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銀座店

なし

カッカッカ


「ばあさんがサバをよんでも

 本人もわからんの」


とらやの新作じゃ

食べるか


何を突然と


とまどいつつも


緑色を

うけとる


箱の黒から

ようかんをイメージするが

なんと

マカロン



なんともおしゃれな


遠くに見える箱には

茶色、黄色、緑が

見える


「ゆずもおしゃれじゃぞ」


マカロンを

口に運ぶご老体を

みながら


この後の葬式が

どのような展開になるか

先が見えず


そんなことを考えて

食べれば

味も何もわからない


いつのまにやら

お側に

控える

家来からの

茶を湯呑で

鷹揚に

のみつつご老体



「お主が

 テレビで言っていることは

 正論じゃ

 しかし世の中

 正論では動かない。

 そして、そのような

 希望をもつおぬしのような

 やつを

 必ず

 足をひっぱるものが

 おるのじゃよ。

 それが世なのじゃ」


まるで

殿様の高説を聞く

家臣のよう


しばしの沈黙後


「若いノー、おぬしいくつじゃ」


「御大には負けますが

 今年やわい40になりまする」


なぜか武家言葉


「なに40とな。

 わしは坂本龍馬くらいじゃと

 思っとたぞ」


ニヤリと笑う意味がわからない。


笑ったと思えば

突然


「2週間、

 干されて

 おぬし、まだ未練あるや」


またもや直球。


すかさず

「この世界でしか

 生きられない。

 そう考えておりまする」


言ってさっぱり

しかしながら

先ほどからわいは武士か、もののふか。


「失礼します」


喪服のスーツを

華麗に着こなす

物腰柔らかな男


秘書課長とは大違いの男


ネームを見れば

銀座店店長。

そして見慣れたあのマーク。

 



なし

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