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幼女、父の元へ向かう

「とりあえず五丁目周辺をうろちょろしていた魔物共は掃討しておきました」

「ご苦労様」

「しかし神獣が複数体で国を襲うとは、何者かの仕業でしょうか」

「そうでしょうね。ほぼ間違いなく天使の仕業だと思うけど」


 魔物に関しては天使だろうと予想は出来るが、私達の偽者については別件だろう。

 まあ犯人はコリャマイッタワーのダンジョンマスターならぬタワーマスターなのだろうが、何で偽者が五丁目に来たのか。


 偽者の戦力を見るのに都合のいい魔物共が見つかったからけしたけてきたって訳じゃなさそうだ。

 別に魔物が襲っているのは五丁目だけじゃないし。

 まああの偽者も私なのだからアリスのピンチを察知して飛んできたって可能性も有り得る。というか高い。


 良く考えたら私と同じ思考してるなら敵の思惑通りに動くとは思えんな。


「つまり天使共がけしかけた魔物をタワーマスターが放ったお母さんの偽者が邪魔して倒し、その偽者をお母さんが殺害したと」

「これが三つ巴の争い……」

「違うんじゃない?」


 私の偽者を寄越した真意は分からんが、天使の行動についてはある程度考察できる。


「大陸南部の国々を襲う理由としては、総統とやらが上陸する場所が大陸南部なんでしょうよ。奴等が来る前に上陸するにあたって邪魔な国を消す」

「それが目的でしたか」

「一番の目的はサード帝国でしょう。大精霊の宴で標的にされてたし」


 戦争を起こさせてこの大陸の奴等にサード帝国を潰して貰う手段は潰えた。サード帝国とやりあえば他の国もボロボロになって一石二鳥とか思ってたんだろ。


 その案が無理になったのでじゃあ魔物にやってもらおうって事か。

 まあ人間にしろ魔物にしろライチを倒すのは無理だろう。大方弱った所で止めを刺しに現れる考えだ。


 ただまぁ……その弱らせるのにどんだけ戦力がいるんだって話だ。


「何か俺等の知らない所で謎の敵の思惑が判明されてるな」

「何もしなくていいってのは素晴らしい事だ」

「そんな何もしないクズ達に朗報ですよ。他のギルドから救援要請が来てますのでちゃっちゃと肉壁になってきて下さい。四丁目は高ランクの冒険者が多数居ますので六丁目に行って下さい」

「五丁目の平和だけを守る!」

「はよ行け」


 五丁目周辺はすでに安全だと言われていたためまともな反論も出来ずにクズ共は追い出された。

 四丁目と言えばジェイコブ達が居た町か。あそこランク高い冒険者がそんなに居たのか。


「そう言えばアマテラスさんは何故にここに?」

「偶然です。たまたま散歩してましたら獣の群れが進行しており、何となく着いていって辿り着いたのがこの辺りだった、という訳です。それでまあ召喚主の姿を偽る何者かが現れたのでこう……殺ってしまおうと」

「割りと殺伐としてますね、神」

「よく偽者だと分かったわね」

「簡単な事です。あれからは存在としての格も感じられず、この世界の加護すら無い。更には召喚主との繋がりすら無かったのです。偽者と判断して当然でしょう」


 うむ。偽者と判断したら何故に殺してしまおうという発想になったのか。

 何か、私を語る偽者が許せなかったとか?

