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01/000 プロローグ

 起きて、学校に行って、授業を受けて、部活をして、家に帰って、寝る。

 俺、千浦秀ちうらしゅうは、このサイクルがたまらなく苦痛だった。

 別にボッチというわけでもなく、勉強ができないというわけでもなく、運動ができないわけでもない。むしろ人望はあるし、テストは全教科満点、運動の成績もいいほうだ。

 他にもある一点を除いて不満などない。


 ある一点。

 半年前に俺のせいでこの世から消えた2人の親友のいた痕跡がないことだけが不満だった。





*****


 惰性で、しかし外面だけは良くみせる。そんな生活が続いてから数ヶ月した6月のある日。


 「なあ、千浦ー。これってどーゆーこ……」

 「ああ、それはこういうことだよ」


 いつもと同じように、質問されることを予期していた俺は、あらかじめ問題の解き方を書いておいた紙を隣の席のやつに渡した。


 「っと、サンキュ。にしても毎回よく俺の質問するところがわかるなぁ」

 「授業の範囲があらかじめわかってることと、あとはあんたの学力ならどこのあたりで躓くか予想すれば大体わかるよ」

 「それはあくまで予想だろ? 俺が覚えてる限り百発百中じゃねえかよ」

 「偶然だよ」

 「それにしたって限度というものがなぁ……」

 「そこ、生徒同士で教え合うのもいいが今はテストに出る重要なところだ。私語は慎みなさい」


 少し髪の薄い、数学を担当している教師に注意されたその次の瞬間だった。


 中庭に太陽が生まれた。

 正確には太陽のような光源が生まれた、といったほうがいいか。

 それに対してクラス中がパニックになる。




















 その、ほんの少し前に、俺は期待していた。


 解決策のない現状を、打開できる可能性があるものとして。


 そして、俺のいたクラスがパニックになり、その数秒後にはそこにいた教師以外の全員が消えていた。




 

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