幼女の奴隷の扱い方
頂いてきた奴隷を馬車に連れてきた。
連れて歩こうものなら一際目立つ集団と化すので当然転移である。
でもこの後ダンジョンにぞろぞろと向かうなら結局目立つんじゃないか?
しかし良く考えたら別に目立っても問題ない。ただの冒険者と奴隷達だし……という事で次からは歩いて町を散策するとしよう。フィフス王国にはまだ見ぬ食材があるかもしれないし。
新たに奴隷を手に入れたは良い。
まず一番に決めなければならない事と言えば……やっぱ名前だ。
「あんたはタツコね」
「タツコとは某の事でありますか?」
「何菓子だって?」
「某であります」
まぁ何菓子でもいいがお前はタツコな。
しかし中々に変な喋り方をする奴である。
「某には母から貰った大事な名前がありますが」
「大事な名前ならホイホイ人に教えちゃダメだと思わない?」
「なるほど、そういう考えもあるのですね。某のご主人は頭の良い方であります」
タツコは頭悪そうだ。
だが滅法気に入ったかもしれない。馬鹿な子ほど何とやら。
「兎ちゃんはキャロットね」
「はぁい」
「凄いっ、あのお姉ちゃんが一発で普通の名前を言ったですっ!」
「あのとか言うな」
いや、前向きに考えると褒められたという事でこの場は見逃してやろう。
そう何度もアホの娘に構う私ではないのだ。
だが今日の夜は念入りに尻を揉む。
で、次は扱い辛い吸血鬼な訳だが……
幸薄そうな名前を付けてもいいが、うーむ。
「貴女はヒメでいいや。姫さん、姫ちゃん、姫様なんでもござれよ」
「ウチの場合はユキ殿が姫という事になるのじゃが」
「それはそれ。ヒメに恥じない容姿してるしいいのよ。どうせ呼び名だし」
「姫様……それは素晴らしいであります。某は姫様をお護りする事に憧れていたでありますっ」
「あっそ。ならタツコはヒメの護衛でもしなさい」
「そ、そんな大役を拾われたばかりの某が……感無量であります」
いや、同じ奴隷なんだけど。もうタツコの中ではヒメはマジもんの姫として扱っていると思われる。
感激してヒメの足元に跪くタツコだが肝心のヒメは全く眼中に無い様だ。
商館以来喋らなくなったし何を考えているのか私にも分からん。
「そして問題の天狐達なんだけど……えーと、貴女から順番に天狐A、最後の貴女が天狐Gで」
「適当すぎるじゃろ」
「何を馬鹿な。すでにミニマム達には似たような名前が採用されているじゃない」
いや、待て。
こやつ等は髪の色と格好が同じだから見分けがつかないのだ。
髪の色は変えるのが面倒そうだし、ここは服で見分けをつければいいのでは?
