
神社の階段の下からだ。
誰の悲鳴だろう?
「 隠れるべ 」
「 え? 」
「 隠れる場所なら、オイラに任せろ。
“ かくれんぼ ” の始まりだ 」
「 え?
さっき終わったばかりだよ? 」
僕はキッコに引っ張られるまま、神社の森の中へ入って行く。
大人の叫ぶ声がする。
鎧を着て、刀を持った大人だ。
刀には赤い何かが付いているように見えた。
キッコは何処に隠れるんだろう。
僕は何時までキッコと一緒に “ かくれんぼ ” を続けるのかな??
何時終わるのか、僕には分からない “ かくれんぼ ” ────。
誰か──、僕とキッコを見付けてください。




