第10話 夏と買い物
「やっほーー!!さいっっこう!!」
バイクに乗り風を浴びる爽快感に千冬は相当ご機嫌なようだ
「どうだ!いいもんだろ!」
「いいどころじゃないわよ!!こんなの初めて!ちょー気持ちいわ!これから週末はなっちゃんに乗せてもらわないとね!」
「週末…??。いや、俺にはダンジョンが…」
「え??なんて??風でよく聞こえない!」
はぁー。
俺ってやつは…
「気が向いたらな!!!」
「やったぁぁ!!いけいけー!!」
そして下北沢駅に着くと猫頭と梵が駅前にいた
俺達はパーキングにバイクを止めて2人の元に向かった
「お待たせー!」
「六条くんバイクの免許もってたんですね!意外です…」
意外とは…
「2人で仲良く乗ってるとほんとにカップルみたいだったよ!」
おい!猫頭!まだそれ言うか!
「ちょー気持ちいから、今度2人も乗せてもらうといいわよ!」
なぜ千冬が決める…
バイク姿はこれ以上見せない方が身のためだ…
「まぁ、とりあえず行くとしよう。それで中古の装備でいいのか?」
俺達は装備屋兼服屋に向かって歩き出した
「それなんですが、その、装備の相場と言うのがわからないんですよね」
なるほどな。たしかに初めてで装備は新しいのを欲してしまいがちだが、実際探検してみると傷やら汚れやらでダンジョンで稼ぐ金と買った装備の金では割に合わない。
これをどう伝えるか…
俺が言うと上から目線で言われてると思われても嫌だしな
「最初は中古品がいいよ!Dランクダンジョンは稼ぐ目的には適してないから装備の元は取れないからね!」
千冬が説明してくれた
流石千冬だ。
こうゆう時はコミュ力抜群の千冬が頼りになるってものだな
「ちなみに相場はいい装備なら高くなるが、Dランクならそれなりに低いぞ。」
「そうなんですか。というか、千冬ちゃんってダンジョンに行ったことあるんですか?」
「あるわよ!こう見えてもAランク探求者だからね!ブィッ!」
千早は指をV字の形にして言った
千冬は俺が一緒にダンジョンに連れて行かないことが嫌で自ら探求者になり、Aランクまで成り上がる程の実力者になっていた
まぁ、そのため千冬の魔導武具は俺が作る羽目になったんだが…
「逆に俺からしたら、猫頭程の実力者が探求者じゃないのに驚いたが」
「あー俺ね。探求者って結局お金を稼ぐ職業だろ?俺はお金に困ってないからね。別になりたくないわけじゃないけど、必要ないかなと思ってさ。」
なんだ?アルバイトでもしてるのか?それとも…
「猫頭くんは猫頭財閥の御曹司だものね!」
な、千冬今なんて?
御曹司だと?
猫頭は男から見ても金髪でちょっとチャラついている容姿だが、イケメンの位に入るとは思うが…まさか御曹司とはな。
こいつまさか…勝ち組か!!
「いやー。ハハ。まぁ、でもこれを機に新しいことに挑戦することもいいかもね!」
ま、眩しすぎる
根っからの陽キャ…
根暗な俺とは真逆の人間だ…
「六条くんは探求者歴長いんですか?」
「ま、まぁ。それなりにな。知識としてはあると思うぞ」
千冬が俺にくっついて耳元で言った
「何謙遜してるのよ!Sランク探求者で現役でやってますっていいなさいよ!!!」
「やめておく。ここで自慢げに発言して頼られるのも嫌だし、傲慢だと思われるのも勘弁だ。それなりに話を合わせればそれでいいだろ」
「ぶーーー」
俺達は目的の装備屋に着くとそれぞれが物色し始めた
猫頭は色々と目につけているものがあるようだが…
…。革製のジャケットか…
悪くわないな。だが、猫頭のスキルは機動力重視だ、こっちの黒の伸縮性抜群のパーカーあたりがいいと思うが…
「六条くん。これどうかな?見た目はいいと思うんだが、少し硬い気もするんだ。」
どうするべきか…、本当のことを言って相手を否定しかねん。だが、ダンジョンは遊びではないからな…
「ふむ。たしかにその革のジャケットは猫頭に似合っているな…。スキルのことを考えると動きやすいこちらのパーカーも似合っていると思うぞ?」
「おお!そのパーカーシンプルでいいね!んー。こっちにしようかな!ありがとう六条くん!」
「いや、たいしたことはない」
危なかった…
相手を否定せず、褒めるのと同時に、他の品物も進めると言う高等技術…
だから大勢での買い物は嫌なんだ。
3人からの様々な質問の嵐を俺は言葉巧みに見事に掻い潜り、1時間ほどの買い物が終了したのだ
つ、疲れたー…
自分の買い物でもないのに、ここまで疲れるとはな。
もしコミュ力のスキルがあったら今日だけでレベル2は上がっているだろうな…
「さて、国役所に向かうとするか」
「はい!いい買い物もできましたし!このまま探求者登録も頑張りましょう!」
「そうね!梵と猫頭くんなら楽勝で試験合格間違いないわ!」
なんだ。買い物をしたせいかやけにテンションが高いな。
まぁ、いい…
「ここから近い国役所は…御茶ノ水だな。俺はバイクで向かうから先に行っててくれ」
「じゃ、私も…」
「千冬は3人と一緒に行け」
「ちぇっ…」
「あ、なら俺が乗ってもいいかい?バイクに1度乗ってみたかったんだ!」
猫頭!!お前が言うのかそれを!
くっ…せっかく1人の時間が訪れたと言うのに。
後ろに陽キャを乗せながら走って俺のバイクが目立ったらどうするつもりだ…
まぁ、仕方がない。ここで断ったら嫌な奴だと思われかねん
「そうか、いいぞ。なら俺達は後から向かうからそっちは電車で行っててくれ。また後でな!」
俺は猫頭を連れてパーキングに向かった
「ヘルメットの付け方はわかるか?」
猫頭にヘルメットを渡しながら言った
「被って…これはどこにつけるんだい?」
「しかたない。少し顎紐を調節するからな。」
「ねー。あそこの2人見て!ちょーイケメンじゃない?」
「ん?でも黒服の方は女の子かな?」
「どっちでもいいわよ!かっこいいー!」
しまった…
千冬と2人でもかなり目立ってはいたが…
猫頭と2人だと男同士の為かそれ以上に目立つな
「ほら、できたぞ!じゃ、後ろに乗ってくれ」
「よろしく!六条くん!」
「あぁ。しっかり捕まってろよ!行くぞ!」
俺はすぐさまその場から去るようにアクセルを回して発進した
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