「よし、まずは服屋に行ってあんたらの着替えを用意しましょう」
「奴隷に着替えをくれるんですかぁ?」
「そうよ兎ちゃん。ウチで働く限り不潔は許さん、同じ服を毎日着るとか重罰だわ」
兎ちゃんことキャロットはのほほんとしている。奴隷としてどうかと思うが、兎だから仕方ない。
イラっとする喋り方だが兎だから許す。アリスに感謝しろ。
ふと、キャロットや天狐達を見て思いついた事がある。
「天狐の誰でもいいからこのソファに寝てみて」
「こんな人前で夜伽ですか?」
ユキは今日も平常運転だから無視だ。
ユキの不用意な発言のせいか天狐達は不安そうにおろおろしている。
「あの、では私めが」
「よろしい。あ、うつぶせで寝なさい」
恐る恐るだが言われた通りにうつぶせに寝てくれた。
別にエロい事をする訳ではないのだが、やろうとしている事を考えたら案外エロいかもしれない。
ま、奴隷だしいいや。
という事で着物をたくし上げて尻をペロンと露出させる。
「はひっ!?」
「結局エロい事をなさるのですね。私でないのは残念ですが、お母さんが同性愛に興味を示されるならそれはそれで」
「何言ってんだお前」
結局反応してしまった。
コイツのせいで余計天狐の娘が怯えてしまったじゃないか。
「奴は無視しなさい。というか私の奴隷なんだから拒否は許さん」
「は、はい」
着物をたくし上げたなら当然ぱんつが見える。しかし、何か布を巻いただけの何ともぱんつと呼べない代物が。いや今はそれはどうでもいい。
むぅ、やはり尻尾が無い。
キキョウも尻尾を出す気配が無かったからそもそも無いのかと思ったが、どうやらその通りだった。
折角なのでぱんつという名の布切れも下ろして確認したが普通の尻だった。
怯えからかプルプルしてるけど。
マオの尻には敵わんな。
確認も終わったしいいわよ、と声を掛けるとホッとした様子で着直した。
「お預けですか。やはり下着に色気が無かったので萎えたのでしょうか、それとも道具が不足しているから」
「ルリ、そいつを黙らせろ」
「無理なのじゃ」
「けど本当に尻尾無いのね。てっきり9本くらい尻尾が生えてると思ってた」
「妖狐でしたら生えてるそうです」
「なんで天狐にはないの?」
「それは、邪魔ですから」
動物みたいに尻尾でバランス調整をする必要が無い獣人達には大体無いそうだ。わんこ族はあったんだが……感情表現にでも使うのか?
妖狐には何であるのかと言えば、あれは狐が人の姿に化けてるだけなので尻尾もあるとの事。
天狐は獣人だが妖狐は妖怪って種類に分けられるらしい。
何で耳は人型に進化しなかったのか……
まぁ尻尾が無い事については理解した、それとは別に変態娘に同調する訳ではないが確かにあの下着は萎えそう。
あれは無いと思う。ひょっとしたらキキョウもあんなのを穿いていたのかもしれない。
脱いだらガッカリとかないわぁ。
「天狐はぱんつ優先で買わないと」
「ええ、あれでは見る楽しみが無いですからね」
「フィーリア様。貴女様は女王という立場なのですからあまり品の無い言葉は使われない様にお願いしたいです」
若干眉をしかめながらフルートが苦言を申してきた。
私じゃなくてユキに言うべきではないだろうか?
さっきから変態発言をしているのはコイツだぞ?
「品と言われても平民育ちの冒険者だし」
「仕官した以上言わせて頂きますが、いずれフィーリア様がアルカディアの女王であるとバレる事もあるでしょう。その女王が下着と連呼されたり下品な言葉を使っていてはアルカディア自体が貶される可能性があります」
「どんとこい」
「来させないで下さい」
大いに結構じゃないか。
舐めてくれた方が馬鹿が釣れる。そして再び侮辱された事を理由に賠償金をがっぽり頂く。ウチはお金と奴隷が潤う、素晴らしい。
目指すは五丁目ばりに評価の低い国だな。
「でもぱんつくらいでお下品とか言われても困る。そもそもぱんつとか言う名前を付けた奴が悪いのよ、だから私はぱんつと言うのをやめない」
「いけません」
……
「おぱんつ」
「頭におを付ければ言いってものじゃないです」
オバハンくさい奴だな。年取るとお小言が煩いから困る。