 そうだとしたら昨日の今日でデレすぎである。


「そういや昨日は人の子呼ばわりだったのに今日は召喚主なのね。私を主と認めたのか」

「まあ……私の神器を軽々と持ち上げて討伐されたのです。主と定めても問題ないでしょう」

「神器と申したか。丁度良く槍が落ちてたから拾って使ったのがまさか神器だったとは」

「普通は持てないのですね」

「持ってみれば分かりますが、そもそもまず持ち上がりません」


 そう言われたらついつい試そうとする馬鹿が出てきそう。

 というかすでにマリアという馬鹿がなら試してあげると名乗り出ていた。


 アマテラスは持ってた槍を地に突き立てるとどうぞとマリアに許可を出す。

 神器と言う割にすんなり他人に触らせるのな。


「ふんぬーーーっ!!…………ぐふぅ、どうやらあたしじゃ無理みたいね」

「馬鹿力のマリアさんが無理なら私達でも無理でしょうね」

「みみみさんなら大丈夫なのでは?」

「私はまぁ、これこの通り」


 みみみは神器を掴むとあっさり地面から引き抜いた。

 まあ元災厄なんだから持てても不思議ではないな。


「ま、この槍を持つのに腕力など関係ありません。要はこの神器が使用する許可を出すか出さないか次第ですので」

「まるで意思を持ってる風に言うわね。コイツもインテリクソヤローなのか」

「喋りはしませんが、所有者を選ぶ程度の知能は持っております」


 そんな知能有りな神器をなぜ私が持てたのか。というのは格とやらが関係してるんだろうな。

 今更だが格ってどうすりゃ分かるのだ。

 みみみや神連中は把握できるみたいだが……


「ところでお姉様、この辺りの魔物は掃討しましたが、他の町はどうなさるのです?」

「神獣相手だと被害は大きいだろうけど討伐自体は出来るだろうし放っておきましょう」

「リーダーならそう言うと思ってたわ」


 当然だろ。何でわざわざ他所の町まで救ってやらにゃならんのだ。

 いっそ王都も壊滅してワンス王国滅んだら?

 そしたら五丁目を王都にして不思議の国、ワンダーランドを建国するのに。


「しかし貴き方、今回に関しては一応メリットがありますが」

「何?」

「先程貴き方の偽者が討伐したこの神獣、どうやら召喚に必要な魂二つ分はあるみたいです」

「ほう」

「各地を襲っている神獣を狩れば結構貯まりそうですね」


 神獣一体で魂二つ分か……基準が全く分からんな。

 ユキ達が狩ってた下っ端の魔物共では貯まらなかったのか?


「ふむ、どうやら雑魚では召喚に必要な魂は得られないみたいです。まあ神を召喚する代物ですからね、対価もお高いという事でしょう」

「その魂だけど、どこに保存してんのよ」

「そこら辺は私達でも分からないのでメルフィさんにお任せしてます」

「バッチリ捕まえてる」


 捕まえてるのか……それ生きてるんじゃね?

