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幼女、仕事を紹介する

「ミラさん達には挨拶しなくてもよいのですか?」

「いいんじゃない?」

「まぁいいと言うならいいのですけど……では出発前にギルドに立ち寄ってまた適当に依頼を受けていきましょう」

「また輸送系の依頼でも受けるの?」

「輸送系になりますと大体王都に行くことになりますので止めておきます。何か道中に出現する魔物の討伐の依頼があればそれを受けます」

「魔物を倒して稼ぐなんてまるで冒険者ね」

「いや冒険者でしょう」


 いいえ冒険家です。魔物討伐と言ったって倒すのはユキとかサヨだし依頼を受けるのに文句は無い

 どうせならまだ見てない魔物の依頼を受けよう



………



 という事でギルドまで来て依頼を物色中である

 何気にこの国のギルドには初めてきた。中には可も不可もなさそうな冒険者達で溢れていた


「お、例の幽霊の討伐依頼が出てますよ」

「やっぱりね」

「依頼料は800万と高いです」

「いや高すぎ。ドラゴン退治だってもっと安いわよ」

「どうも高ランクの冒険者すら返り討ちにあったようですね」


 そりゃ恐ろしい……やっぱり呪いとか使うのかね?会ってみたいと思ってたがそんな奴なら是非ともスルーしよう、幽霊はアリスで十分だ


「そこそこ強い魔物で知らない奴の依頼ってないの?」

「えーっと……うーん、これといったものは無いですね」

「お姉ちゃん」

「何かあった?」


 マオが指差したのは食材調達の依頼。一応依頼主はフォース王国に住んでる料理人で、依頼内容は……


「花蜂の蜂蜜を最低コップ5杯分と……」

「花蜂ですか、依頼料は20万ポッケとちょっと安いですがこの蜂の作る蜂蜜は大変美味です。ルリさんに飲ませて量産出来ればいいのですが」

「花蜂自体は魔物ではありませんが、生息地が森深くなのが厄介です。途中で遭遇する魔物の事を考えるとやはり依頼料が安いですね」

「美味しいならいいわ。これにしましょう」

「マオさんも良い依頼を見つけましたね」

「わたしだってたまには役に立つのです」


 マオの珍しい活躍で依頼は決定した。受付はユキに任せて戻るとしよう。念のため馬車に残らせたアリスが不貞腐れてるかもしれないし


 馬車に戻るとルリがアリスに泣かされていた。不貞腐れるどころか大精霊でストレス発散するとは恐ろしい奴だ


「主殿!何なのじゃあ奴はっ!ワシは即刻追い出すべきと思うのじゃ!!」

「遊んでもらえて良かったわね」

「違うっ!ワシで遊んでるんじゃ!!」


 そう反応が面白いからからかわれるんだと思う。アリスはもうルリ弄りは飽きたようだけど

 文句を言い続けるルリを適当に相手にしてたらユキが戻ってきたので無視して出発しよう。


 十数分経ってようやく落ち着いたルリに紅茶を淹れてもらい優雅にティータイムを満喫していると、アリスは今度はマオと言い争いをし始めた。あの娘は大人しくするという言葉を知らないらしい