サヨもたまにババくさくなるし、やはり年は取りたくないものだ。
「けっ、ぱんつも言えないこんな世の中じゃ女王なんかやってらんないわよ。もう女王じゃなくて村長に降格しよう」
「残念ながら村に降格は無理です」
「まさかウンコもダメとか言う気?」
「それは女王以前に女性としてどうかと思います」
何故だ。自分だってトイレ行くくせに。
排泄物ですらお上品に言わなきゃダメなのか、実に世知辛い。
「フルートのオバサンくさいお小言はいいわ。奴隷連中の服を選びに行きましょう」
「おばっ!?」
「大人数で行ってもなんだし、フルートとタツコとキャロットと天狐の……さっきのリーダーっぽい奴と一番小さい奴が着いて来なさい」
「ヒメさんはお留守番ですか。まぁ見た目があれですし納得です」
天狐リーダーと大体身長は一緒なんだし問題ない。
メイド服なんて大体がフリーサイズっぽいし小さい奴以外は同じサイズで十分だろう。
タツコとキャロットに関しては動きやすい格好にする予定だ。
「買い物だしユキだけでいいか、他の皆は留守番しといて」
「はーい」
「珍しい飲み物があったらお土産に買ってきて欲しいのじゃ」
「珍しい食べ物も」
「服を買いに行くって言ってんでしょ」
でも屋台はあるな。飲み物は無さそうだけどフィフス王国名物ならあるかもしれない。
土産に買うかはともかく見つけたら食ってみよう。
「生意気にもワンス王国並みに人が居るわ」
「まぁ王都ですし」
「でも美人度ではワンス王国のが圧倒的に上ね」
「そうですね。というかワンス王国の王都が異常な気もしますが」
確かに。不細工どころか普通の女性を探すのも難しい。
容姿が普通な奴は大体が余所から来た者だし。
女性だけではなく男もだ。と言っても変態ファッションのせいで台無しではある。
それはさておき服屋だ。
王都だけあってそれなりに店の数が多い。だが天狐は着物ばっか着てるのでそういった種類の物が揃っている所を探す。
フルートの案内でやってきたのはそこそこ大きな店。
「ここなんか如何でしょう」
「着物が飾ってあるわね。えー、ヒノモトって国から仕入れてるみたい」
「恐らく東にある姉さんが修行してたと言う国でしょう」
ヒノモトって言うのか。着物って言うのはその国の特産品って感じか。
舞王も着物を着てたし悪魔の済む里ってのはその辺にあるのかもしれない。
普通の服もあるようだしここに入ってみよう。
王都を歩きながら移動してて分かったが、案外着物を着て歩いている住民が多かった。この国ではブームになってるっぽい。
「普段着はあるみたいだけどメイド服ってのは無さそうね」
「店員に聞いてみましょう」
誰が店員か不明だが、とりあえずエプロンを身に着けている者に声を掛けたら正解だった。
「メイド服はないですね。ただ、ヒノモトの給仕達が着ている物ならございますよ?」
「ほぅ、使用人とは違う気もするけど似たようなもんだしそれでいいや。見せてちょーだい」
「どうぞこちらです」
案内された場所で見たのは着物よりは地味目な服にメイド服同様エプロンを上から身に着けた様な服。
「こちら割烹着になります」
「着物より薄い生地ね。あと何かオバハンくさい」
「そうですね。ただ、同じ割烹着でも若い方向けに改良した商品がございます」
その改良したと言うのを見せてもらったが、着物に花柄が刺繍してありエプロンは何故か肩付近も下もフリフリしてた。要するにフリルになっている。
だがこれだけでもババくささが抜けて見える。確かに若い娘が着てそうな服だ。
「背中に見える帯に付いた大きなリボンが拘りです」
「あ、そう。天狐がこれでいいなら買うけど?」
「構いません。むしろ似たような服で安心します」
ならこれでいいか。
八人分だから八色別々に欲しいと言ったらあるようだ。
各色揃えるとは中々に品揃えが良い。
「では色に例えてあなた達の名前としましょう。赤青とかじゃなんだし、そうねぇ」
店員に持ってきて貰った服を見て考える。
茜、碧、藍、山吹、白銀、桃、菖蒲、後は黒だが……墨でいいか。
