母の葬式
なし
時代劇にでてきそうな
欄干
そして
障子戸
「会長
お連れしました」
と開いてみれば
50畳か100畳はある部屋
開かれてみて
こちらが驚いた
はるか遠くに
お殿様のように
控えている御仁
遠くて見えない
老眼鏡か
人生40年
漫談ライブ化している
中野サンプラザホールの漫談が思い出される
正座しながら
すっていかなければ
いけないのか
100畳
その想像にうんざりするも
なんのことはない
秘書課長
先導してくれて
しかも
あるいて普通に歩く
さすがに
ジャンプはしていなかったけど
畳のへりは
ふんでいませんでした
もうけっこう
よぼよぼの
90歳くらいのおじいさん
「会長
おそくなりました。
例のお方をお連れしました」
言うなり
秘書課長
ドロンとこぶしを二つ上下に
もって
あなたいったい
忍者ですかいと
思ったのも
つかのも
いきなり
消える消える
某ステージショウのように
天井に引っ張ってもらったか
それとも
ひみつの畳でどろんしたか
まったくわからず
天井みたり
床の畳をさわったり
右往左往
会長その様子を見ながら
笑うこと
笑うこと
「あんたくらいじゃ
そんなに追及するご仁は
あやつはむかしから
まわりの人を
驚かすのが好きでのう
それで秘書課長に
してやったのじゃ」
言うなり
さっきの破顔はどこえやら
じっと私の顔をみて
「どうやら
血色はいいらしいのう」
「昨夜はしこたま
焼酎を飲んだようか」
驚いた
占い師かと思われる
「おぬしをよんだのは
ほかでもない
干されたあと、どうなったかと
思ってな
生きておったんじゃな」
そして
今までの厳しさと
打って変わって
またもや
いきなりの破顔
自分の言葉に
自分で受けている笑い
原稿料が入った後に
いちかばちかで臨む
駅前パチンコの
出の
少なさの
あるいは突然のフィーバーのよう
まったくもって
予想がつかない
「まあお主に
頼みたいのは母の葬式の
司会じゃ
たくさんくるがの」
そういわれながらも
この後の人出が予想がつかない
いったいどれくらいの
人がくるだろうか
著名人も含めて
なし