 そして今度はこちらに向かってきて……私の優雅なティータイムは数分で終わりそうだな


「聞いてよお姉ちゃん!私がお姉ちゃんの事をお姉ちゃんって呼んだらマオちゃんが、使用権は我にあり!……とか言って文句言ってくるのっ!」

「使用権とか難しい言葉を使えるのね、偉い偉い」

「ふふん」

「何か勝ち誇ってるよこの娘!……決めた!マオちゃんへの嫌がらせとして私はお姉ちゃんって呼ぶっ!」

「な……!?お姉ちゃんの事をお姉ちゃんって呼んでいいのはわたしだけです!大体なんでアリスさんまでお姉ちゃんって呼ぶんですか!」

「お姉ちゃんは17歳なんでしょ?私がこうなる前は15歳だったからお姉ちゃんって呼んでもおかしくないじゃん」

「お前らお姉ちゃんお姉ちゃんうるせぇ」


 ここには姉スキーしか居ないのか?……いやマザコンも居るわ


「一緒が嫌なら新人のアリスがこの場は引けばいいんじゃない?マオはもう呼び慣れてて変えるの難しそうだし」

「あー、贔屓だ贔屓だ。でも仕方ないね、なら何て呼ぼうかなぁ……ちっこいお姉ちゃんだからシスターリトル」

「どうしてそうなった」

「教会にいそうな人ですね」

「だったら無難にちい姉って呼ぶよ」


 ちい姉って無難か?世の中に小さい姉が私以外にどれほど居るのやら。何にせよ静かになって良かった、優雅なティータイムを続けよう


「話が纏まったところで私からも一つ」

「それは今言わなきゃダメな話?」

「そうですね」

「なら言いなさい」

「実はギルドを出た辺りから私達の後をつけてる輩が数名……」

「ついに女だらけのパーティを付け狙う変質者でも出た?」


 今までまともに絡まれなかった事の方が奇跡だ。私達を狙った度胸のある変態にはもれなく制裁を与えてやろう


「馬車の後ろにスケスケの少女が乗ってます、って張り紙したからかな?」

「サヨ、御札ちょうだい」

「やだなぁ……冗談だよ冗談」


 アリスならやりかねない悪戯だ

 さて結局何者なんだろうか、馬車が停車してるからユキが気付いて調べにいってる筈。ならもう少し待てば分かるだろう


「もしや男っ気の無い私達の誰かに告白イベントくるか?」

「普通にパーティ勧誘とかじゃないですか?」

「賊」

「メルフィさん……ここは王都の中ですけど」


 色々推測が出てくるが答えや如何に……




「お母さん」

「答え合わせの時間がきたわ。さぁ正解は何?」

「何のことか分かりませんが、パーティに加入したいという方々が……」

「正解はパーティ加入でしたっ!残念っ!正解者がいないからお引取り願いなさい」

「そう仰ると思ってお引取り願ってますが、中々粘る方達でして」


 方達って事は何人も居るんだ。そんな大人数いらんぞ……しかし勧誘ではなくウチに入りたいとはフィーリア一家も偉くなったもんだなぁ


「野郎は追い返しそうなのにどうしたの?」

「実は以前にも多数の方に是非とも入らせて欲しい、と言われてまして……その時はウチには男は断固無理です。と、言ってその場を凌ぎましたが今回は女性の方たちでして」

「私の知らない所でそんな出来事あったのね」

「魔物討伐の報酬を受け取った時です。早くお母さんの元へ駆けつける為に張り切りすぎて目立ってしまった様です」


 幻獣の時の話か。ユキの実力に惚れ込んだ奴らがこうして来てるって訳だ。仲間になったところでユキの隠された変態性を見せ付けられて幻滅しそうだけど


「思い出は綺麗なままの方がいいでしょ?だから断りなさい」

「何となく悪口言われてる気がします。ですから先程から断ってるのですがしつこい方達で……せめて試験とか受けさせて決めてなどと言って馬車の前から動きません」

「自分達から頼んどいて試験をしろとは図々しい。分かった、私に任せなさい」

「ちい姉ってば何か諦めさせる手があるの?」

「馬車の前に居るのならぺけぴーに踏んづけさせればいいのよ」

「いやいやいや、町中ではマズイです」


 外なら良いという事である


「……なら試験とやらをしてやりましょう」

「良いのですか?時間かかりますよ」

「いいわ、一日くらい出発が遅れても問題ない。でも私達を足止めしたんだから面白くなかったら許さん」

「ではそうお伝えします……最初は面接でもしてみますかね」

「審査員としてボロクソに言ってやりましょう」


