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嫁(仮)との出会いは唐突に

 原案者から設定をお借りして作る事になりました。投稿頻度は未定ですがよろしくお願いします。

 俺こと『フェニア・ジミニ』は所謂転生者である。前世はしがないただの男子であったが女の子を庇ってトラックに牽かれた事は覚えている。そして神様に出会い半強制的に転生される事になる。


 転生先である異世界「カーナプス」は魔物が蔓延るファンタジー世界であった。当然魔物を相手取る職業である冒険者も存在する。

 1年前に両親が他界して独り身である俺も15歳になり、冒険者として登録できる年齢になったのでオススメとされるギルドへと赴き登録を行う。なおギルドカード発行の際に怪訝な顔と同情の顔を向けられる。どういう事かとカードを見てみる。


――――――――――――――――――

フェニア・ジミニ 男

クラス:見習い戦士

ステータス

STR:10(E) DEF:10(E)

INT:10(E) MIN:10(E)

AGE:10(E) DEX:10(E)

スキル

オートヒール:EX

――――――――――――――――――


「弱っ!?」


 全て人種としての最低値の10であった。なお原因は分かりきっている。スキルであるオートヒールのせいであろう。神様からの特典として授けられたスキルであり効果が「ステータス低い代わりに不死身に近い再生能力(痛覚無視付)」である。


「これじゃ肉壁にしかならねぇ……肉壁になるかも怪しい」


 見習いでも該当数値50がスタート地点と言われている現状では、クラスでは見習いと書いてあるが見習いですら無いであろう。

 冒険者カードのクラスは「見習い」から始まり「初級」「中級」「上級」「玄人」「達人」「英雄」となっている。

 英雄は通称マスタークラスとも呼ばれておりステータスで言うと人間の限界値1000(A)を突破した者であり尚且つ国から……民から認められた者の称号である。

 

「こんなんじゃ誰ともパーティ組んで貰えねぇ……」


 ギルドカードを見ながら溜息をつく。誰か条件が合う人が居ないかとパーティ募集の掲示板を眺める。


「ダメかー……だよなぁ……」


 掲示板の条件がやはりステータス50が最低である。薬草摘みですらも最低20とされている。


「パーティなんて無理だよな……ってん?」


 掲示板の隅の方に張られたパーティ募集の紙。それを手に取り眺める。


――――――――――――――――――

パーティ募集

・クラス不問

・ステータス不問

・なるべく頑丈な人

・強化支援が欲しい人

以上の条件を満たす人は是非

依頼主:アシリア・ミリス

責任管理:冒険者ギルド

――――――――――――――――――


 クラスとステータスが不問とされている。かなり怪しいがこれに賭けるしかない。藁にも縋る想いで募集の張り紙をギルドの受付へ持って行くとやはり微妙な顔をされる。


「その……アシリアさんは正直オススメ出来ませんが……」

「でも募集で唯一のクラスとステータスが不問の人なんですよ……」

「はぁ……わかりました。ですが無茶だと思ったら帰って来て下さいね?」


 それだけ言ってギルド受付は依頼主であるアシリアを職員に言って呼んで来て貰う。


「貴方が募集に応じてくれた冒険者ね」


 待つ事数分やって来たのは白髪のおさげで肩から胸にかけての露出が凄まじい紅と白のコントラストが特徴的な服を着た可愛い女性であった。装備の杖を見るに魔導師だろうか。


「初めまして。一緒にパーティを組ませて頂く見習い魔導師のアシリア・ミリスです。今日はよろしくね?」

「フェニア・ジミニです。こちらこそよろしくお願いします」


 礼儀正しく可愛らしい仕草であるアシリア。何故彼女程の美貌の持ち主がギルドから……いや周りの反応を見るに冒険者からも敬遠されているのだろう?不思議に思って顔を眺める。


「?なにかしら?」

「いえ何でもないです」


 可愛らしく顔をこてんと傾げる。計算されていない天然の反応であろうか。こちらが照れそうになり顔を背けてしまう。


「ではフェニアさん。くれぐれも無茶はしないで下さいね」

「あっはい」


 念を押される。周りからの冒険者の反応も同情的な物であった。


「ふふ……じゃあ行きましょうか」

「え?行くってどこへ?」

「決まってるじゃない。モンスター狩りよ」


 躊躇いなく手を取りぐいぐいと引っ張っていく。その力が予想以上に強く逆らえない。そうしてズルズルと引きずられた先は最近になって危険な魔物が観測された東の森であった。