 何処に保存してるのか不明だが、流石は元悪魔。というか悪魔が仲間にいなけりゃ魂集める事すら無理じゃないか。

 まあウチには二人居るけど。世界はその辺も考えて魂を対価にしたのかもしれない。


 ふむぅ、確かに探すまでもなく向こうから召喚用の生贄がやってきてくれるなら狩るのもいい。

 だが面倒な事に変わりは無い。

 ぶっちゃけアリスと少し戯れた後はヒノモトに行きたい気もする。


「というかペドちゃん、ダナンくらいは助けてあげたら?」

「誰だダナンって」

「あなたの父親よ」

「うーむ、確かにそんな名前だったわ」

「酷い娘だなっ」


 もう父さんは父さんって呼び方でいいじゃないか。

 冴えなさ過ぎて名前覚えるのも難しい。

 そういや母の本名を知ったのも考えてみればつい最近だったな。


「仕方ない。父さんぐらいは魂集めのついでに助けてやるとしましょう」

「そういや結局今の状態で魂どんだけ集まってんの?」

「7です。つまり一回はすでに召喚可能ですね。どうやら貴き方の偽者だけで魂5体分はあったみたいです」


 物理強化されてただけの幼女のくせにお高いな。だが神獣を一撃で葬るような幼女だったから納得と言えば納得である。

 しかし本当に雑魚魔物じゃ魂貰えないのか。召喚の為に魂集めるのも面倒な話である。


「早速召喚しましょうリーダー!神の次は何が出てくるのか気になってたのよ!」

「別に召喚される者のランクが上がる訳ではないでしょうに」

「ダナン様を助けに行く話はどちらへ」


 まあ召喚してからでもよかろう。

 同じく召喚されたアマテラスも何か興味津々に見てくるし。


 流石に続けて神が出てくるなんて事はないだろうが、珍しい奴が出てきたらいいな。


「じゃあ召喚しましょう」

「何か知らない間にウチの娘に変な特技が増えていってるわ」

「あぃ」

「ふ、見てなさいアリス。この私の新たな力を……いでよ災厄!!」

「それ呼んじゃダメな部類よ!」


 どっから魂消費されてるのか不明だが、とりあえず神共が現れた時の様に謎のゲートが現れた。

 しかし、今回のは割と小さいゲートだった。たぶん縦の長さが40cmくらい。


 この大きさなら小動物あたりが出てくるのだろう。

 愛くるしい動物とか一向に構わん。


「お、出てきた」

「おやまぁ綺麗な鳥ですね」

「可愛いですー」

「確かに綺麗だけど、何か普通だわ」


 普通でいいじゃないか。

 体長およそ20cm程度の鳥だが、何より素敵なのはその色だろう。

 何色だろうか、瑠璃色ってヤツかね。まあ青色が綺麗になった色だな。


「なんて種類?」

「何でしょうね?」

「召喚主ならばお分かりになるでしょう」

「分からん」

「いえ召喚主なのですから召喚した者に対しては知ろうと思えば頭の中に情報が入ってくる筈ですけど」


 召喚ってそんな機能が備わっているのか。

 しかしこれは世界のヤツが寄越したなんちゃって召喚だから出来ない可能性もあると思う。

 とりあえずアマテラスの奴で試してみるとしよう。


 アマテラスの顔を見つめ、コイツの情報を寄越せ下さいと念じてみる。


「おお、本当に頭の中に情報が入ってくるな。気色悪い」

「まあ知りもしない情報を知ってるかの様に認識すると考えると気味悪いかもしれません」

「ふむふむ、太陽神・茂みハゲテラス。分かるのはほぼ名前だけか」

「神の名を勝手に変えない様に」


 使い方が分かった所でこの鳥にも使ってみるとしよう。

 召喚されたからか、妙に懐いているので現在は手の平に乗っけている状態だ。


「こんだけ綺麗だと鳴き声もさぞかし綺麗なんでしょうね」

「ピヨピヨ」

「思いのほかヒヨコ」


 鳴くと価値が下がる系の鳥とは恐れ入った。

 ヒヨコでは無いだろうが、一体コイツの正体は何なんだろうか。


 お前の種族は何じゃらホイ、と考えると鳥の種族名が頭の中に入ってきた。


『星獣』


「星獣だって」

「聖獣ですか。新種の聖獣ですかね」

「……いえ、貴き方は星の獣と書いて星獣と呼んだのだと思います」

「星の獣で星獣。何ですかそれ」

「言葉通りです。この鳥はその名の通り星の生まれ変わりです。元が星なのでその力はまあ……お察しです」


 ほほう、星の生まれ変わりとはまたロマンチックな奴よの。

 みみみの言い方ではさぞかし強い鳥なんだろう。鳴き声はヒヨコだが。


「星が生物に生まれ変わるとか初めて知りました」

「転生は生きとし生けるものならば可能な事象ですよサヨ様。星とて生きています、転生しても何ら不思議ではありません」

「神である私の次は星の化身ですか。もう召喚主は召喚をしない方がよいのでは?」

「一度のお願いで帰るじゃん」


 いや待てよ。

 いっそこのままずっと私の召喚獣として仕えろとか命令したらどうなるのだ?