 私は審査員なんてやらないからサヨ達に任せよう。とすると私は何をやろうか……



☆☆☆☆☆☆



「……ありがとうございました。結果は後でお伝えします、次の方を呼んで下さい」


 リビングからユキの声が聞こえる。4人組のパーティだったようで今ので3人目だ、次が最後の一人でそのパーティのリーダーとのこと


「では面接を始めます。お名前を……えーっと……そちらの方は?」

「飛び入り参加です」

「…………分かりました。では貴女からお願いします」


 飛び入り参加とはもちろん私のこと。隣に居るのは強面の女冒険者……正直賊と言われれば納得してしまいそうだ。この国の者とは思えんな


「私はアザリーと言います」

「アザリーさんですね、では貴女様、あぁいえ貴女は?」

「ふぃりあです。12才です」

「おね、げふんげふん……ふぃりあさん、嘘を言ってましたら即失格となってます」

「17才です」

「はい結構です」

「え?……いいんですか!?ここは6才ぐらいに下がると思ってたのに上がっちゃった!?」


 騒ぐ強面を無視して質問は続く


「ではウチに入ろうと思った理由をアザリーさんからお願いします」

「俗っぽい理由ですが、魔物達を相手に華麗に戦うユキ様達に惹かれたからです。是非とも共に戦って欲しいです」

「憧れですか、ありがちですね」

「不合格です」

「マオ、判定はまだ早い……」


 メルフィはマオの事は呼び捨てだ。妹の位置づけになってるようだ。ちゃん付けは似合わないから呼び捨てにしてるらしいな


「ではふぃりあさん、理由をどうぞ」

「楽して稼ぎたいからです」

「潔くて素晴らしい」

「合格です」


 サヨの評価はあからさますぎるし、マオに至っては合否判定しか言わない。何の面接だよ


「では次の質問です。ウチに入ったら何をしてくれますか?または何をもたらしてくれますか?」

「私達はこのパーティでは実力は低いと思います、というか絶対下です。けど……きっと強くなってどんな魔物でも倒せるようになってみせます!」

「別に戦力には困ってませんがねぇ」

「不合格です」

「マオさんはそろそろ合格、不合格以外に喋った方がいいと思います」


「えー、ではふぃりあさんどうぞ」

「私が加入したらリーダーになって皆に我侭言ったり無茶振りしたり意地悪したりと振り回す日々を送りたいと思います」

「これは楽しそうで何とも……手加減はして欲しいですね」

「採用です」

「そういう意味ではないです」


 ボケ担当のサヨに突っ込ませるとは……マオも成長したなぁ……変な方向に

 一つ言える事はマオは面接官には向いてないって事だ


「では最後に実力ですが……まぁとりあえず私と戦ってもらいましょう」

「室内、えと馬車の中でですか?」

「これだけ広ければ十分でしょう」

「いや確かに信じられない内装ですが……わかりました」


 前の3人も同じく戦わされたのだろう。それで室内が何も荒れてないって事はあっさりやられた様子


 そしてアザリーとやらもあっさりやられた。先手を譲られたがあっさりかわされ腹に一発もらって終了である。厳つい顔の割りにこんなもんか


「筋はそこそこ、まぁこの国の冒険者にしては優秀でしょう」

「さ、流石です……完敗ですよ……」

「他の方同様あっけないですね」

「では……どうしましょう?」


 どうしましょう、とは私に向けた言葉。ほほぅ……この私を倒そうというのか


「やります。私の本気を見せてあげます」

「……わかりました」

「嫌々ですこと……じゃあそちらからどうぞ」


 よりいっそう嫌そうな顔をして仕掛けてくるユキ。歩きながら向かってくるというものっそい手加減さであるが、アザリーは余裕の表れだと思ってるっぽいな


「その余裕、すぐに無くしてあげる……にゃんと猫撫で流奥義、ぷにねこぱんちっ!」

「こ、これは卑怯ぶふぅ……」


 何てことはない。ただ「うにゃん」と叫びながら猫パンチしただけである

 身長差があるため膝辺りにぽこんと当たっただけだがそれだけでユキは昇天した。流石変態である


「何と……あのユキ様を出血させるなんて!」

「鼻血ですけどね」

「サヨ姉も出てる」

「おっと……無関係の私にまでダメージを与えるとは恐ろしい……!」

「にゃんこです」


 この手ごたえ、私の合格は間違いない……!


