第1話 神との邂逅と設定 (1)
将緋斗は目を開けた。
開けたはいいが、視界に入るのは真っ白な何も無い景色だけだ。
慌てて飛び起きる。が、景色は変わらず真っ白のまま。
自分の脚元さえドライアイスが漂っているかの様に霞んでいて、どの様な場所にいるのか解らない。
しかし、しっかりとした感触がある。
少し離れた場所に独司が倒れているのを見つけた彼は、駆け寄って介抱する。
まもなく独司も「うう・・・」と軽い喚き声を上げて気が付いた。
「ここは何処だ?」
独司が訊く。
「俺にもさっぱり解らん」
将緋斗も呆れた様に答える。
「俺達の乗っていた車の前を、いきなり大型トレーラーが横切ろうとしたんだよな?
その後、どうなったんだっけ?」
「さあな。俺もその先の記憶が無いんだが・・・」
将緋斗は少しばかり考え込み、やがて一つの回答を出す。
「独司、俺達って、ひょっとして死んでしまったんじゃないか?」
「えっ! だったらここは天国かっ?」
顔を見合わせ驚く二人に、突如、声が聞こえてくる。凛とした女性の声だ。
「その通りです。残念ながら貴方たち二人は死んでしまいました」
驚いた二人は、声の発された方向を見つめる。
その先、霧の中から一つの影が現れ、次第にその姿を明確にさせながら二人に近付いて来る。
やはり女性だった。しかし、その格好は奇妙だった。
今時の衣装ではない。古代史に出てくる邪馬台国の卑弥呼女王、丁度そんな感じなのだ。
「あ、貴方は誰なんです?」
将緋斗は驚きながらも、淡々と近付いて来るその女性に訊いてみる。
「私は神です」
女性は毅然とした態度を崩さず答える。
「神だって?」
今度は独司が訊き返す。
「そうです。より正確に言えば、日本国の神です」
「・・・日本の国の神様・・・ですか?」
「その通り。名は大和」
「その日本の国の神様である大和様が、俺達に何か用でもあるのですか?」
「はい。貴方達二人の力で、この日本を元の毅然とした国に戻してほしいのです」
二人は驚く。
いや、さっきから驚き通しなのだが、この大和と名乗る神様の突拍子もない希望もさる事ながら、
二人の直ぐ目の前にまで歩み寄って来た彼女の姿に問題があった。
神様だというので実年齢は定かでないが、見た目の年齢は二人と同じ20歳くらい。
背丈は高くもなく低くもなくの160cm程度か。
漆黒の艶光りする髪は、さらさらと真直ぐに腰の先までも達する。
シャンプーのCMにでも出れば人気確実な、誰が見ても納得する大和撫子な美女である。
そして、卑弥呼みたいな衣装-これも日本の神様なのだから別に構わないだろう。
では、何が問題なのかというと、その衣装が透け透けのシースルーだという事だ。
それを一枚羽織っただけの彼女は、当然の如く、それこそ神々しいばかりの裸身が丸見えなのである。
つまり、ひおあきら版宇宙戦艦ヤマトのスターシア状態なのであった。
ひおあきら版スターシアなんて書くと、歳が知れますねw
当時はあの格好、それなりに魅入ったものです。良いですシースルーw
ま、画風もさることながら、ヤマトがタンブルホームで萎えましたが・・・orz