「順にアカネ、ミドリ、アイ、ヤマブキ、シロガネ、モモ、アヤメ、スミに決めたわ。誰がどれにするかはそっちで決めてちょーだい。いや、リーダーっぽいあんたはアカネで。そっちのちっこいのはモモよ」
「はあ」
「店員、これらを3着ずつちょーだい。桃色はこのちっこい奴に合わせて、他のはこっちの狐と同じサイズでいいわ」
「一部の色は品薄でして展示品になりますが」
「構わない」
「かしこまりました。すぐに用意して参ります」
うむ、実に分かりやすい。奴隷兵達には申し訳ないが、ハッキリ言って奴等の名前はすでに覚えていない。確か服に番号付いてるからそれを見れば分かるだろうが……
対してこっちは色で判断すればいいし楽だ。
「タツコとキャロットは動きやすい格好のがいいか」
こっちは主に動く仕事をさせるだろうし。
という事で別の店員に頼んで選んでもらったのはタツコは男らしくシャツとズボン。キャロットは短パンにパーカーだ。
この二人は服装に拘りは特に無いそうなのでこれに決まった。
暑くなったら別にまた揃えればいい。
店員が戻ってきて用意してもらった服を買い、亜空間に突っ込んでから店を後にする。
「割烹着とやらが私のゴスロリ並に高いとは思わなかった」
「この様に高額な服を頂き恐縮です」
「いいわ、似合ってるというか急にメイド服になっても何か違和感あっただろうし」
というか着物が高い。
あれを作るとなるとかなり手間がかかりそうだから分からなくもないが。生地も何かゴテゴテしてて重いし。
ああ、当然だが天狐のぱんつは普通のを買わせた。タツコとキャロットも同様だ。
見る楽しみが減るのでどんなのを購入したかは見ていない。
「装備も揃ったしこれでダンジョンに行けるわ」
「……もしかして、この格好で向かわれるのですか?」
当然じゃないか。私達の装備を見ろ、ただの服じゃないか。ユキのメイド服は異常な耐久性があるが。
今までもこれからもそれは変わらない。
ただこいつ等の武器は……素手でいいや。
「敵の攻撃を受けなきゃ問題ないわ」
「某は頑丈なので一発や二発問題ないであります」
「その意気よ」
不安そうになる天狐とは裏腹に全く気にしてない馬鹿一名。馬鹿は扱いが楽だから好感が持てるぞ。
買い物が終わったところで土産でも探すかと思うが、律儀に買って帰る必要が果たしてあるのか。
ぷらぷら歩いて目ぼしい物があれば買うか。
そして散策してると結構奴隷の姿を見かける。流石奴隷が合法な国なだけはある。
だが、何というかいかにも奴隷ですって格好をしているが。
「あのみすぼらしい姿の奴隷はお仲間じゃない?」
「はい、同じ天狐族です」
「天狐に限った訳じゃないけど、すれ違う奴隷ほとんど扱い悪いわよね。あれが正しい奴隷の扱い方なのか」
「正しいという訳ではありませんが。奴隷は道具というかモノ扱いというのが常識になってますから」
「その辺は私だって同様に考えてるわよ」
そう言うと何故かえ?と言いたげな顔をされた。
「何か意外って顔されてるけど事実でしょ。金で買える以上商品でしかないわ」
「それはアカネさん達もモノ扱いという事ですか?」
「そりゃそうでしょ。ただしキキョウみたいな元奴隷なら別だけど」
「おやお母さん、何時の間にキキョウさんを解放していたのですか?」
「そうしなきゃ首輪外せないじゃない」
本人は首輪有りでいいと言っていたが、代理中は外して行動する必要があったので外した。
呪いとも言える契約の魔法がかかっていたがウチの呪いのエキスパートであるサヨとメルフィによってあっさり解呪された。
割と複雑な術式だったらしいがあの二人は年季が違うのだ。言葉通り中身がな。
「ただしこの国の飼い主とは価値観が違うみたい」
「価値観ですか?」
「例えばあの天狐の飼い主だけど、あんなみすぼらしい奴隷を連れてるのに何かドヤ顔してるじゃん。何でよ」
「天狐族を奴隷に持っているという事だけで優越感に浸っているのでは?」
「へー、私には無理に奴隷を購入したから代えの服も満足な食事も与えられない見栄っ張り貴族にしか見えないわ」
「なるほど、そういう見方でしたか」
実に愚かな奴隷の使い方である。
あんな状態ではまともに働かせる事も難しい。顔色も悪いしその内あっけなく死ぬんじゃないか?