 当たり前じゃん……


「ではお姉様、判定をお願いします」

「不合格。ここまで真面目な奴はウチには不要、その真面目っぷりは騎士団にでも入って発揮するべきね」

「という事で今回は残念でした」

「あの……なぜその子が判断するんですか?」

「そりゃこの方が私達のリーダーですから」


 ぽかんとした表情で私を見るアザリー……今までの私贔屓の判定でなぜ気付かない


「そうだったのですか……しかしあのユキ様を軽く倒すあの手並み、納得です」

「貴女も大概目が腐ってるわね」


 にゃんと猫撫で流なんてギャグじゃなきゃ有り得ないだろうに


「何で騎士にならずに冒険者なんてやってんの?」

「いえ、入隊試験は受けましたが皆一様にダメでした」

「貴女達ならこの国の騎士にはなれそうなもんだけど」

「あの……私達は見ての通りこの国の民とは風貌が、何というか悪いです。私達の祖父母、両親、または片親はサード帝国から逃げ出してこの国に来たのです。ですから血筋的に受け入れられないのだと思います」

「サード帝国ってだけでダメなんだ」

「私達に関わる事でサード帝国に目を付けられるんじゃないかと恐れてる様にも思えますね」


 勿体無い。軍人ばっかなサード帝国の血が流れてるからこそ戦いに関してはこの国の者達より優れているってのに……出身なんぞ気にして有能な人材を野に放つとかアホかと

 だが一人、つい最近友達になったあの娘なら簡単に採用してしまいそうだ


「……貴女達、城に仕えてみようとか思わない?」

「はい……?」



★★★★★★★★★★



 という事で転移でやってきました。転移してきたのはあの花畑、場所が分かってれば奇跡ぱわーなんぞ使わなくても転移符で行けるからだ。それにミラは大体ここに行けば会えそうだし


