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024 幼女に集う変態は本物です

 まるで、私の決意をお祝いするかのように、お花畑を気持ちの良い風が吹き抜ける。

 そして、私はノーパンだった事に気がつき、2人のよこしまな視線に気がついた。


 ルピナスちゃんは、さすが可愛い代表私の天使で、私の風にめくられたスカートなんて見向きもせずに、ニコニコのはなまる笑顔で拍手してくれてる。可愛い。


 リリィは、うん。

 わかってた。

 完全に視線がそっちいってるよね?


 スミレちゃんも、風下側だからって、何匂い嗅いでるの?

 本当止めて?

 スンスンしないで?


 そうして、私はそのまま腰を下ろして、スカートを抑えて涙目になった。


 もうやだ。

 この変態2人を、どうにかしてよ。


 私がしくしくと、そんな事を考えていると、リリィが何も無かったかのように話を再開する。


「不老不死になりに行くって言っても、そのフェニックスが何処にいるのか、わからないのよね?」


「そうなのよ。フェニックスの所在は不明なの。だから、フェニックスを捜す必要があるなのよ」


「そうなっちゃうと、結局何も出来ないわよね」


 リリィとスミレちゃんが「うーん」と唸り、考え込む。

 そんな2人を見て、私も少し考える。


 2人が言う通り、居場所がわからないなら捜す必要があるわけで、村から出られない私達には何も出来ないよね。

 今回、村の外のここに集まったのは、そこまで村から離れていない近場だったからだもん。

 本当は駄目な事だけど、近場なら良いかなって、暗くなる前に帰れるかなって思ったからだしね。

 それが、居場所のわからないフェニックスを捜すってなっちゃうと、近場を捜す程度じゃ絶対に済まないもん。

 物凄く長い間、村に帰れなくなっちゃうだろうし、流石にそれは出来ないよね。


 そこまで考えた私は、この話は一時保留にしておこうと考えて、ちょっとだけ気になった事を聞いてみる事にした。


「そう言えば、スミレちゃんは何がきっかけで、前世の記憶を思い出したの?」


「え? きっかけなのですか?」


「うん。私の魔法がって言うのは、状況から何となくわかるけど、実際にきっかけは何だったんだろうなって思って」


「なるほどなのです。お答えしますなのですよ」


 スミレちゃんがそう言うと、リリィとルピナスちゃんもスミレちゃんに注目する。


 しかし、その時私は自分の過ちに気付いてしまった。

 よく考えてみれば、私が前世の事を思い出したきっかけは、崖から落ちた事だった。

 恐らくだけど、あの落ちた時の衝撃が、私が前世で最後に受けた衝突事故の衝撃に似ていたのかもしれない。

 私は、自分がどれだけ酷い事を聞いてしまったのか、今更ながら気がつき後悔した。

 だから、スミレちゃんの心の傷口を開けさせない為にも、止めるべきだと思ったのだ。


「ごめん! スミレちゃん、やっ――――」


「匂いなのです」


「――ぷぇ?」


 あ。変な声出ちゃった。

 って、え? 匂い?


「最初の10倍の重力の時に顔を上げたら、先輩から幼女の匂いがしたなのですよ」


 そう言うと、スミレちゃんは立ち上がり、手を空に掲げた。


「あの匂いは間違いなく、同性と言う特権を使って、前世で何度も嗅いだ幼女達の衣服とかでは味わえない生の匂いなのです!」


 そして、スミレちゃんが私達に向けたその笑顔は、とても眩しかった。


 殴りたい! この笑顔!

 と言うか、同性と言う特権を使ってって、完全に犯罪者のそれじゃない?

 なんと言うか、魔族になるべくしてなったって感じだよね。

 自分で言うのもなんだけど、前世の私って、まだマシな方じゃん。


 などと、自分の事を棚に上げて考えている横で、リリィが「私はジャスミン一筋だからね」なんて言っている。

 親友としては、将来が心配だ。


 でも、正直に私は少しだけホッとした。

 私みたいなきっかけで、前世を思い出したわけじゃないのなら、嫌な事を思い出さないですむからだ。

 前世の死ぬ間際の出来事を、鮮明に覚えているって、意外と結構きついのだ。

 だから、それだけは良かったなと思った。


 とは思ったのだけれど、スミレちゃんが「そう言うわけなので、先輩もう一度嗅がせてなのですよ」と、股下を嗅ごうとしてきたので、全力で頭を殴りました。

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