アスファルトに咲く
六月の晴れた日に夏の暑さを感じながら
歩いたこの道をなぞって
あの日を思っている
牡丹の花が落ちる季節
公園の隣の神社の花
高い石垣の上から落ちた花が
まだ赤い色で影で冷えた
アスファルトに咲いた
風を切って走った
転んで泥まみれで笑った
公園の土で探したプラスチックの丸い玉
白赤黄色カラフルな色
綺麗に洗って集めた記憶
牡丹の花が落ちる季節
公園の隣の神社の花
家から公園に向かう途中の
日の影で冷えた歩道の
アスファルトに咲いた
風と手を取り走った
転んでクローバー見つめて
そのまま座って探した四つ葉の幸せ
めいいっぱい摘み取った
幸せを沢山貰った
人生の幸せを全部集めてしまったようだ
あの頃に叶う幸せを感じれずに
今もあの頃を思い浮かべては過去に縋って
今を隠して
冷えたアスファルトに牡丹の花びらが散っていた
古瀬