「あのーアシリアさん?こんな危険な場所じゃなくてもっと平和な……町近くの草原とかでも」

「そんなんじゃ力試し出来ないじゃないですか」


 笑いながら告げる。あ、ダメだこの人。


「あのーそれで強化支援があるって聞いたんですけど具体的にどういう内容なんでしょうか」

「?STRの強化に全部注ぐに決まってるじゃない。ほらモンスターって殴れば死にますよね?」


 その一言が彼女の……アシリアの全てを物語っていた。要するに。


「脳筋だこの人!」

「あ、早速モンスターがやって来ましたよ」


 魔物を見つけて意気揚々と杖を構え準備をする。ちなみに見つけた魔物と言うのは体長3mにも及ぶ大きな狼であった。こちらを睨みつけて隙を伺う狼さん。


「ほらフェニアさん。前出て前」

「えーと自分武器すら無いんですけど?」

「?拳で殴れば殺せますよね?」

「…………」

「…………?」


 何を言っているんだコイツはと言わんばかりの顔である。それを見て全てを悟った。


「もうやだー!帰るー!」

「えっ!?ちょっと!?まだ魔法すら使ってませんよ!?」


 こんな脳筋と一緒に居られるか!と思うが狼さんがずっと睨みつけているため逃げる事は出来ない。前門の狼・後門の脳筋であった。


「ほらほら行きますよ!あー久々に人に使うなぁ!」

「ええい!こうなりゃ自棄だ!バフでも何でも来いやぁ!」

「はい!《力強化:100倍》!」


 え?今何て?と思うが魔法を唱えると同時に狼が襲い掛かる。俺は唯々右拳を前に突き出す。それだけであった。それだけであったのだが……


 ズォォォォォォォォォォォォォォォン!!!


 拳から放たれた凄まじい衝撃波が前に居た狼を消し飛ばしてなお勢いは止まる事無く周囲の木をなぎ倒していく。一瞬突き出した腕が右半身諸共、消し飛ぶが巻き戻しの様に一瞬で再構築されていく。風と衝撃が止むと拳を中心に前方200m全ての物が吹き飛んでいた。


「この手に限りますねってフェニアさん無事ですか?」

「…………」


 何が起こったのか理解出来なかった。力が強化されたのだろう。それは分かるが100倍にまで強化されるとは思っていなかった。10とかいうクソザコの数字でも100倍まで強化されれば英雄級……マスタークラスにまで一気に引き上げられる。


「わー!私の強化を受けて無傷の人を初めて見ました!」


 結果だけ見れば無傷であろうが他の冒険者が敬遠する理由がよーく分かった。そしてアシリアが未だに見習い扱いなのかも。


「アシリアさん。ちなみに聞くけど強化の最低倍率って?」

「20倍です!」


 そう!倍率が!高すぎるのである!恐らく20倍でも普通に腕の1本は消し飛ぶだろう。強化自体は体が消えた時点で効果が切れているがそもそも体が消し飛んだ時点で人間としてヤバイのだが。


「アシリアさん自身は自分に対して強化魔法は使えますか?」

「使える訳ないじゃないですかヤダー」

「自覚あるのに他人に使おうとすんなヤダー」


 この特典である事に神様に感謝しようと思ったが、そもそもクソザコ数値じゃなければアシリアと組む必要は無かっただろう事に思い至り感謝を忘れる。


「うんうん……よし!決めました!」

「え?何を?」


 嫌な予感がする。


「私の強化を受けて無傷な人を逃すわけにはいきません!このまま正式にパーティを……いえ結婚しちゃいましょう!」

「…………いやいや!正確に言えば無傷じゃないし!それにまだ出会って間もないしお互いを良く知ってからの方が」

「これはきっと運命ですよ!」


 聞いちゃいない。この世界の父さんと母さん独り身になって1年。早くも結婚相手が見つかりました。ギルドに戻るとアシリアさんが結婚すると宣言しギルド全体から祝福されましたとさ。


「なんでさ」


 ちなみに後からアシリアのギルドカードを見せて貰った。


――――――――――――――――――

アシリア・ミリス 女

クラス:見習い魔導師

ステータス

STR:200(D) DEF:10(E)

INT:10(E)  MIN:1001(A)

AGE:10(E)  DEX:10(E)

スキル

強化魔法:A 詠唱破棄(強化):A

前科

過剰強化:100犯

――――――――――――――――――

 転生描写は投げ捨てる物。


 追記

 原案者であるポヨりん(twitterID@poyorin_koto)さんから表紙絵を頂きました。

挿絵(By みてみん)

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