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何万打部。何万打部。

なし

まあ、来ること。

くること。


人がきれることない。


大手アミューズメントパークも

真っ青。


いったい。


どれだけの人なのだろうか。


巨人、阪神戦でも

こうはいくまい。


ばりばりばりと


空には

テレビ局のヘリが飛ぶ。


いらっとして

思わず叫ぶ


「俺をふった

 テレビ局のやつらああああ」


「よく聞けーーー」


「おれが司会だああああああ」


「文句あっかああああああ」



空に向かって一心に。




そういうあんたがうるさいよ


あんたも失言でしょ


ヘリの中から

中継で


つっこまれそう。



突然。


参道の玉砂利からの

飛行ロックオン。


一機がすばやく

垂直飛行。


なんじゃ。なんじゃ。


おいおい


喪服姿で行列の

できるお寺になってるとこ


飛び立つんかい


ドローンでの空撮。


葬式は盛大に

派手万歳。


遺言だったらしい。


昨今の葬式。

ろくでもない。

私所属のバイト先「小田物商会」がろくでもないからか



やれ、財産がどうたら。

葬式代は誰がだすのか。


お寺での通夜ぶるまいの

アルバイトをしていた時のこと


「あんちゃん、

 あんたも通夜助け。

 一杯やんなよ」


「故人のとむらいさあ」


「それじゃあ、ありがたく、

 なんまんだぶ。何万部うれたい。何万打部」


われわれのバイトには

そんな平和な通夜ぶるまい。

ありえない。


たいがいアルバイトに

たのむ通夜は

もめる、必死。予防線。



ようは喧嘩仲裁。


酔っぱらった

親戚たちの派手な立ち回り。


逆にこちらが

喧嘩を止めようとして

飲み過ぎた酒。

ビール瓶ですってんころりんに

なりそうに。


しゃれになんないっす。


瓶ですべって

横転、後頭部をしこたまうつ。


「労災降りるかな」


「バイトじゃ無理か」


もうろうとした意識の中思う。


おいおい誰の葬式よ。



ドローンが相変わらず飛んでいる。


大仏がはいろうかという

巨大な寺の中では


10人の坊さんが

三角形のフォーメーションで

お経を唱える。


「王手飛車取り」


どこぞやの

人間将棋ですかい。


思わずの布陣で、つぶやいてしまう。


いいよ

クライマックスがせまる。


「まあ、おいぼれ

 暴言やろうコメンテーターなんで」


しでかしちゃいます。


ドローンがスタンバる


読経が続く中、とつぜん流れ出す

大音量のサウンド。



街宣車を思わす

サラウンドスピーカー


リヤカーにのせられて

参内をすすんでくる。


群れをなして

廊下をすべってくる人々


時代劇をおもわす着物姿の

エキストラが

お寺の庫裏より多数でてきて並ぶ


さらに大音量。


ここでサンバかい。



ますます大音量



「あああ、やっちまった」



上野公園のパンダちゃんも真っ青。


こんなんで

ご老体は喜ぶのだろうか?




こぶしを二つ上下に


マイクで一声。


「こちらが本家。

 どろーーーーん」


「にーん」


意味がわからない


人生40年

ライブ化している

中野サンプラザホールの漫談から

出直しか


はたまた


干されるのかああああ。


弔問客の

歓喜がこだまする。


かえってきた、酔っぱらい。

4年ぶりの登場が、これですかい。

塩漬け小説を成仏させてやりたかったんです(泣)まあ、めちゃくちゃな小説。

苦笑してやっておくんなせえい。

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