 相手が納得したら私が死ぬまで扱き使える気がするのだが。


「よし星獣よ、一度の命令で帰るとか勿体無いから私、いやアルカディアが滅ぶまで仕えなさい」

「驚くほど強欲」

「神に続いて星獣まで縛り付ける気ですか。嘆かわしい」


 茂みはまだ縛り付けてねーだろ。ただの保留だ保留。

 そもそも選択肢を与えてやってんだから文句ないだろ。肯定した時だけ仕えればいいんだ。


「ピヨピヨ」

「そう、快諾してくれてありがとう」

「それ良い様に解釈してるだけじゃん?」

「やかましい」


 実際どっちなんだ?

 さっぱり分からん。仕方ないので適当に命令して帰ったら拒否、そのまま残ったら仕えると判断するしかないか。


「何はともあれ、強力な仲間が増えた事に違いはありません。さっさとダナン様を助けるついでに魂狩りに行きましょう」

「言葉だけだとあたしら悪者よね」


 父が出稼ぎに行ってるのは確か八番地だったか。

 どうせだ、転移以外の方法で向かうとしよう。



★★★★★★★★★★



 大変な事になった。気がする。

 まさか漁から帰って早々に村が襲われるとは思わなかった。


「大人しくしろよテメェら!ちっとでも妙なマネしやがったらぶった斬るからな!」


 しかも魔物じゃなくて人間に。

 更に問題なのは……その賊が知らない奴じゃなくて隣の村の奴等な事だ。


「おいおい九番地の野郎共、賊紛いの狼藉たぁどういうつもりだ!」

「黙れ。大人しくしろと言っただろうが!」

「まあ落ち着け。大方お前さんらも食料問題で馬鹿な行動しちまった類だろうが、仮に誰かを殺ろうもんならもう後戻りは出来ねぇぞ?」

「元より後退はない!」


 セリフだけ聞くと無駄に格好いい。

 だが本当にどうしてこんな国内で賊紛いの行動をしてしまったのだろう。


「一体どうしちまったってんだ……」

「ふん、俺等はな、搾取される側にはもう嫌気が差したのだ。税だなんだと食料はお偉い連中に奪われ、僅かな食料で飢えを凌ぐ惨めな生活。うんざりだ!」

「そうだ!これからは奪う側だ!」

「へ、手始めにこの村から蹂躙してやるよ!」


 うーん、血気盛ん。

 過度な空腹になると人とはここまで大胆な行動に出るのか。

 飢えとは恐ろしい。


 やはり嵐の影響が一番低い漁村が一番だ。食い物にだけは困らない。

 魚ばっかで飽きるけど。


「この大馬鹿野郎共め!このアイザックが目を覚ましてやるっ!」

「おお、アイザック!村一番の猛者が早くも登場か!」

「ガツンとやったれ!」


 何で皆して変な盛り上がり方してるんだろう。

 相手は一応武器持ってるよね?

 下手すりゃ本当に殺されると思うんだけど。


「がっはーーー!?」

「なにっ!?アイザックが一撃でやられた!?」

「馬鹿な!」

「やはり村一番という肩書きがダメだったのか!?」


 九番地の賊に突っ込んだかと思えば相手方の村長が持っていた棍棒で吹っ飛ばされたみたいだ。

 しかし吹っ飛んだにしては結構飛んだ気がする。


「ぐははははっ!俺等の強さを思い知ったか!」

「教えてやろう……俺等は高ランクの魔物を相手に今日まで戦い抜いてきたのだ!」

「勿論ただの村人のままではダメだっただろう」

「嵐で作物がほぼ全滅したのを見て、間違いなく飢えに苦しむ事を見越した俺等は嵐が過ぎ去ってから1日極限まで鍛えては次の日は筋肉を休ませる、そういう生活を繰り返してここまでのパワーを身に付けたのだ」