「奴隷は道具、ただし高額な道具よ。あれはともかくアカネ達には一人につき3000万の価値がある。そんだけあれば何年暮らせるのよ。雑に扱って早死にさせるとか馬鹿の極みね」
「それがフィーリア様が奴隷を優遇される理由ですか」
「優遇じゃないわ。私にとっては当然の扱いなの。あんたらはモノ扱いされて文句あるの?」
「いえ、全く不満はございません」
「某もないであります」
特に敵意は見られない。その辺の奴隷と違って死んだ目もしていない。
やはり私の扱いが正しいのだ。
ああいう馬鹿貴族は寝首を掻かれても不思議ではないな。
そもそも役に立たない奴隷に何の価値があるのだ。まぁあの好色そうな男貴族なら別の使い道があるだろうけど。
「ただし、国に戻ったら働いてもらうわ。奴隷らしく結構キツイ仕事量だから」
「はい」
「まず、睡眠時間は1日8時間」
「思いっきりぐっすり眠れるじゃないですか」
そうか?
私は1日10時間ぐらいが一番快適に過ごせる睡眠時間なんだけど。昔なら半日は寝ていたところだ。
「休日は週に1日よ。どうよアカネ、キツイでしょう」
「いえ、むしろお休みを頂ける事に驚愕です」
馬鹿な、私なんて毎日が休日って感じに過ごしているのにたった1日の休みで満足だと?
一週間学園に通うのも苦痛だったと言うのに働くとか無理。
「ご飯は1日3食きっちり食わせる。風呂も病気の時はともかく毎日入らせる。給金はユキ達のお小遣いの半分の月に1万ポッケ」
「楽園のようであります!」
「ごほん、どうやら私が甘かったのかもね。でももう一つ重要な事がある」
「何でしょうか」
「サボっていいのは1日3時間だけよ」
「……」
「6時間」
「何で倍に伸ばしましたか」
8時間寝て6時間サボる。という事は10時間は働かなければならない。
10時間とか……
「何か有り得ないって顔をしてるけど、あんな小さい国で毎日10時間何をして働けというの?」
「お母さんは何もしませんので知らないのでしょうが、結構やる事はありますよ」
「ふーん」
「あの、本当にその様な労働条件でいいのですか?」
「いいんじゃない?キキョウとか他の奴隷達なんて多分そんな感じで働いてるわよ。してなかったらそうする様に指示するわ」
指示するまでもなく十分サボってるだろうけど。ミニマム連中なんてしょっちゅうニボシと一緒に間食してるそうだ。おかげでふくよかになってきたとか。元々ガリガリだったから標準に近づいただけだろうけど。
あと、6時間も自由時間があればそのうち男奴隷としっぽりして子供も生まれるんじゃないかと思う。
「ま、何はともあれあなた達は恵まれている事を自覚して精進して下さい」
「はい」
「恵まれてる?……面白い事言うわね。恵まれてる奴は奴隷なんかしちゃいないわよ」
「いえ、その……正直里での暮らしより裕福です」
「某も同じであります」
その発想はなかった。
そうだよなぁ、場所によっては奴隷の方が暮らしが良かったりするよな。マオだってそうだ。奴隷になってた方がマシな暮らしをしていたと思う。
「つまり解放して里に帰してやるのは逆に罰になるのか」
「某には行く宛は無いので捨てられない様に頑張るであります」
「タツコも色々あんのね……じゃあダンジョンでは大いに頑張ってもらいましょう」
行くのは明日だが。
候補は今日の夜にでも決めよう。場所についてはユキに調べてもらえばいい。
「大事になさるなら装備も揃えた方がよいのでは?」
「要らん。死ななきゃ治せるから大丈夫」
さて、何か割と注目を浴びてる気がするし戻るとしよう。
何か屋台があるし、売ってる物が何なのか分からないが食べ物っぽいしメルフィへの土産として買っていってやるか。




