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幼女、決意する

「そろそろ貴女も働きなさい」


始まりはそんな母の一言だった。


☆☆☆☆☆


 ワンス王国内にある我がフィーリア家は貴族を思わせる家名を持ちながら平民という特殊な家系だ。


 平民は家名を持たない。この国での常識なのだが何故我がフィーリア家には家名が有るかと言うと…他国から引越してきたからだ。

 引越しを決意した先祖に何があったかは知らないが、数ある国の中で比較的平和な国に引越した事には感謝したい。


 でも平民でも家名を持てる国なんてあったっけ?まぁ…世界は広いから何処かにはあるんだろう、うん。


というか我が家の過去とかどうでもいいや


 私が学園の中等部を卒業して早くも一年が経つ。学友達は高等部へ進学したり、冒険者になったり、家業を継ぐ為に働きだしたりとそれぞれ進路を決めて巣立っていった


 私はというと、卒業した次の日から朝は寝て過ごし昼は寝るかぼーっとして過ごし、夜は眠くなったら寝るという実に優雅な生活をしている。食事は食べたい時に食べたい物を食べる。まさに勝ち組。最後に外に出たのはいつだったが忘れたが、今後も引きこもるつもりなので気にする事はない


 平民のくせに何故こんな素敵生活出来てるかと言えば…それは私のメイドのおかげだ。フィーリア家ではなく私のメイド。名前は『ユキ』。身長170cmほど。美人でスタイルも良い女の敵だ。名前を付けたのは私。髪の色が雪っぽいからそう名付けた。考えるのが面倒な私らしい安直な名前だ


 このユキはかなり優秀…いやかなりの超人で、冒険者になって私の代わりに金を稼いでもらっている。

 ユキが稼いだお金は何故か母が管理しているので金額は知らないが、この一年で高そうなアクセサリーをいくつも身につける母を見れば結構な金額だと想像できる。


「ユキが稼いだお金ほとんど母さんが使ってない?」


 と、以前ユキに聞いた事があるが、一応私達の分は別に貯金してるらしい。流石私のメイド。きっと母に全額渡すのはマズイと本能で悟ったのだろう


 そんなこんなでユキ任せの優雅な生活を過ごしていた私をいよいよ見過ごせなくなったのか、母が放った一言が冒頭の言葉だ


☆☆☆☆☆


「お母さんもいつかは貴女が立派に働いてくれると思ってこの一年我慢したわ」

「まだたったの一年じゃない…私だっていつかは働くわ。だけど…それは今じゃないっ!」

「今なのよ!もうお母さん限界なの!主婦の集まりでアクセサリー自慢して格の違いを見せようと思ったら『そういえばお宅の娘さんの進路はどうなりましたの?まさか未だに決まってないって事は…』って反撃を喰うのはもう嫌なの!」


 それが本音か。親の言葉としてはどうかと思うが、その自分中心、自分大好き精神は嫌いではない。説得としては最悪だが


 ふむ…思えば親孝行と言える事はほとんどした覚えはない。14の時に人生に絶望した後も、それ以前のまだ純粋だった頃も


 良い機会か…最初で最後になるだろうが、私が 脱無職する事が親孝行になるのならばやる気を出さない事もない


「…わかったわ。私働く」

「うそぉっ!?えぇー…?」


 反応がおかしすぎる。なぜ懐疑の目を向けてくるか母よ。娘の決意はそんなに疑わしいか。


「…ちなみに働くってどうするの?今から高等部に進学するのも有りだと思うけど。というか貴女が真面目に働くとは思えない」


 さっきまで働けと言ってたくせに…。同じ人物の言葉とは思えない発言だ


「私は冒険者になるわ。だってギルドで登録するだけで脱無職よ。」

「良かった…偽物かと思ったけど、その考えるのは如何に楽するかだけっていうクズっぷりは間違いなく私の娘ね」


 その言い方じゃ自分もクズだと言ってる様なものだ


「一応言っとくけど、冒険者登録した後は今まで同様ダラダラ過ごすってのは無しよ」

「わかってるわよ…より快適な自堕落生活を考えるわ」

「わかってないじゃない!」

「じゃあ昼寝の時間を2時間に減らすわよ…ったく…」

「却下よ!毎日毎日昼間に家に居るのが駄目なのよ!なに仕方ないから妥協してあげる感出してるの!?」


 必死だなぁ…。これは近所の奥様方を家に招いてアクセサリー自慢したいに違いない


 まぁ、冒険者になって外に出るのも悪くない。ユキが居れば何の問題もないだろうし。

 旅行と思えば良いのだ。何処かで豪邸を買って優雅に過ごすのも良い。旅行しつつ余生を過ごす豪邸を買う

 おぉ…やる気でてくる!


「やる気でたっ!目標をもった私は生まれ変わった!」

「うん。ろくでもない目標と思うけど…やっとやる気出してくれてお母さん嬉しいわ」

「じゃあ早速ギルド行って旅行…じゃなくて冒険に出発するわ!」

「…まぁいいわ。不要な発言してやる気無くされても困るし…いってらっしゃい







ペドちゃん」


「その名前で呼ぶなっ!」



 私の名前はペド・フィーリア。この名前のせいか幼少期から成長が止まってしまった悲劇の少女だ。



 私に新たな目標が出来た



 絶対に有名にならない事だ

初めまして。うたたねと申します。


暇潰し程度に書いてますので暇潰し程度に読んで頂けたら幸いです。


暇な時間に書いてますので更新不定期です


書くの遅いんです。はい

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