「現に居るし」

「転移魔法……流石ユキ様達のリーダー」

「初めてみました……」

「おもっきりアイテム使ってたのに……やっぱり貴女達の目はおかしいわ」


 アザリー以外の3人も勿論連れてきている。名前は知らないからオム、ライ、スーと呼ぼう。呼ぶことは無いと思うけど

 どうやらミラも私達に気付いたようで歩いて近付いてきた。今日はアリエとハンナも側にいるので都合がよい


「ドンちゃんどうしたの?怖い顔した人達連れてきて……取立てにでも来たの?」

「その通りよ、まだミラから5000ポッケを貰ってないからね。受け取りにきたわ」

「えー……有耶無耶になったと思ってもう2000ポッケ使っちゃったよ?」

「あぁん?払えねえってんならその未成熟な身体で払ってもらおうかぁ?」

「きゃー、お助け……み、未成熟って言わないでっ!?」


 気にしてるらしい。まだ13なんだからそりゃ未成熟だろうに……

 ノリのいいミラに対して取り出したるはおっぱいアイス、ミラと言えば授乳プレイという常識をこの国に植えつけてやるのだ


「ふははは!早速そのおっぱいを頂いてやるわ!」

「アリエ助けてぇ!」

「そのメイドはすでに買収しておる、うむ……バナナの味がしてまぁまぁね」




「で、結局何しに来たの?まさか授乳プレイしにわざわざ来たの?」

「違うわ。パッとしないこの国の為に使える人材を連れてきてやったのよ」

「ふーん……それが後ろの取り立て屋さん達?」

「取り立て屋じゃなくて冒険者よ」


 まぁ普段の表情がやたら睨みつけてる様に見えるから誤解されてもしょうがないと思うが


「あの……そちらの方はもしや……」

「この国のお姫様だけど?」

「こ、これは失礼しました」


 何やら慌てて跪く4人……そんな事しなくても良さそうな姫と思うけど。だがミラは跪いた4人を見て何やら感動したようで


「わ、私がお姫様扱いされているっ!」

「不憫ね……」

「あ、そんな事しなくていいから顔を上げて?」

「は、はい。……あの、流石に姫様の膝に座るなど失礼では?」

「私に言ってんの?私はいいのよ、友達だし」

「まぁドンちゃんは軽いから気にしないけど……でもその卑猥アイスは嫌かな」

「何を馬鹿な……今日はミラの控えめな胸に合わせてAカップにしてあげたのに」


 と言ったらプリプリ怒り出した。貧乳は怒りっぽい奴が多いという噂があるが、本当かもしれん

 ちなみにここまでアリエ達は我関せずを貫いている


「で?雇うの?」

「どうしよっか?」

「……ドンペリンリン様の推挙なら信用出来そうですけど」

「真面目なのは保証するわ。実力は貴女達よりは下とは思うけど……」

「実力なんて訓練で伸ばせば良いのです」


 なかなか好感触、というかやはりミラ達に言うのが手っ取り早かった。この娘達はちゃんと見た目以外で判断してくれるから


「しかし何故?騎士団の試験を受ければよいと思いますが」

「サード帝国に縁があるから入れてくれなかったって」

「……それがこの国がダメな理由の一つでもありますね」

「私としてはいっそ騎士団じゃなくてミラ専属の兵にすればいいと思うわ」

「姫様の私兵ですか……」

「ミラの周りを強化してみましょう。侍女のアリエ達に護衛のアザリー達、危険になれば幻獣と分体だけど水の大精霊も守ってくれるでしょ?」

「何だか私の安全が凄い事に……ほとんどドンちゃんの知り合いだけど」


 何があってもまず大丈夫だろう。友達の安全の為にここまで働くなんて私も人の良い奴だなぁ……決してこいつらの扱いが面倒なのでミラ達に投げた訳ではない


「わかりました。私兵として雇う方向で上に掛け合ってみましょう」

「ほ、本当ですか?!」

「一応試験は受けてもらいますが……まぁ大丈夫でしょう」

「「「「あ、ありがとうございますっ!」」」」

「上は認めてくれるの?」

「採用しないと幻獣を暴力で従わせる者たちを敵に回しかねない、と言えば大丈夫です」

「またかよ」


 今回はまぁいいけど、何回も私達を利用しないでもらいたい。知らぬ内にトゥース王国で危険人物になってそうだし




「じゃあ後は貴女達に任せて私は行くわ」

「急に来て急に帰るんだね……遊んでいけばいいのに」

「悪いわね、早く戻らないと騒ぎそうな娘がいるのよ」


 幽霊だけどな


「……ねぇミラ、やっぱりあなた女王にでもなれば?」

「私が?ないない!兄達もいるし……」

「この国を今より良く出来るとしたら貴女達だけと思うわ。まぁまた聞き流しても結構だけど」

「姫様が女王……」

「アリエ達が補助すればトゥーモロコス王国は発展しそうじゃない」

「モロコは余計だよ」


 穀物王国トゥーモロコス王国っ!……いいと思うけどなぁ

 まぁミラが女王になるかならないかは本人次第、今のところその気は無さそうだけどだからと言って文句はない。別にミラが姫のままで楽しくやれるならそれでいいし……


「ま、女王ってのは一つの道よ。貴女が好きな様に決めればいいわ」

「うーん……今はこのままでいいかな?女王って大変そうだし……でも、この国の為になるなら考えておくね」

「そ……なら私は行くわ。また会いましょう、その4人を宜しくね」

「うん、バイバーイ!」


 手を振り見送るミラ達に私も手を振り返して転移する


 私としたことが……何一丁前に会ったばかりの他人の世話したり友達に道を示したりしてんだろうか?

 勝手にやってくれ、てのが私のスタンスだったのに。やっぱり甘くなっているようだ……明日から外道寄りに戻ってみようかと考えつつ馬車の中に入っていった

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