「更に、筋肉を休ませる日は魔物を捕獲する為の罠を作成する働きぶりだ。どうだ、参ったか!」

「そしてついに!……俺等だけの力で魔物を倒せるようになった」

「だが、その代償に備蓄の食糧は費えた」


 まあ筋肉つけるなら適度な食事は必須だから仕方ない。

 しかしただの村人のくせにやたら行動的だな彼等。


「割とガチな生活してやがる……!」

「なぜベストを尽くした!」

「俺等がそうしたのではない……時代がそうさせたのだ。この乱世がな!」

「とりあえずカッコよさげな事言えばいいと思うなよ!」

「勝手に世を乱すな!」

「てか強くなったのなら魔物狩って食ってろよ!」


 ご尤もだ。

 何の為に強くなったのだと。


「何も分かってねぇ……この辺りの強い魔物ってのはなぁ、まず肉が固くて食えん」

「身に毒を持ってる奴もいる」

「単純にマズすぎて吐く」

「ならまともに食える奴狙えよ」

「居たらこんな漁村を襲ってねぇよ!」


 あー、確かに山の魔物と違って食えそうにない魔物が多いかな。

 カエルの魔物とか食えそうだけど明らかに毒持ってるって色してるし。

 しかし肉が固い魔物って何だ?煮込んでもダメなのか?


「お、そこに居るのはターニャじゃねぇか。へへ、相変わらず良い女だ。丁度良い、お前人質になれ」

「なに、貴様等!……何だかんだ言いながらエロ目的で賊になったな!」

「馬鹿にすんなよ。確かに抱いてやりたい所だが、そんな事すりゃ余計に腹が減る。無駄なエネルギーは使わねーよ。へへ、そんくらい考えてるさ……何せ俺等は、あれだ……イ、イン……?あ、頭がいいっていうアレだ」

「インポテンツか」

「そう、インポテンツよ」

「インポテンツだから女は抱かないのか」

「そうだっつってんだろ!」


 僕の隣に居た船長が耐え切れずにバッフーッ!と吹き出した。気持ちは分かる。

 インテリすら分からないとは九番地の村長はどれだけ無学なのだ。

 そんな無知な奴が村長で大丈夫なのか?

 まだ若いとはいえ40手前なんだろう?


 ……ああ、大丈夫じゃないからここで賊紛いの事をやってるのか。


 あ、九番地の若者が気まずそうに村長に耳打ちしてる。

 きっとインポテンツの本当の意味を教えてあげてるのだろう。


 だとすると、まずい。あの村長がブチ切れたら今度こそ死人が出てもおかしくない。

 ついでに僕は襲われたくない。


「て、てめぇらぁ……ぶっ殺してやる!」

「待った村長!」

「邪魔すんじゃねーよ!」

「いや、上だ、上!!」


 上らしい。


 ふと、何かに太陽の光が遮られたのか影が差したので僕も上を見てみる。


 なんか大きな鳥が降りてきてた。


「おいダナン。ありゃ魔物か?」

「少なくとも動物であんな大きな鳥は知りません」

「ゆっくり降りてくるな。よく見ると神々しい」

「逃げます?」

「ま、無理だろうな」


 何となく敵意は見られないのでいきなり捕食される事はない、はず。

 誰もが静かに見守っていると、その鳥はゆっくりと大地に降り立った。


 ホント何なんだろう、この鳥。

 と、思ってるととても良く知ってる顔が鳥の背中からひょっこり姿を現した。


「ご苦労。いい乗り心地だったわ」

「む、何か魔物ではなく賊に襲われてるようですが」

「このご時勢よ、賊に成り下がる奴等が出てもおかしくはないわ」

「どうします?」

「やる事は変わらない。殺して良い方を虐殺して魂を頂く、一人たりとも逃がさん」


 やべーのが来た。


 いや自分の娘なんだけどセリフが悪魔チックだ。

 いやホントまずい。九番地の連中が何だかんだ生きて終われそうだったのが一気に死亡一直線な展開になってきた。


 仕方ない、ここは僕が……と言いたい所だけど、ペドちゃんが僕の言葉に聞く耳持つとは思えない。

 ああ、何とか血みどろの結末にならないように。

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